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「柘榴」

冬休みが終わる朝

憎しみも何も無かった様に

木々はただ佇むだけ


柘榴の実がパキンと割れて

血の匂いだけが最期に残る

白い草むらが

ゆっくりと赤に染まる時

深く切り過ぎた親指の爪の

何倍もの痛みが全身に走る

大人達が

見えない物を無に帰し

僕の左腕は

赤く染まった草むらからはみ出した


「ごめんなさい」

僕は嘘を吐きました

心の迷いは晴れていません

僕は一層みんなが嫌いになりました

僕はみんなが嫌いです


心がそう言った気分なだけに

気持ちばかりが先走る

昨日の吹雪は踊り疲れて

まるで夢から覚めるかの様に

静けさだけが最期に残る

ゆっくりと瞳を閉じた時

僕の何かが壊れて消えた

草むらの下では

赤い雨が降り注ぎ

雫が垂れて辺りに広がる


「さようなら」

僕は一人で逝きます

つらい想いは募るばかりです

僕はみんなを恨まずにはいられません

僕はみんなを怨みます


庭の柘榴がパキンと割れたから

僕は一人で旅に出ます


冬休みが終わる朝

その時も多分

地球は回っていたのだろう

僕はみんなに別れを云わず旅立ちます

僕はみんなが嫌いです


冬休みが終わる朝

苦しみが総て終わる様に

僕の瞳は

安らかに光を失って逝く…



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