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魔法少女杯争奪戦  作者: finalphase
第1章 覇権争い
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第1話 伝説の幕開け

かつて、この街には世界を救ったヒーロー。魔法少女、子どもから大人まで誰しもがあこがれる存在。


人を襲う怪物、「イーグル」がこの街に出現したのは5年前の話。


同時に出現した人々を彼らから守る魔法少女。


イーグルが次々と進化し、逃走する魔法少女も現れる中、どんな強敵をも圧倒し、全身の優しさで人々を包み込むようなものが現れた。


伊藤絵里。


彼女の心身の強さ、容姿の端麗さ、勉強面運動面音楽面での万能さを目にした人々はこう言った。


「正義のヒーローが現れた。彼女がいればこの街は安心だ。」


しかし、彼女も無敵ではなかった。


どれだけ優れていても人間であることに変わりはない。


2年前、あるイーグルと相打ちになった彼女は現在でも息を吹き返していない。


そんな折に台頭してきたのが松下理恵。


ここ数年では一番の強さを誇っている。


だが、伊藤絵里より活躍できていなかったことにコンプレックスを抱いていた彼女は、自身の実績を自慢し、害がない他の魔法少女やイーグルも容赦なく手にかけ、勝つためには手段を択ばないうえに人から金銭を搾取し、裏では他人の悪口をいいまくっていた。


イーグルに浸食されかけているこの街に、正義の魔法少女はもういない。


松下理恵は今日も高額な報酬と引き換えにイーグル狩りをし終えた。


店内で焼き肉を注文する。


近くにはイツメンの4人。


田村好美、川岸茜、宮下唯、朝比奈嘉穂だ。


「あたし、今日もかっこよかったっしょー。ね、みんな。伊藤絵里が死んでくれて本当によかったわ。ようやくあたしの時代が来たのね」


「まだ死んでないっつーの」、心の中で突っ込みを入れながら相槌を打つのは田村好美だ。


コミュニケーション能力が高く、態度を取り繕うのが上手い。


だが、内心では自慢話と悪口ばかりの松下理恵にうんざりしている。


彼女に気に入られていると何かと都合がよいので、無視をするわけにはいかないのだ。


それ以外の3人はあまり会話に加われていない。


女たちの負の側面であるヒエラルキーが完全にできあがっているのだ。


中でも一番下っ端が朝比奈嘉穂。


勉強、運動、音楽何一つ取り柄がなく、引っ込み思案で、臆病。


おまけに泣き虫だ。


そんな彼女がなぜこの場にいるかといえば、臆病すぎる故なのだ。


イーグルが怖くて一度もまともに戦えたことがないし、他の魔法少女に自分の意見をぶつけるだけの自信もなかった。


故に、結果としてこの傘下に入った。


松下理恵に喧嘩を売った他の魔法少女は彼女の手によって、無残にも闇に葬られた。

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