グローリーズ 3回戦
かなり遅くなりましたが更新です。
どうぞ♪
「ここまでの試合で1勝1敗、まだまだ結果はわかりません。続いての3回戦、選手は舞台へ上がって下さい。」
バートンが選手を呼んでいるが、鼻血を出して倒れている。これってボクのせいですかね?
『マスターのせいですね、どうするんです?起こしてみますか?ミリーさんもうMPないので多分戦えないですよ。』
「そうなの?」
『はい、ミリーさんはもともと魔力量はそんなに多くないんですよ。慣れない魔法でMPの節約なんて出来なかったんでしょう、ほぼ空っぽです。物理のみなら問題ないですがさっきの腕輪みたいなのがあったら勝てないです。』
なら無駄に危ないことさせることもないですかね。寝かしておきましょう、なんか幸せそうな顔で寝てますし。
「次は私ですね、頑張ります!」
楓がグッとガッツポーズをしているだけなのだが胸が強調され眼のやり場に困ります。やはり良いものだ。
「おぉー、、、っと失礼致しました。ついガン見してしまいました。ユーリチームは素敵な女性が多いですね。」
バートンが楓の胸に夢中になっていたようだ。気持ちは解りますがイラッとしたのでオシオキしようかな。
「バートンさん、あんまり楓さんの胸を見るとミリーのインパクトですよ♪」
「すいませんでした!!」
バートンがその場で土下座した。
「ところで楓さん、戦えるんですか?」
「大丈夫です、ミリーさんにインパクトを教えてもらいましたので。楓インパクトをお見せしますよ♪」
楓さんのインパクトって一体どんな感じだろう?相手次第で無理せず交代しましょう。
「ユーリチームは楓選手、対してゴヨークチームは、、、」
「我だ。」
フードを取った次の相手はいかにもパワーがありそうなマッチョな男だった。
「来たー!闘技場ランキング1位のオラシオンだー!これは意外!3人目でチャンピオンの登場だ!」
は?ランキング1位ってマジですか?
楓さん無理しないで!!
「女が相手か、だが容赦はしない。」
筋肉の塊みたいな体と身の丈程ある鉄棒、あんなのと楓さんを戦わせられない、なんとか止めないと。
「楓さん、ボクの手に楓インパクト打ってみてください。」
「えっ?」
「さあ遠慮なく、どうぞ。」
楓さんはグッと構えて打つ。
「楓インパクト!」
ポコッ
「どうですか?」
楓さんは期待した眼で見つめてくるが、ダメージはゼロだ。
「チェンジです。」
「何でですかー!頑張って練習しましたのに。」
『楓さん、攻撃力皆無ですので大人しく交代しましょうね。』
楓さんは体育座りですね始めた。
「私だってユーリ様に良いところ見せたかったんです、いいですよ私なんて、、、」
ボクはそっと楓さんを抱き締める。
「ユ、ユーリ様!?」
「すいません、大好きな楓さんに怪我なんてしてほしくないんですよ。わがまま聞いてもらえませんか?」
耳元で囁くと楓さんは真っ赤になりながら頷いてくれた。
「分かりました、未来の夫のわがままを聞くのも妻の務めですよね!これからもどんどんわがまま言ってください!!」
納得してくれましたがこれで良かったんでしょうか?まぁ結果オーライですよね。
『楓さんの好感度が上がりました、大幅に。』
「好感度アップに鼻血を吹くのはミリーだけなんですね、さっきは上がらなかったんですか?」
『ミリーさんの好感度はほぼマックスですのできっかけがあれば限界突破します。』
「へぇー限界越えちゃうんだ、、、越えるとどうなるの?」
『マスターが責任をとることになりますね、人生の。』
「マジですか?」
『マジですよ♪』
隣で話を聞いていた2人がガシッと左右からボクの腕を抱き締める。
「私も限界越えます!」
「拙者も限界越えるでござる!」
腕が幸せなことになっている、やはり良いものだ!!
