#16 技の伝授
皆さん、こんにちは!アオです!
それでは「運の悪すぎる俺が全てガチャで決まる異世界へ転生して
しまったのは何かの手違いだといいのだが……」をどうぞ!
冒険者「それでは私たちはこれで体には気を付けてくださいね」
俺「あっ、ありがとうございました」
サールズさんも冒険者たちにお辞儀をして彼らは去って行った。
そのまま白衣を来た人たちもお辞儀をして去って行った。
サールズ「それで、さっきの"なぜ死ななかったのか"についてだけど
おそらく転生者はこれ以上死ぬことはないんじゃないのかな?」
俺「えっ、つまり不死ってことですか?」
サールズ「そんな感じだな……」
俺「でもなんで、転生者だけなんでしょうか……?」
サールズ「それはわからない……ただ前世で死んで異世界に来たのに、
ここで死んでしまったら次どこへ行けばよいかわからなくないか?」
俺「確かにその通りですね……って俺たち何話してるんでしょう」
サールズ「さあな。とりあえずは体が完全に回復するまでおとなしくしていよう」
その後、会話が続くことはなく気が付けば眠っていた。
どれくらい時間が経ったのだろうか……窓を見るとすっかり暗くなっており
隣にいるサールズさんもいつの間にか寝ていた。
俺はサールズさんを起こさないようにそーっと起き上がる。
すると完全に痛みが消えていた。
サールズ「……ん?ふぁ~……なんだ、壮太起きたのか」
俺「すみません、起こしちゃいましたよね」
サールズ「いや、全然……しかし変な時間だな……」
サールズさんは時計を見ながらそういう。現在時刻は21時を回ったころだった。
俺「体の方は完全に回復したので心配はいらないですよ!」
そう言って俺は元気なポーズをとって見せた。
サールズ「じゃあこの街はずれにあるとある場所に向かいたいのだがいいかな?」
俺「はい!大丈夫ですよ!」
俺たちは身支度をしてこの町を出る。
ちなみに今まで俺たちがいたところは現実世界でいう"病院"に近いところらしい。
ここで怪我を負った冒険者たちの治療を行っているとのこと。
だから俺はこうやって助かることができたのか!
町を出発してから十数分後……目的地であるとある家に着いた。
辺りに他の家などはなくこの一軒がぽつりとあるだけだった。
俺「こんなところに家があるなんて珍しいですね。でもここで一体何を
しようとしているのですか?」
サールズ「まあまあ、それは後でのお楽しみだよ」
サールズさんはそう言ってドアをノックする。
すると中から、70代のおじいさんが出てきた。
おじいさん「こんな時間に何の用だい?」
サールズ「夜分遅くに失礼します。防御の極意について教えてほしくて来ました」
おじいさん「悪いね、あんたら冒険者に教える極意なんぞもんはないよ」
サールズ「ちょっと待ってください……彼は運のステータスがマイナスなんです」
そうサールズさんが俺のことを指さしながら言うとおじいさんの目が見開く。
おじいさん「もしやお前たちも転生者の者なのか!?」
サールズ「はい、その通りです。なのでお願いします。どうか防御の極意を!」
サールズさんが頼み込むとおじいさんが少し悩んで"入れ"という。
サールズさんに続いて俺も"お邪魔します"といいながらおじいさんの部屋に入る。
部屋には至ってシンプルなベッドと机、いすが置いてあるだけだった。
まるでここでは生活をしていないように感じた。
おじいさん「お前たちはいわゆる"現実世界"からの転生者なのか?」
サールズ「はい、さっきも申し上げた通りそうです」
おじいさん「なるほど……ただし……極意はそれ相応の体力が必要だ」
俺の知らない間に話が進んでしまっていっている。
俺「えっと……いまだに状況が呑み込めていないのですが……」
サールズ「悪いな勝手に話を進めてしまって……この人はサブェル・ローマさん
という方で今、防御の極意を教えてもらおうとしているところだ」
俺「防御の極意とは?」
サールズ「防御に対する基本の動きから応用まで全てを教えてくれるのだ。
そして最終関門を突破すればクリティカルヒットさえ避けることが
可能なくらいの体力を手に入れることができるという」
俺「なるほど!そんなものがあったんですね!」
ローマ「おぬしは本当に極意を習得したいのか?これまで習得できた人数は
数えるくらいしかいないが……それでよいな?」
俺「……はい!先ほども説明があったように俺の運のステータスが
マイナスの状態で今さっきまでクリティカルヒットを食らって
死ぬ直前になってしまったので……お願いします!」
ローマ「よかろう……それでは別の場所へ案内してやろう。ついてこい」
これからどのような修行が待っているのだろうか……
全く想像がつかない中俺はローマさんの後を着いて行った。
山の中をどんどん進んで洞窟のような場所に入り奥へと進んでいく。
ローマ「ついたぞ……まずはこいつと腕試しだ……絶対に倒してはいけない……
しかしこいつが疲れ果てるまでなるべく攻撃をかわしてもらおう」
こいつと言われたモンスターのような生き物はまるでライオンのようだった。
俺「え……こんなモンスターを俺一人で!?」
読んでいただきありがとうございました!
コメント(感想)をくださるとうれしいです!
それでは次回お会いしましょう!アオでした~!