異世界転移の真相
今回もセリフのやり取りが多いですね
楽しめる方だけ楽しんでもらえればいいかなと思います
「あのエクレールさん、さっきボクがここにいるのは偶然って言ってましたけど何か知ってるんですか?」
ボク達はギフトを貰える行列の先頭だった場所に向かいながら話していた、もう行列ないですが。
「そーね、これはここに来た全員に伝えてる事だから勇くんも知る権利があるし」
「お願いします、教えて下さい。エクレールさん」
「んー、その前にそのエクレールさんってのやめよっか♪呼び捨てでいいわよ♪」
「えっ、でも年上の人に対してそんな」
「いいのよ、その方が慣れてるし。さんとか様なんて堅苦しいでしょ♪」
「はぁ」
「それでも名前に何か付けて呼びたいならそうねー、美しいエクレールとか綺麗なエクレールとかおすすめよ♪」
「よろしくエクレール」
即答してやりました。
「なんか今の感じちょっとだけイラッとしたわ」
「それじゃ綺麗なエクレール教えて下さい」
「オッケー♪」
エクレールの扱い方がわかってきました。
「簡単に説明するとアーティファクトっていう特殊な種類のアイテムを管理していた綺麗な神様がいるんだけどね、その美しい神様が召喚器を壊しちゃって本来召喚されるはずのない勇くん達が召喚されちゃったのよ」
んっ?
「その神様ってどれくらい綺麗なんですか?」
「それはもう美の女神よ♪」
「へー、よく見るんですかその女神様って」
「ええ、毎日鏡を見ればすぐそこに、、、ハッ」
、、、シーン、、、
「お前のせいかーーー‼」
エクレールの頬を掴んで引っ張りながら叫ぶ。
「いたうぃ!!いたうぃ!!」
「つまり!ボクが今こんなことになっている全ての原因が目の前にいるって事ですね!」
「待って!待って!これには仕方のない事情があるのよ、聞いて!その何かに覚醒しそうなオーラはダメよ、今はそんな場面じゃないはずよ!」
「ボクを訳のわからない状況に陥れた元凶を目の前にしているのですから、この怒りに任せれば確かに何かに目覚めそうですよ!!」
「事情を聞けば勇くんもきっとわかってくれるわ!話を聞いて!聞いてください!!お願いします!!!」
エクレールは半泣きになりながらあの構えをとった。
土下座である。
その重みを知っているボクは一瞬冷静になった。
女性に泣きながら土下座されるってボクの方が悪いみたいじゃないですか、仕方ありませんね。
「話して下さい、その事情を」
エクレールは涙を拭いながら話始めた。
「あの日はアーティファクトの管理部屋の整理を押しつけられてイライラしてたのよ、サイズの大きい物もあってね。ほら私って見るからにか弱い乙女でしょ?そんな私があんな重いもの動かせるわけないじゃない。思い出したらまたムカついてきたわ、あの小姑メガネめ」
その時の事を思い出して怒りだしたがボクが知りたいのはそこじゃない。
「余計なことはいいから続けて下さい、簡潔に」
笑顔で言うとビクッと震えながら話だした。
「えっとね、それでも怒られるのイヤだからガンバったの私。でも最後に残ったのがかなり重くてギリギリ持ち上げるのがやっとでね、なんとか少しなら持って歩けそうだったからガンバったの私」
「ガンバったアピールはいいですから」
「でね、足元に何か落ちてるなーと思ったときには遅かったのよ。私の知ってる中でも一番有名なトラップだったわ、私どこかの組織に狙われてるのかしら?」
「何が落ちてたか聞いてもいいですか?」
「バナナの皮よ!!」
、、、シーン、、、
「ていっ」
「あいたっ」
「ていっ、ていっ、ていっ」
「いたっ、いたっ、いたっ、なにするのよ!」
笑顔でエクレールの頭にチョップをしてやった。
「どこの世界にバナナの皮で転ぶ人がいるんですか!!」
「いるじゃない、目の前に。転んだわよ盛大に。それはもう落とした召喚器が粉々になるくらいガッツリとね♪」ドヤァ
何でそんなにドヤ顔なんだこの人は。
「さて、それじゃあオシオキタイムですね♪」
「なぁんでよー」
「悪いことをしたらオシオキでしょ♪」
「なんかちょっと楽しそうなのは気のせいよね?」
気のせいじゃないですよ♪
さてどうしてくれようかと考えていると背の高い軍服のような格好の男の人に声をかけられた。
「そこの君!早く来なさい。ギフトを貰ってないのは君だけだよ。まったく、待たされているこっちの身にもなってほしいものだね」
「えっ?あ、はい。すいません、今行きます」
男の人は苛立っているのを隠しもせず吐き捨てるように言って、奥の方に戻っていった。
「やーい勇くん怒られた♪プークスクス」
イラッ
「ホラホラ早く行かないとまた怒られるよ♪もう、しょうがないなぁー勇くんは♪」
ブチッ
「全部お前のせいだろーがぁぁっ‼」
後2・3話でプロローグ終わりかな