#9 次の町へ……
皆さん、こんにちは!アオです!
それでは「運の悪すぎる俺が全てガチャで決まる異世界へ転生して
しまったのは何かの手違いだといいのだが……」をどうぞ!
町へ戻りいつもの宿にチェックインをして自分たちの部屋に入る。
すると、サールズさんが"話がある"と言って俺を呼び出した。
とくに検討が付かなかった俺は"なんだろう?"と思いながらも食堂へ向かう。
サールズさんは昨日と同じでピザのようなものを注文した後、本題に移る。
サールズ「思ったよりも壮太のレベル上げが順調そうで明日にも次の町へ
行こうかと思っている……つまりこの町を明日には出発する」
俺は少しだけ考えてサールズさんに伝える。
俺「わかりました。俺にとってはたった三日程度なのでそこまで心残りは
ありませんが、サールズさんは異世界に来てから数か月ずっとここの
町で過ごしていたということは少しくらいは心残りとかあるのか」
サールズさんはくしゃりと笑い自身の思いを伝え始める。
サールズ「確かに壮太の言う通り心残りが全くないわけではない。
壮太と同じで俺も前世ではあまり人とかかわることは少なかった。
だからこそ人の温かさというものをあまり知らないでいた……
しかしこの異世界に来てから数か月この町に滞在していたが
これが人の温かさかというものを知ることができた」
サールズさんは話に一区切りを置いて注文した料理を眺める。
サールズ「ここの宿の食事を食べることができるのも今日で最後か……
すでに店主さんにこの町を離れることは伝えてある。
お世話になった町長さんにもお礼は言ったから心残りはないよ」
サールズさんのそういう言葉に安心して俺はホッとする。
俺「まあ、寂しくなったらまたこの町に戻ってくればよいですから!」
サールズ「ああ、その通りだな。じゃあ明日の朝出発するでいいな?」
俺「はい!」
その後、俺たちはこの町で最後の夕食をかみしめながら味わっていた。
俺「そういえば、俺が異世界へ来る直後に"現実世界と異世界がつながっている"
と言われたところへ行ったときに"死んだ後の人間の大半はこの異世界へ
行く"と言われたのですが残る一部の人ってどうなるんでしょうか……」
俺が何気なくサールズさんに聞くと彼は不思議な顔をして
サールズ「……?その答えを求める前に壮太が行った"現実世界と異世界が
つながっている"場所ということについてもう少し詳しく話してほしい」
サールズさんの要求に俺は少しばかり疑問を抱きながら話す。
俺「もう少し詳しくも何も言葉の通りですよ……確かラブェルという人物が
そこの最高管理者みたいな人でその名の通り現実世界で亡くなった者を
異世界に行かすときに経由する地点らしいですよ」
サールズ「そんな場所があったのか……」
俺「サールズさんのその反応は、もしかしてそこを経由していなかったんですか?」
サールズ「ああ。俺が前世で死んだ後に気が付けば原っぱが広がっている
この異世界にたどり着いた……もちろんそのラブェル?も知らないぞ」
俺「……サールズさんは違ったんですね……どうしてこう人によって違いがあるか
わかりませんが……何か理由があるんでしょうか?」
サールズ「俺もその話は、今初めて聞いたから何も言えないが……」
結局、何もヒントが得られないまま俺たちは自分の部屋へ戻っていった。
そして翌日、俺は昨日のように寝坊する……なんてことはなく予定していた
時刻に起きることができた。珍しいな……なんて思いながら支度をしていると……
サールズ「お~い、壮太起きているか?」
とドア越しで質問をするサールズさんの声が聞こえた。
俺「はい、起きています。準備しているのでちょっとだけ待っていてください」
サールズ「ああわかった。準備が終わったら食堂に来てくれ」
俺「はい!わかりました!」
元気に返事をして俺はすぐに準備をする。
数分後、準備を終えた俺はサールズさんが待っている食堂へと向かう。
サールズさんはメニューを見ながら朝食を選んでいた。
俺「おはようございます。とうとう出発の時ですね」
サールズ「ああ、その通りだな……店主さんこのサンドイッチをお願いします!」
店主「あいよ。壮太さんはどうする?」
三日という短い時間しか泊まっていなかったのに名前まで覚えてもらっていた。
俺「えっと……じゃあ同じやつでお願いします!」
注文して数分後……すぐにサンドイッチが出てきた。
店主「二人とも次の町へ行くんだってね!頑張ってらっしゃい!」
俺・サールズ「はい!!」
店主さんに応援の言葉をもらって俺たちはサンドイッチを食べ始める。
そして、もう一度店主さんにお礼を言って俺たちはこの町を後にする。
俺「本当にあそこの宿の店主さん優しかったな」
サールズ「ああこんな俺たちでも人の温かさを知るきっかけになった良い人だよ」
俺たちはそんなことを話し合いながら次の町までの1時間を過ごした。
途中、モンスターと会うこともあったけどレベル的には用事がなかったので
俺たちは素通りして次の町を目指していった。
そして歩き続けて……少し遠くに町のようなものが見えてきた。
俺「あっ!!あそこじゃないですか!?」
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それでは次回お会いしましょう!アオでした~!