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ギフトゲット でも思ってたのと違いませんか?

どうぞ、読んでやって下さい。

シクシク、シクシク

ほっぺたを両手で抑えながらシルヴィアが座りこんで泣いている。


「ほら、回復したのなら早く説明しなさい」


シルヴィアのほっぺたに治癒魔法をかけながらエクレールが言う。


「うぅっ、わかりました。」


まだ泣いているがお姉さんは気にしない。

その時誰もが忘れていた存在達が口を開いた。


「お前ら、いつまで俺達を無視している!!」


軍服ズだ。まだ居たんですか、完全に空気でしたので忘れていました。もう最初から居なかったことに出来ませんかね?


「あら、まだいたの?邪魔だからモブは黙ってなさい。」

「なっ!!エリートの俺達をモブ扱いだと!!許せん!!」


はぁ、予想通りすぐキレましたね。


「何よ、文句あるの?あんた達もさっきのモブと同じ目にあわせるわよ。」


そう言ってさっきのボロ雑巾を指差した。


「あそこに転がっているボロ雑巾がどうしたと言うんだ?あんな小汚ないゴミ、なんか、、関係ない、、、まさか!!」


軍服ズは全員でボロ雑巾に駆け寄った。


「くっ!まさかと思ったが、やはり121号か。」


番号で呼ぶんだ、やっぱりモブですね。

軍服ズがこちらを睨みながら、


「こいつ、この仕事が終わったら食堂のオバチャンに告白するんだって言ってたんだ」

「そっか、あのオバチャンか。勇者だったんだな121号。俺には真似できねぇよ」

「オバチャンに挑戦出来るヤツなんて121号しか居なかったんだ、アイツはポッチャリ系だって言ってたけど限度がある!俺には出来ない!」

「ああ、体積が俺達の3倍はあるからなオバチャン、、、無理があるよな」

「くそっ!!こうなったら戦争だ!!」

「121号の弔合戦だ!!!」

「いくぞ、皆!!俺達で121号の仇を取るんだ。」


なんか勝手に盛り上がってますね、あれっエクレール何を?


「「「貴様ら、これでもくらぎゃーっ!!!」」」


ドッカーン!!!


エクレールはボロ雑巾を増量した。


「これで静かになったわね♪」

「邪魔者は居なくなりましたね」

「そうですね、では説明しますね」


ボク達はスッキリした気分で話を進める。


「私がここに来たもう一つの理由は今回用意したギフトの反応が消えたからなんです。何かのアクシデントがあった場合、状況確認と新しいギフトを用意するのが私の担当でしたので。まさかエクレール様が原因だったとは思いませんでしたが、、、」


シルヴィアはガクリと肩を落として視線を反らした。


「ということは新しいギフトがあるんですね!!」


ボクはまだ希望があるとわかりホッとした。


「はい、ここに。」

「なんですか、そのカードは?」

「これは名前を呼ぶことで物を収納出来る魔法道具(マジックアイテム)です。では、少し離れてください。解放(リリース)!」


すると目の前に見覚えのある宝箱が現れた。


「すごい!便利ですね♪」

「ええ、カードにしておけば持ち運びも楽ですよ。1枚に入れられる量に制限はありますけどね」

「じゃあ勇くん♪始めましょうか。」

「はい‼」


やっとギフトが貰えるんですね、ここまで色々ありました。

知らない場所で出会った露出狂のお姉さんが実はバーニングデストロイヤーだったり、大量の軍服モブがボロ雑巾になったり。

なんだこれ、自分でも何がなんだかわからなくなってきました。


「じゃあ神条君、ギフトを選んでくれますか?いろんな色や形の宝玉が入ってますので気に入った物を取って下さい。でもよく考えて決めて下さい、一度付与すると変更出来ませんから。ギフト付与はエクレール様がされるんですよね?」

「ええ、もし高ランクだった時に失敗しないようにね。私だったらそんな問題ないしご主人さ、じゃなくて勇くんのことを他の人間に任せたくないしね♪」


エクレールは得意気に言った。途中気になるところがあった気がしますがスルーしておきましょう、触れてはいけない気がします。


「じゃあ、いきます!」


宝箱を開けて中身を確認中、、、これでいいかな、、、いや、、、こっちの方が、、、こっちも捨てがたい。


「見た目じゃギフトの中身はわからないから直感的にコレだ!!って感じた物を選んでね♪」

「考えるな、感じるんだ!ってことですか?」

「そうよ♪自分の直感を信じなさい。」


ボクは目を閉じ、深呼吸した。そしてそのまま宝箱に手を伸ばす。


「コレだぁぁぁ‼」


手の中には淡く輝く銀色の宝玉があった。ボクのギフトだ!!


