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魔法少女杯争奪戦  作者: finalphase
第2章 真の正義
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19話 罪滅ぼしの和解

瞳子はあれから何度も真由の家を訪れた。もうかれこれ2週間ほどになる。真由は一度も顔を見せてくれなかった。真由の母親も日に日に窶れていっているのが目に見えて分かった。ある日、いつものように真由の家に向かう途中好美に遭遇した。

「今日もあいつんちへ?」

黙って頷く。

「その、今まで悪かった。私がもっと強い人間だったら…」、そう言って好美は目を伏せた。正面から見るととても整った顔立ちをしている。あどけない瞳とサラサラの髪が美しさを引き立たせる。明るくない彼女を見たのは何気に初めてかもしれない。どんな時でも愛想よく振舞う術を持っていたから。しばらく沈黙が続く。

「私の友達を傷つけることに加担したこと、多分、死んでも忘れないと思う…でも、もう終わったことだし、良いよ……一緒に真由のところに行ってくれる?」

「っ。ほんと、ごめんなさい。」

好美は目に涙を浮かべながら謝罪の言葉を述べた。好美のことだから形だけ反省した演技をしただけで内心は自分のしたことが許されてほっとしたのかもしれない。でも、今の好美が嘘をついているようには瞳子には見えなかった。キュッピーと飛鳥も万が一の事態に備えて瞳子を見守ってくれている。2人は黙ったまま、人気のない通りを歩いた。暫くすると真由の家に着いた。チャイムを鳴らす。いつものように母親が出迎えてくれる。承諾を経て、真由の部屋をノックする。返事はない。物音もしない。いつも通り鍵がかかっている。生きているのかどうかも心配になるほどの静けさ。再び気まずい沈黙がその場に流れた。

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