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九、悪党の独白

 成功など期待してはいないが、ここまであからさまに失敗しかしない計画しか立てられない男を唆してしまった事に、彼は自分の不甲斐なさに思えて激しい罵りの声を上げた。


 完全武装しているのが当たり前の戦地ではなく、強制的に武装解除されている王宮内で弑せば良かっただけの話なのだ。

 彼が間抜けに与えてしまった手持の傭兵にいくらの値がついていたか考えると、自分自身が動いた方が安上がりで確実なような気がしてきた。


 あの側用人。


 身の程知らずにも姫君に恋い焦がれている男は、姫を王宮に留めるよりもバルドゥクに嫁がせて未亡人にする事を選んだのだろう。

 姫のままでは妻にも愛人にもできないが、下民の出の男に嫁いで身を落としたとなれば、貴族では無い側用人の彼が彼女を手に入れることが出来るという算段だ。


 男はそこで、祖国を恐慌に落とし込んだバルドゥクが焦がれて止まないと聞く姫に興味が湧いた。

 彼女を自分に恋い焦がらせて唆し、バルドゥクを絶望に落とすのはどうだろうかと。

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