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魔法少女杯争奪戦  作者: finalphase
第1章 覇権争い
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14話 友情の支え

瞳子は思わず目を覆った。固い金属音のようなものが聞こえた。恐る恐る目を開けると見慣れた姿がそこにあった。

「真由!ありがとう、また助けられちゃったね」

「全く、あんたは弱いくせにいつも1人で無茶するんだから。」

「ほんと、毎回迷惑しちゃうわよねー」、と愛理。

桃子もそれに対してうんうんと相槌を打つ。

「もー、みんなして何よー。」、瞳子が頬を膨らませる。

それを見て、皆が笑った。真由が真面目な表情に戻ると、イーグルめがけて弓を放った。弓の色はこの前よりも更に濁っていたが、見事に怪物の身体を射抜いた。いつ見てもさすがとしか言いようのない綺麗な戦闘スタイル。その真由の前を理恵たちが通り過ぎた。

「相変わらず良い腕前ね、真由。でも、私にはその程度の実力じゃ勝てない。今回は見逃してやる。その代わり、次遭う時は覚悟しな。」

真由の口元が僅かに引き攣った。

「はぁ?誰があんたみたいな悪徳アタオカ魔法少女と戦うのよ?あんたはそもそも思考が低レベルなんだよ。きやすくうちらに話しかけんな。」

愛理が理恵を睨みつけた。

「低レベルなのはそっちでしょ?」、天音も強く言い返した。

好美は理恵たちに表向きは肯定的な相槌を打ちながらも、内心は所属するグループを間違えたなと思っていた。真由たちのグループにいた方が楽しいに違いない。理恵のわがままにどれだけ付き合わされてきたことか。我慢はもう限界に達している。真由と理恵が決戦するとき、理恵を裏切って真由の側につこう。そう覚悟を決めた。

「望むところよ。勝つのは私なんだから。」

真由は内心の焦りを表に出さないよう自信満々に振舞った。理恵たちが完全に立ち去ると、途中まで歩いていた真由がふと立ち止まった。

「どうした、真由?」と愛理。

「ううん、何でもないわ」

「真由。本当はあの人に嫌なこと言われたこと結構気にしてるんでしょ」

冷静に言葉を返す真由に瞳子が切り込む。

「気にしてないってば。」

「波の人の目は誤魔化せても私の目は誤魔化せないよ」

「っ。ほんとに何でもないってば。ほっといてよ」

そう言って、真由は立ち去って行ってしまった。

「あいつ、大丈夫か?」と愛理。

「何で真由が理恵の野郎に言われたこと気にしてるってわかったの、瞳子?」と桃子。

「最近真由の弓の色が濁ってたからね。それにさっきも弓の位置が目標である中心部から若干左にズレた。」

「瞳子は馬鹿何だか賢いんだか」

「私はただの馬鹿よ。でもこのままだとまずいわ。真由を精神的に疲弊させてそこをやっちゃおうってのが松下理恵の狙いだと思うの。」

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