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第9話:罪の証

(あら?)

差し出された3人の腕の文様をしっかりと見てみるとガルフの右腕とラロウフの右腕の文様は同じでガルフの左腕の文様とケネックの文様は同じ。

「えっとじゃあ、ガルフさんとラロウフさんは兄弟、ガルフさんとケネックさんは兄弟。ラロウフさんとケネックさんは血のつながりがない……もしどちらかが女性だったら子供を作ってもいい?」

和姫の言葉にガルフとラロウフは噴出し、ケネックは何とも複雑そうな顔をした。

「確かにケネックは妊婦だぁな。父親はラロウフだ」

ガルフの言葉に今度は和姫が驚きの視線をあげた。長身のケネックは傍から見て女性には見えない。

「えぇぇっと………ごめんなさい」

とりあえず、男性だと勘違いしていたことを誤ると「よぉある」とケネックは苦笑してみせた。

「もぅちょぉ腹が目だったぁら、わぁしゃもここに移って子供をぉ産む準備する」

そう言って腹を撫でる姿は母親の空気を帯びていた。こういう姿は自分のいた世界と変わらない。決まりや秩序が違ってもやはり家族は家族なのだろう。

「さっきぃも言ぅたがここは人形候補の住む家だ。赤ん坊もみぃんなここで生まれぇ管理すぅ。子供んが育って候補から外れっと母親ん所にぃ返される」

先ほど見た親子もそうやって一緒にいられるようになったのだろうか。記憶もない内から離されていたら血族の絆が薄まりそうだが、ここではそのような事は関係ないようだ。

「じゃあ、あの人達も妊婦?」

黒衣の女性達を指差した和姫に3人は眉をしかめた。

「いんや、アリャあ『』と『けが』だ」

「いみご?けがれめ?」

またも知らない言葉が出たが、彼らの表情からそれがあまり『良い』意味ではなさそうだ。実際、指差された女性たちもこちらに興味あるようにしているが、その顔は隠すようにベールがかけられ伏せられていた。

「村ん掟を破ってできた子供んと、乱された女というとこぉだぁな」

つまり先ほどからの流れで行けば、秩序の原点たる子作りの時点で何らかの問題を生じたということだろうか。和姫がそう思い女性達の方を見ると唯一さらけ出された腕を隠すように彼女達は彼らに背を向けてしまった。

「穢れ女ぇてぇのはおんな刻印のぉもつ男を咥え込んだ女だぁな」

ケネックの言葉に女性のうち一人の肩がびくりと震えた。黒い衣装で容姿を隠しているが、官能的な体つきは隠しきれていない。先ほどこちらを伺っている時に垣間見えた目元は愛嬌があり、可愛らしい印象の女性だ。

「無理矢理ん場合、子供んが出来てねぇと確認できりゃ村に戻される。子供が出来てぇりゃ、産んで乳の期間すぎるまでここにいなきゃなんねぇ」

彼女は自分の腹を守るように、こちらに背を向けじっとしている。どうやら彼女は後者の方らしい。

「穢れ女を作った男性はどうなるの?」

「確定すりゃ問答無用でぇ追放だぁな」

眉を顰めてガルフは告げる。どうやら最終的に追放の決断を下すのは彼らしい。

彼女はそこで、ふと、別の考えが浮かんだ。そして、率直にその疑問を口にした。

「でも父親が誰かなんて女性なら偽れるわ」

母が好きだったごちゃごちゃの昼ドラ的展開では、他の男の子供を偽って産むというモノもあった。自分たちの世界ならDNAを調べれば99%ぐらいの確立で事実を判明できるが、この世界にそのような技術があるとは思えない。

しかし彼女の言葉に彼らは「簡単なことだぁな」と返してきた。

「子ぉが生まれっとぉすぐに取引んある人形師ん処ぉから人がきて親の認定がされぇな」

告げられたラロウフの言葉にケネックが頷く。ガルフも「確実だぁな」と呟くと、補足するように言葉をつないだ。


長時間立ち話、その1です。いろいろと説明の会話文、であの口調ですから、とりあえず標準語で会話文を打ち、それをできる限りで変換、つなぎの部分を入れたら、あら不思議3000文字強……いつまでたっても終わらないはずだ。

とりあえず、ぶったぎって連続二話の投稿と相成りました。

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