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十八、結婚前には独身最後パーティをするものらしい

 キリアムが帰ったすぐ後に、私は妹と彼女の侍女達という軍団の訪問を受ける事となった。

 私にお付きの侍女が残っていれば、彼女達など門前払いだったろうに。


 さて、私の部屋に押し入った彼女達であるが、部屋に押し入らねばならないと考えた正当な理由があったらしい。


「え、なにその厭らしい催し。」


 貴族社会ではパーティが好まれる。

 自分で金を出さないパーティならば、尚の事好まれる。

 よって、晩餐会の為の前夜祭、というものを私の金で開催するのだというのだが、内容が私には不適切この上ないと思わせるものであった。


 結婚前の独身最後のパーティという事で、私の夫は呼ばれず、私は独身男性達のひしめくパーティ会場に、やはり私の友人という設定の独身女性達と閉じ込められるらしいのだ。


「馬鹿らしい。嫌ですよ。出ませんし出しません。誰が計画したの、そんな馬鹿な事。」


「お姉さま。痣を気にされているのね。大丈夫よ、今のようにガーゼで頬を覆われていらっしゃれば、どなたも気になさらないわ。」


 痣があるのではなく、染料がようやく消えて痣が無くなったからこその包帯だ。


 醜いからとバルドゥクに嫁される事を許されたのならば、美貌が戻ったと知られてバルドゥクとの仲を裂かれたくないと考えての小細工なのである。

 ついでに言えば、もう一度結婚式をするのであれば、最高の状態で彼の元に嫁ぎたい、という私のくだらない自尊心の後押しもあったのだが。


「わたしは、しずかに、ここですごしたい、だけなの。」


「ひどいわ。お姉さまの事を思って、わたくしが計画してまいりましたのに!」


 甲高い悲鳴のような声を上げて泣き出したのは、あの、美しき乙女のセシリアである。

 しなを作ってさめざめと嘘泣きをする彼女に彼女の侍女達は慰め始め、なんてこと、私に対して敵愾心を込めて睨んでもいるでは無いか。


「えっと、パーティだったら、普通の独身者パーティにして、あなたが中心になればいいじゃない。勿論あなたのお金で。それに、私はほら、足がこんなだし。」


 右足を持ち上げて義足を見せると、妹は悲鳴を上げて気を失い、彼女は侍女達に担がれて部屋に戻っていった。


 部屋には私ただ一人。


「あ、断りを了承されていない!ああなんてこと!」


 あまり交流の無かった妹は、かなりしたたかな女であったようだ。


 私は有無を言わさず出席させられると諦めるしかなく、けれど私は自分が主催で主役だと言うのならばと、私の友人に招待状を出す事にした。

 身重なエーデンではなく、バルドゥクに暇を取らされた侍女の一人、エーデンの妹のアリアだ。

 エスコート役に男爵家の子息を連れてくれば、とてもとても花を添えるはずだ。

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