「17歳の原点」
人生の原点と言うものが
あるとしたら
私にとっての原点は
何だろうか
彼女は
「二十歳の原点」と
言ったけど
それは
孤独であること
未熟であること
悦子さん
あなたが二十歳の時
たくさんの学生たちが
日本を変えようとしていたのですね
その事実も
あなたの事も
知らずに育った私が
あなたの存在を知った時
時代は変わり
あなたはすでに
この世にはいなかったけど
あなたが残してくれた言葉
1つ1つは
私の心に息づいて
そう言う時代だった と
言ってしまえばそれまでだけど
悦子さん
詩人になりたいと言った
心豊かなあなたにとって
その時代は過酷すぎたのでしょうか
あなたが今この時代に生まれていたら
自らの手で命を断つことも
なかったかも知れない
あなたの事を知った
今の時代を生きる私は
義理と義務に振り回されて
夢に憧れても疲れ果て
束縛で失った物の多さに
恨む相手ばかり探してた
それでも
あなたが残してくれた言葉
1つ1つを胸に刻んで
生きる事をやめなかった
その時私は17だった
私も
あと3年もすれば
悦子さん
あなたのように
人の心を動かせるくらいの言葉を
紡ぐことができるだろうか
少なくとも
あなたの言葉
1つ1つで
私は今を
絶望することなく
生きる事をやめずにいられます
あなたの言葉は
私にとって原点そのもの
望んだものは何一つ叶わずに
不透明な未来しか見えず
生まれて来た事の
意味に戸惑い
それでも
生きる事をやめずにいた
17歳の原点なのです
※高野 悦子
「二十歳の原点」著者




