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魔法少女杯争奪戦  作者: finalphase
第1章 覇権争い
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11話 信ずる正義

私の名前は松下理恵。多分、今この世で一番嫌われている魔法少女だ。そういう自覚はある。魔法少女という存在はなぜ誕生したのか未だに分かっていない。人を襲う怪物、イーグルに対抗するため、人類が突然変異を遂げたというのが最も有力な説だ。だが、魔法少女は何人も誕生してきたのになぜ魔法少年は長い間生まれなかったのかということは分かっていない。私は物心ついた時から自分に特殊な力があることに気づいていた。指一本触れずに念じただけで物を動かしたり、何もない空間から物を作りだすことができたのだ。この街にイーグルが現れたときは人々を守らなきゃって思った。この特殊な力は誰かを傷つけたり悪用したりするためにあるんじゃない。街の危機から人々を救うためにあるんだって。だけど、理想と現実は違った。女同士の猛烈な争いがそこにあった。恨み、嫉妬、などの負の感情が渦巻いていた。女なんて信用しちゃ駄目だ。何度信じた人に裏切られて悲惨な目にあったことか。表向きでは明るく分け隔てなく接している子が心の中に悪魔を持ち合わせていたりするのだ。また、イーグルを倒す代わりに莫大な報酬を要求する者も現れた。これは仕方のない側面もある。魔法少女たちは常に死と隣り合わせで戦っているのだ。何の報酬も受け取らずに死ぬかもしれない仕事をしたいと思う人間はそうそういるものではない。魔法少女は人間性が良いだけでは務まらない。イーグルに対抗できる実力を持った者だけが生き残れるのだ。事実、人間性が良く、実力がない魔法少女たちの多くは儚く散っていった…そんな時に現れたスターが伊藤絵里だった。私は結局真のヒーローにはなれなかった。勝つことだけを考えそのためには卑怯な手を使った。他の魔法少女や魔法少年たちも何人も殺した。この世の全員を救うなんて私には無理。自分と家族だけは何があっても守る、そのためなら悪役にだってなる、そう心に誓った。だけど、あいつは、伊藤絵里は人間性と実力両方を兼ね備えた初めての魔法少女だった。私にはないものをあいつは全て持っていた。燃え滾る嫉妬を抑えられなくて彼女を呪った。だから彼女がイーグルとの決闘で負傷した時は心底喜んだ。なのに、あいつはまだ生きている。それに、白石真由、彼女も絵里の面影を瞳に灯している。私の心の中に再び負の感情が渦巻いた。

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