「それに決めたのね、じゃあ私に見えるように持ってくれる?」

「これでいいですか?」


見えるように手のひらに宝玉を乗せてエクレールに手をかざした。

エクレールが両手で包み込むようにボクの手と宝玉に触れる。


「この状態で宝玉を通して魔力を流し込むわ。何かが入ってくる感覚があると思うけど痛みとかはないから安心してね♪」

「お願いします、エクレール」

「オッケー♪任せなさい、いくわよ!勇くんは受け入れることだけに集中してて!シルヴィア!」


シルヴィアがいろんな波形が映っている道具を操作していた。

何か調べるのかな?


「ギフト付与中にギフトランクとスキル内容を調べます。測定機の準備出来ました、始めてください。」


エクレールから流れ込んでくるこの熱いものが魔力なんですね。

なんだかこの感じ、何かに包まれているようで意識がそのまま遠くなっていった。


「シルヴィア!このギフトなんかおかしいわ、これだけ魔力を注いでるのに付与が終わらない!今どのくらいなの?」

「現在、ギフト付与完了までの魔力量の半分程度です。確かに高ランクだったとしても既に完了してもおかしくない魔力量です。」

「なら勇くんは高ランク以上のとんでもないのを引き当てたってことか、流石私の認めたご主人様ね♪」

「高ランク以上!?そんなの聞いたことありませんよ!!」


ギフトランクは1から10まで存在するが一般的にランク6以上のものが高ランクと呼ばれる。


「あるのよ、滅多に出ないから知らないのも無理ないわ。私も実際に見るのは初めてよ。」

「エクレール様、魔力が、、、」

「ちょっと不味いわね、そろそろ限界かも。まさかこれ程とはね、シルヴィア後どれくらいなの?」

「後少しです、頑張って下さい。」

「勇くんの為だから特別よ♪私の全部持っていきなさい!!」


エクレールが残る全魔力を流し込む。

その瞬間、宝玉が砕け散った、、、


「もうダメっ、空っぽよ。」


疲れ果てて座り込みながらエクレールが言う。


「おめでとうございます!ギフト付与成功です‼」


大声で叫ぶシルヴィアの声にボクの意識が戻ってくる。


「勇くん、目が覚めた?終わったわよ。どうかな、体に違和感とかない?」

「えっと特に変わった感じはないですかね、結局ギフトの中身ってなんだったんですか?」

「それを今から確認します、ていうか確認させなさい!」

「顔が怖いです、シルヴィアさん」

「高ランク以上の激レアギフトの中身!!気になって仕方ありません。こっちに来て下さい、ここに手を当てて。」


さっきの機械に付いている板に手を当てるとシルヴィアさんが何かを調べ始めた。少しキャラ変わってませんか?


「結果が出ました!!」


ドキドキ、ドキドキ

ボクとエクレールは表示されている結果を見る。


スキル名 友達召喚 オマケ付き

ランク 不明

効果 友達を呼べる

補足 オマケでナビが付いてます


「なにこれ?」

「神条君のギフトの中身です、、、多分」

「多分って、、、それにオマケって何ですか?」

「ナビって言うのが何かわからないけどオマケで付いてるみたいよ」

「友達を呼べるって、ボク異世界に友達いませんけど?」


「「「ハハハハハッ」」」


、、、シーン、、、


「「「ハズレじゃねーか!!!」」」


ボク達は画面を破壊した、結果は変わらないとわかっていても壊さずにはいられなかったのだ。



多分次でプロローグ終わりです。

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