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心へのアクセス

夕暮れ時、武之は家の近くの路地で龍二とその取り巻きに囲まれていた。彼らの目は冷たく、空気は緊張で張り詰めている。


急速に肉体改造したとはいえ、武之の心と身体は別の動きなのだ。

異世界転生ものでいえば、前世の記憶で精神は大人だけど、肉体が赤ちゃんであれば、大人相手ではどうしようもない状況と言えようか。


武之は一瞬の恐怖を覚えるが、すぐに自分を落ち着かせる。


彼は深呼吸をして、心を集中させ、次なる戦略を模索し、瞬時に次の解決策を導き出す。


「柔よく剛を制す」だ!


「全世界アクセス権」を使い、武之は龍二の心にアクセスを試みる。


彼を知り己を知れば百戦殆からず


とは孫子の兵法の基本だ。


彼の心の中には、暗い過去と痛みが満ちていた。施設での孤独な日々、両親から受けた冷酷な仕打ち、信じられる人が誰もいない絶望感。武之は龍二の心の叫びを聞き、彼の苦悩を理解する。


武之は静かに、しかし力強く話しかける。


「龍二さん、あなたは一人じゃない。こんな風に誰かと戦うことでしか、自分を表現できないと思っているかもしれないけど、他にも方法はあるんだ。」


龍二は驚愕の表情を浮かべる。


「どうして…お前に俺のことがわかるんだ?」


武之は真剣な眼差しで答える。


「だって、俺たちは同じ人間だから。苦しいことも、悲しいことも、みんな経験している。だけど、それを乗り越えて、もっといい未来を作れるんだ。」


龍二の目にはじめて涙が滲む。彼は武之の言葉に心を動かされ、徐々に攻撃的な態度を解いていく。取り巻きたちも、武之の誠実さに感じ入り、戦いをやめる。


そう人間とは、強さを求める生き物であるか一方で、自分を理解してくれる人を求める生き物でもあるのだ。


この出来事は、龍二たちにとっても、武之にとっても大きな転機となる。彼らは互いの心を理解し、新たな関係を築き始める。それは、過去の対立を超えた、共感と信頼に基づく新しい絆だった。


全世界アクセス権を、の無限の可能性と人心掌握の無敵の権能であるとを彼は気付き始めるのだった。

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