#93 魔王討伐のその先へ……
皆さん、こんにちは!アオです!
それでは「運の悪すぎる俺が全てガチャで決まる異世界へ転生して
しまったのは何かの手違いだといいのだが……」をどうぞ!
父「即死呪文は効かないようにしておいたから大丈夫だ」
魔王「なっ……なんだと!?即死呪文を無効化だと!?」
魔王の驚き具合からこの異世界で即死呪文を防ぐことができるのは
かなり珍しいことなのだろう。俺は呆然として父の方を見る。
父「とどめを刺させてもらうぜ!」
父さんはそう言って無詠唱魔法で魔王にダメージを与える。
その瞬間、魔王は断末魔とともにその場に倒れ込んだ。
俺「えっ……あっ、あの魔王を倒した……?」
その様子に圧倒された俺は力が抜けてその場にしゃがみ込む。
父「間に合ってよかった。壮太、大丈夫か立てるか」
父さんがそう言って微笑みながら手を貸してくれた。
その光景は何十年も前、小さいころに見た景色と全く同じだった。
そのことを思いだすと自然と目から涙が流れてきた。
俺「っ、うっ……とっ……父さぁぁん゛……」
父「おっ、おい……たくっ……よく頑張ったな」
俺は父さんの胸の中に飛び込んで子供のように泣きじゃくる。
そんな様子を父さんは優しく抱きしめてくれた。
ひとしきり泣いた後俺は父さんと顔を見合わせる。
父「ごめんな、来るのが遅れて」
そう言って苦笑いをする父さん。この顔が懐かしくてたまらない。
俺「うんん、ありがとう。父さんがいないと負けてたと思う」
父「だろうな。よしっ、とりあえずこの人たちを蘇生させるか」
そう言って父さんはサールズさんやバーティさんを
蘇生呪文で復活させる。そのときに気が付いたがバーティさんの仲間が
言っていたクールタイムのようなものが父さんにはなかった。
俺「父さん、蘇生呪文を連続で唱えれるの?」
父「ああ。こう見えても父さん最上級魔法使いだからな」
父さんがそう言うと蘇生されたバーティさんや後ろで待機していた
冒険者一同が驚いた表情で口々に"すごい"と言う。
バーティ「この度は助けていただきありがとうございます……
差し支えなければ一つ聞いてもよろしいでしょうか」
父「ん?私に答えれるならなんでも」
バーティ「ありがとうございます……私の勘違いですと申し訳ないのですが
あなたはトム・ブラウン二世様ではないでしょうか」
バーティさんがかなりかしこまった様子で言うと父はまた苦笑いして
父「あっちゃ~、ばれちゃったか。いかにも私がトム・ブラウン二世だよ」
中世ヨーロッパ人のような名前が出てきて俺とサールズさんは混乱する。
それとは反対に後ろで見ていた冒険者一同は歓声とともに"トム様"と
名前のコールが始める。えっ……一体どういうこと!?
俺とサールズさんが戸惑っているとバーティさんが説明してくれる。
バーティ「……どうやら先ほどの話を聞いているとトム・ブラウン二世様と
壮太は親子関係だったのか。だからあの運の悪さも……」
サールズ「えっと、どういうこと?」
バーティ「失礼。このお方壮太のお父さんであるトム・ブラウン二世様は
この世界を制しているトム一族の現在の国王なのです」
バーティさんがそう紹介して俺とサールズさんが驚いた顔で父さんを見る。
父さんは苦笑いしながらここまでのことを説明し始める。
父「実は私が前の世界で死んだあとに壮太と同じでこの異世界に来たんだ」
そう話始めると俺は生唾を飲み込む。
父「しかも異世界に来た時は赤ちゃんの姿になっていてね。聞けば
この世界を収める国王の元に生まれていたようで。それでこの異世界での
父……つまり前国王が退位した際に私が国王になったわけだよ」
俺「……そんなことがあったんだ……」
あまりにも壮大な物語に俺の脳はキャパオーバーしていた。
父「さらにたまたま職業が"最上級魔法使い"でさっきの魔王戦でも
壮太たちを助けることができたんだよ。それに魔王はこの世界の征服を
企んでいて私たちも頭を悩ませていたからね」
バーティ「もしかして町長さんからのクエストもトム・ブラウン二世様から?」
父「ああ、そういうことだ。これが私がこの異世界に来て体験したことだ」
父さんのあまりに壮大過ぎる話に呆然としていた。
父「とりあえず魔王城から脱出しようか。皆さんもこちらに」
そう言ってすぐに父は水色のホールを出す。これで戻ることができるのか。
そして父さんを筆頭に次々とそのホールに入っていく。
その後、俺たちは元の町に戻ってきてギルドの酒場へ向かった。
父「ここがギルドの酒場か。耳にしていた通りにぎわっているな」
父さんがそうしゃべると受付の人やギルドで休んでいた全員が
驚いた表情で父を見ていた……そうか国王ならだれもが知っているよな。
案の定というべきか父さんの登場に歓声が上がっていた。
そしてそれを聞きつけたのか町長さんが息を切らしてギルドの酒場へ来た。
町長「ぶっ……ブラウン様!なぜあなたのようなお方がわざわざこの町へ」
父「町長さん落ち着いてください」
父さんはそう言って町長さんに魔王討伐の話の流れを説明する。
町長「あっ……あの……まっ、魔王を倒したのですか!?」
町長さんが大きな声で言うとさらに歓声が上がる。
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それでは次回お会いしましょう!アオでした~!