『マスター、イチャついてないで呼びますよ。』
「わかってるよ、あんなのと戦えるのはアイツだけだろうから。」
『フレンド召喚します。』
ボク達の前に輝く魔法陣が現れる。光が消えるとそこにはタケルが立っていた。
「久しぶりって程でもねーか?ユーリ。今回はどうしたんだ?」
「タケルにピッタリの相手が居たので倒してもらいたいんです。」
タケルはオラシオンを見ると納得したようだ。
「あのマッチョを倒せばいいんだな、状況はわかんねーがお前がそういうなら了解だ。」
話が早くて助かる。タケルが細かい事を気にしないのでだいたいこんな感じだ。
「オッサン、悪いけど勝たせてもらうぜ!」
「小僧、その言葉後悔する事になるぞ!」
オラシオンは鉄棒をタケルに向ける。タケルも自分の大剣を出現させる。
『タケルさん、剣に名前を付けて下さい、そうすればカスタマイズされますので。』
「名前?そうだな、ならコイツの名前は牙狼丸だ。」
タケルが名付けた瞬間、形状が変化し始めた。タケルの背丈程の長さで、中心に宝玉が付いた大剣だった。
「何ですか、カスタマイズって?」
『フレンドは召喚時に武器を使用出来ますが性能は大したことはなく普通の武器とかわりません。ですが名前を付けることで自分専用の武器になります、性能は使用者のステータスに比例しますので召喚中のタケルさんが使うと、、、あれはヤバイですよ♪』
タケルが舞台に上がりオラシオンの前に立つ。
「では試合を始めたいと思います!残念ながら男性同士の試合になってしまいましたがチャンピオンの強さに期待しましょう!!」
バートンは女の子の試合が見たかったらしい。
しかし女性の観客は、
「あら?あの男の子カッコ良くない?」
「私あっち応援しちゃおうかな。」
「イケメン来たーーー!!!」
イケメンってこっちの世界でも通じるんですね。
「女性客がヒートアップしています!是非ともチャンピオンに頑張ってもらいたいですね。」
バートンはイケメンに恨みでもあるんだろうか?
「では3回戦始め!!!頑張れチャンピオン!!!」
開始直後タケルが突撃する、大剣の重量を感じさせない鋭い斬撃だ。オラシオンが鉄棒で受け止めるが後方に吹き飛ばされるが、倒れない。
「やるなオッサン。」
「今のがお前の全力か?多少はやるようだがまだ足りないな。」
「心配すんな、まだまだ上げてくぜ!!」
「次は我の番だ。」
オラシオンの鉄棒がタケルに襲いかかる、それを牙狼丸で受け止める。
「これがオッサンの全力じゃねーよな?」
「生意気な小僧だ、ならば受けきってみせよ!」
オラシオンがタケルの防御の上から連打する。
「ふん!ふん!ふん!ふん!ふん!」
ガキィンッガキィンッガキィンッガキィンッガキィンッ
「タケル!頑張って下さい!」
『前回の戦闘でLV3に上がってますので多分大丈夫ですよ。』
「あのオラシオンってLVいくつなの?」
『65です。』
「ミリーの倍強いってことですか?」
『ステータスの上昇率は人によってバラバラです、ミリーさんのように物理特化な人もいれば鈴さんのように素早さが伸びやすい人もいます。LVは目安程度に考えて下さい。』
「じゃあボクはどんな感じ何ですか?」
『上昇率ですか?、、、マスターは、、、まぁ、、、普通ですね、可もなく不可もなく。』
「ハハハ、普通ね。」
わかってたよ、いいじゃないか普通、平均万歳、悔しくなんかないぞ。
「くっ、このっ、なめんなよ!オラァッ!!」
オラシオンの連打を力任せに弾き飛ばす。
「タケル選手、チャンピオンの攻撃からなんとか離脱した!!惜しかったですね。」
やはりバートンはイケメンが嫌いのようだ。
「なんつー重てぇ攻撃だ、手が痺れてやがる。そう何回も受けてらんねぇな、もっと速く動けりゃいいんだが、、、」
ヴォン、ヴォン、ヴォン
「何だ?牙狼丸、なんとか出来んのか?」
牙狼丸の宝玉が点滅している、タケルに何かを伝えているようだ。
「わかったぜ相棒!お前の力見せてくれ!!」
オオォーン!!!
狼の遠吠えのような咆哮が響き渡る。
宝玉には雷の文字が浮かび上がる。
タケルの体が金色のオーラに包まれた。
「こいつはすげぇな、負ける気がしねぇ!!」
タケルはニヤリとオラシオンを見つめる。
「何をしようと我には勝てぬ、諦めろ。」
「残念だがもう終わりにするぜ、この状態がどれだけもつかわかんねーからな。」
タケルがオラシオンの射程距離に入る。
「沈め。」
オラシオンが渾身の力を込めて鉄棒を振る。
しかしタケルには当たらない。動きが眼でとらえられない。
「オッサン、悪いな加減出来ねぇから死ぬんじゃねーぞ!!」
牙狼丸の輝きが増していく。
オオォーン!!!
咆哮と共にタケルが一閃!!!
「狼雷牙!!!」
オラシオンの鍛え抜かれた筋肉も意味を成さず、胸が大きく切り裂かれた。オラシオンが膝をつく。
「この程度の傷で我を倒せると、、、ぐあっ」
オラシオンが立ち上がろうとした瞬間、全身が雷に襲われる。
「ぐああああああぁぁぁっ!!」
オラシオンが黒焦げになって倒れた。
「これはチャンピオン、意識を失っています!よってタケル選手の勝利です!」
タケルは倒れているオラシオンに向けて言った。
「またやろうぜオッサン、今度は武器無しでよ♪」
タケルはユーリの前にいくと、
「楽しかったぜ!」
「勝つと信じてましたよ♪」
2人は拳をぶつけ合う。
やっぱり頼りになるよ、タケル。
あと2人、このまま勝てるといいなぁ。
次はもう少し早く更新したい。