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「僕のカンパネルラ」
灯籠流しが行われた丘の上から
銀河鉄道に乗り
そして始まる君と僕の物語は
あの日別れた星空の思い出
小高い丘の上の公園
すべり台の上から
見下ろした満天の星空
叱られるまで夢を語り
何処までも一緒に行こうって
繋げた指切り
可能性は無限大だった
夢は叶うはずだった
子供では
どうすることもできない事が
二人を分かつまでは
嗚呼、僕のカムパネルラ
君と繋いだ手に
夢だけを握りしめ
夢中で追いかけいた遠い未来
あの時
二人で見下ろした夜景
地上の星に
交わした約束
忘れることなく大人になろう
僕らはこのままで大人になろう
僕はいつの間に
大人になってしまったんだろう
流れに乗って
約束は果たされる事なく
でも破られる事もなく
嗚呼、僕のカムパネルラ
それでもこれからを生きていく僕は
心が少し淋しくなったら
またここへ来ようと思う
ここへ来れば
空の星は見えなくても
地上の星なら見下ろせるから