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「失楽園へ」
夏バテに愛されて
太陽を見てうんざりする
めまいがする
僕は気持ちが悪いんだ
ビルの下に失楽園を見た
それはただの幻だったが
何もかもが莫迦らしかった
虚ろな目をした僕が見た
何処までも続く飛行機雲は
僕の為に示された
最期の場所への滑走路
悲しみから立ち直れずに生きていける程
僕は強い人間ではありませんから
悲しみが訪ねて来る度に
苦痛の底に落とされて
這い上がって来る事が
できないんです
この世で心が休まる所はありゃしない
僕はいつまでも逃げ続けるのさ
嫌いな物は嫌いと言った方が勝ち
僕は何の否定もせず敗北を認めた
強くなりたいと願った事もあった
強くなりたかった
いつでも笑っていられる様に
けれど
人を信用出来ないまま生きて行ける程
僕は強い人間になれなかったので
裏切られたと思っちゃいないが
傷つけられた心は怯え始めて
もう二度と人を
信じる事はできそうにない
人間不信に愛された
僕は一人のエンディング
大人達の叫び声が
子守唄に変わる時
束の間僕は鳥になって
この大空を高々と飛ぶ
フラッと出かけた楽園に
僕の総てを託し
僕は最期の微笑みを
アスファルトに捧げた




