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第8話:血族の刻印《しるし》

用意されていた場所は通りすがりに見たどの家よりも立派だった。

中にいる人間を守るためなのか、それとも逃がさない為なのか解らないが高い塀に囲まれている。

重い扉を開けると中には数人の子供達とそれを世話すると思われる黒衣に身を包んだ大人の女二人がこちらを伺っていた。

「僅かの間ぁが、ここで暮らすこっつなるえっと……そういやぁ名前聞いてなかったぁな」

リーダー格の男はその事に思い至ると、虜囚となっている少女へと視線を合わせる。

「ここは陶蛇トウダ村、俺は次代村長・ガルフと言ぅもんだ」

それにあわせて、和姫の両腕を捕らえていた男達も『ラロウフ』と『ケネック』と名乗った。

「和姫……石川和姫よ」

和姫も意地を張らずに普通に自分の名前を名乗った。

そんな彼女の名前を3人は珍しそうに口の中で発音してみる。

「珍しい名前だぁな……『イシカワカズヒ』。短くして『カズヒ』か?」

目の前で何度も彼女の名前を租借していたガルフの言葉に、和姫は首を横に振る。

「違うわ。石川は名字。ファミリーネーム」

「みょうじ?ふぁみりぃねぇむ?なんだぁそりゃ」

彼女が何を言っているのかさっぱり理解できないという表情をする彼らに、彼女は落胆の色を強くする。こういうところまでどうやら自分が住んでいた場所とは異なるようだ。

「家族ごとに……血のつながり毎についている識別みたいなものよ」

できる限りわかる言葉を選んで説明をしてみるとガルフは考え込んだ。

「つまりここだと『トウダ』みたいなもんか?」

村の人間の殆どは何らかの形で血がつながっている。血脈のつながりを持つモノを家族というのならば、村全体が家族ということになる。

今度は和姫が悩む番だった。村の名前を『家族』のくくりとするなら、ここは『夫婦』とか『結婚』という概念ががいのかもしれない。とりあえず、確認するためにもう一度、目の前の男に問いかける。

「ここには夫婦みたいなのはあるの?」

今度の質問に反応したのはガルフだけだった。

「夫婦っていうのは中級以上うえの考えだなぁ。下級ここはとりあえず孕んでない村の女ならぁ取敢えずどんな男もくわえることが出来る」

言葉の内容は下品だったが、和姫にはその内容は理解できた。どうやらここは妊娠してない女性ならば男性を選んで子作りをできるようだ。

「でも、それじゃ血が濃くならない?」

当然の疑問を返した和姫に男はその危険性がわからないようだったが、とりあえずむらとしての規則を彼女へと説明した。

「よくわからんが、女は子供が作れぇ周期決まっとろぉが、だいたいの村だぁ1回の周期で一人ん男ぉと決められとぅ。じゃなきゃどれの子供か判断できんでなぁ」

なるほど理に適っている、と和姫は納得した。子供を作ることを必須とするなら、特定に番うよりは一定の期間だけ男性と関係を持ち、その間に妊娠しなかったら次に子種を探す方がいい。期間さえしっかりしておけばどの父親の子供かは判別できる。

「片方でも同じ親らぁ、子供作ろぅことは許されねぇしぃなぁ」

それで血の濃さの緩和を取っているのだろう。やはりそれぐらいの秩序がなければ『村』という形での生活共同体を作れないだろう。そして生まれた子供は妊娠していない女性が交代で行えば、権力も集中することはない。

「えっとそれじゃあ、そういう行為に及ぶ際はそれぞれの親の名前を確認してから……するの?」

「もぉっと簡単だぁな。生まれぇと同時に、右にかぁの、左にだぁ認証印しるしを刻みこまれぇな。それを見ればいっぱつで兄弟かぁどうかぁわかる」

そういいながら三人は和姫に腕を見せた。右腕と左腕には違う文様の刺青がなされている。つまりこれが一致してない男女ならば子作りができるということなのだろう。

打ち終えてみるとなんか始終子作りの話をしている将になってしまいました。

かなり下世話な会話を延々と話を進めもせずに……反省です。

あと村人の名前が出てきましたが、急場でつけたので作者本人、覚えられません。そのうちこっそり名前を変えようかと画策中ですが、その前に彼らの出番がなくなるほうが早そうな気がします。

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