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空の記録部  作者: 如月菜
第一部 彼女は終始周りを警戒する
2/2

物語の始まり(2)

空あおはという、突然現れた転校生に戸惑い、俺は『相談部』という未だ得体の知れない部活に入った。

とりあえず、空が「相談室に来い。この野郎」と言ったので(実際はそんなこと言ってないけどね)、俺は放課後行った。


相談室は、東館の四階の一番端にある、存在感の無い教室だ。

こんな所に来る人なんて果たしているのかどうか分からないが、俺はさほど違和感を感じず、中に入った。

既に、空と幸がいた。


「入ってくれたんですね。健示君」

「健示?昨日言ってたことは嘘か?」

「お前もだろうが。俺はお前が暴走しないように、監視役として入っただけだ」

「俺は動物じゃな」

「そんなことよりです」


ツッコミを遮られ、幸はやや不満そうに空を見る。あ、あれは危ないやつだ。


「幸。暴走はやめろ」

「健示ってどこまで俺を信じてる?」

「え?片時も信じたことなんてなかったぞ」

「俺達友達だよね?」

「ホモ達?お前………とうとう?」

「上手いこと言ったつもりか!」

「お二人さんいいですか?」



空に半ば怒られた。と言っても全然怖くないんだけどね。



「この部活もいよいよスタートです…………と行きたいんですが」

「ん?なんかあるのか?」

「実は………あと二人足りないんですよ」



………あぁ。つまり「お前らパッとしない同士なんでもいいから連れてこいよ」的な事か………。



「断る」

「えぇ?私なんにも言ってませんよ?」

「あれだろ?手伝えだろ?」

「まぁそうですけど………」

「だったら俺は嫌だ。人集めるのは苦手なんだよ」


第一、頼めるやつが俺の場合、一人しかいない。

まぁ、幸の場合、いけるだろ。


「なぁ幸?お前ならいけるだろ?」

「えっ?あ、あぁ……そうだな……。」


何その動揺。大丈夫だろ?


「という事だ。空。人数は大丈夫だ。顧問はどうせ谷さんがやってくれるよ」

「え?そうなんですか?」

「俺は分かるんだよ。谷さんそんな人だから」


ですよね?谷さん?



─────────────────────────────────────



「っくしゅん!誰か噂してる……?」

谷さんはクシャミをした!



─────────────────────────────────────




「もうこれでいいだろ」

「え?帰るんですか?」

「あぁ。今日用事があるし。幸。頑張ってアイツ呼べよ」

「えぇ……」


自身なさげだな。まぁ大丈夫だろう。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「やっべぇなぁ………」


翌日、三枝幸は、昼だというのに、屋上で一人疲れるように座っていた。

幸は、昨日、時ノ森健示にいわれ、ある人を呼んでいた。

幸にとっては、少し苦手な部類に入るかもしれない。


「何の用?」

「うおっ!?き、来てたのか……」


いつの間にか、彼女は来ていた。幸は、そちらの方へと目を向ける。


「やぁ楓。久しぶりだね……」

「本当?五年ぶり?」

「ん?三日の間違いだろ?」


「三日」で「久しぶり」は飛躍しすぎたが、今日も、雪柳(ゆきやなぎ)(かえで)は凛と佇んでいた。




「『相談部』に入ってくれ?」

「あぁ。人数不足で今危機に陥ってる。何とか入ってくれないかな?」

「別にいいわよ」


あまりの即決に幸は少し戸惑った。


「いいのか?ホントに?」

「ええ。何か悪い?」

「い、いや?全然?ただ、いつもはすぐ断るのに、おかしいなって」

「別に?普通よ。幸が変態で今の私も身体の危機を覚えてるのよ?」

「俺は変態じゃないよ?」


楓と幸は、小さい頃からの幼なじみであり、健示より、関係は深い。

楓は、こんな感じだが、見た目は美人なので、よく男子から、告白を受けたり、他の女子生徒から、嫉妬や、陰口を言われたりした。

彼女なりにも、『相談部』というのは、一つの身を潜める憩いの場かもしれない。

幸は、鈍感な方なので、それには一切気づいてないが。


「んじゃ、今日、相談室に」

「分かった。来れたら来る」


そう言い残して、楓は颯爽と去っていった。


「なんか変なやつだな……」(←自分自身)



─────────────────────────────────────



「はぁ………はぁ………」


何故か、雪柳楓は、胸を抑え、息を切らしていた。

長い髪で、顔の表情はよく見えないが、楓の頬は、赤く染まっていた。


「おかしい………何でだろう……」


さっきはバレないように、我慢したが、幸を見ると、恥ずかしく感じる。

分かる。自分は──恋をしてるんだって。



─────────────────────────────────────


「おお、幸。やれば出来るじゃないか」

「俺子供じゃないしさぁ………」


いやまさか。幸もすごいと思った。部員が一人増えていた。こっちも手は打ったのだが………。大丈夫なようだ。俺は本を漁る雪柳楓に声をかけた。


「よう、雪柳。来てくれたのか」

「ええ。幸の監視役としてね」

「だから俺はそんなやつじゃな」



割愛



彼女に関しては、幸の幼なじみとして、多少なりとも、話は通じる。ただ、雪柳は、幸のことを恐らく好きなんだなということは分かっている。


「これであと一人……健示は何もしないね」

「いいや?多分くるよ」



その時、教室のドアがゆっくり開いた。来たか。


「よぉ。久しぶりだな。ちゃんと来るんだな」

「僕だって約束は守るよ?クレープ、頼むよ?」

「相変わらず甘党なこと」


俺は、そいつと、楽しそうに話した。

……ん?お前らどうした?なんで俺を見る?

あ、そうか。知らないのか。


「健示。誰?」

「こいつは俺が小学生のころ、世話になってな。俺がこっちに転校してきた時、別れたんだけど、こいつもこっちきたんだよ。紹介する。古木誠だよ」

「よろしく。僕は基本、大人しいからね。よろしく〜」

「おぉ………」


もしかしたら幸とは合わないかもな。


「古木は、やっぱり変わってないな。その不敵な笑顔」

「健示君も。相変わらずの暗い性格」

「うるさい」


俺はこれでいいんだよ。


「これでやっと部活が出来ます!ありがとうございます!」


空は深く頭を下げた。嬉しそうだな。




俺は、今の現状に不満はない。だが、良くともない。

『青春』ってこんなものなのか?神様も随分とお遊びが好きだな。


俺は、四人を見た。………まぁいけるだろ

※イメージ


空さん「( ゜Д゜)∂゛チョットコイヤ」



初期設定は「三枝」ではなく「冴草」でした。





途中のあれは完全におふざけ

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