#14 新たな呪文
皆さん、こんにちは!アオです!
それでは「運の悪すぎる俺が全てガチャで決まる異世界へ転生して
しまったのは何かの手違いだといいのだが……」をどうぞ!
この店では、基本呪文の取り揃えはよいようだが応用呪文については
札があるものの完売してしまっている状況だ……
俺「やっぱり応用呪文ってこともあってないですね……」
サールズ「ああ、そのようだな……とりあえずは基本呪文だけ買ってほかの
店によって何か良いものがあったらその都度買っていこう」
サールズさんはそう言いながらポケットから何やら茶色い大袋を取り出した。
その袋を振ると"ジャラジャラ"と小銭のような音がする。
おそらく、サールズさんがこれまでにためてきたお金だろう。
これが何を指しているのか……つまりどれだけでも買うことができるということだ。
数分後、俺たちは道具屋を出る。たくさん買えると思っていた巻物だったが
冒険者を中心に需要があるようでそこそこ高い値段設定だった。
俺「いやぁ~……もう少し買えると思っていたのですが……」
サールズ「だな……えっと次の店はどこだったかな……」
今回、俺が買ったのはサールズさんが覚えている呪文である"ヒール"・"ファイア"と
氷属性である"ブリザード"そして剣を自由に召喚できる"召喚:ソード"だ。
最後に紹介した召喚できるのはかなりの優れもので購入価格が一番高かった。
ちなみに、サールズさんが今回買ったのは"サンダー"だそうだ。
サールズさん曰く、全体攻撃呪文・技がないのは後々面倒なことになるらしい。
確かに今俺が購入したものを含めてそれまでは単体攻撃のものしかなかった。
そういう意味ではあえて"サンダー"を購入するのもありだったのかもしれない……
サールズ「次の道具屋はここから少し離れたところらしい……行くぞ」
俺「はい!わかりました!」
俺は巻物をしまってサールズさんの後を着いて行った。
町を歩き続けて十数分後……二軒目の道具屋にたどり着いた。
少し町から離れてはいるものの客足は全然途絶えていなかった。それだけ
大きな道具屋なのだろう。これは巻物にも期待できるぞ!
そんなことを思いながら俺たちは入店していったが期待を裏切られた。
巻物のコーナーに来ると確かに複数の巻物が置かれていたがどれも基本呪文だけ。
応用の方は前の道具屋と同じで完売してしまっていた……
サールズ「どうやら応用呪文の巻物はかなり人気があるみたいだな……」
俺「ですね……基本呪文は前のところで購入したのでもういらないですし……」
サールズ「まいったな……望みは薄いけど最後の道具屋に行ってみるか」
そう言って俺たちは五分足らずでこの店を後にした。
次の道具屋は近いところにあったが入口からあまりお客さんがいないのがわかる。
サールズ「確かに客は少ないがその分、ねらい目かもしれないな」
サールズさんの言葉に確かに!と思いながら祈りながら巻物の売り場へ向かう。
しかし前の道具屋と同じで応用呪文の巻物は一つたりとも残っていなかった。
サールズ「やっぱりそうか……とりあえずは購入した基本呪文で頑張るか!」
俺「ですね……でもこれで本当にあのボスを倒せるのでしょうか……?」
俺が不安そうに言うとサールズさんが苦笑いしながら
サールズ「わからないがとりあえずやってみないと始まらないな!」
俺「そうですね!ではいったんギルドの酒場へ戻りましょう!」
そう言って俺たちはギルドの酒場へ戻ることになった。
サールズさんが再びクエストの受注をして俺たちは町から離れた森へ入る。
サールズ「とりあえず道中に現れるオーガで新しい呪文の試し打ちをしようか」
"試し打ち"という物騒なワードが聞こえて一瞬冷や汗をかいた俺。
サールズ「……ってちょうどいいところに実験台が現れたな」
"実験台"……俺たちやばい人みたいな感じになっていないか不安になってくる……
サールズ「サンダー!」
サールズさんが新しい呪文"サンダー"を唱えるとどこからか雷が落ちてくる。
その雷はもちろん敵であるオーガたちに命中する。
何発も攻撃をするため一度当たらなくても平気なのが良いところだ。
四匹現れたオーガたちだったがサールズさんのサンダーによって
一気に一匹にまで減ってしまった。そのサンダーの威力を見たオーガは
逃げようとする。しかしすぐにサールズさんのファイアによって倒された。
この一瞬で四匹のオーガたちを倒してしまうなんて……
サールズ「お~!このサンダー系統の呪文強そうだな!」
俺「ですね、基本呪文ですらその威力ですから!」
俺たちはそう興奮しながらさらに森の奥へと進んでいく。
俺「じゃあ次は俺が倒しますね!」
サールズさんがうなずいたのを開始の合図に
俺「召喚:ソード!……なにこれすげぇ~!」
召喚呪文でこんな強そうな剣が出てくるなんて思ってもいなかった俺は
ついそんなことを口に出してその剣に見とれてしまっていた。
そのため、前から切り付けてくるオーガに気が付かなかった。
俺「うっ……」
あまりの痛さに俺は声を上げることもできずにその場にうずくまった。
サールズが"大丈夫か"と言いながら駆け寄ってきた。
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それでは次回お会いしましょう!アオでした~!