ミリー登場
少し短くなってしまいました
さてネリムさんにギルドとアカデミーの場所を聞きましたが、アカデミーはこの町にはないそうです。仕方がないのでまずはギルドへ行ってみましょうか。
「邪魔だ!どけっガキ!」
「おっと」
いきなり建物の裏から男が飛び出してきた。
なんとか避けたけどなんだっていうんだ。少ししか見えなかったけどひげ面の男だった。何か落としていったみたいですね。
それを拾う、何かの布かな?
建物からポニーテールの女の子が出てきた。
「見つけたわよ、女の敵!喰らえ!!ミリーインパクト!!!」
ダッシュからの地面が割れる程の激しい踏み込み、放たれた渾身のボディブロー!!そのままアッパーカットのように振り抜いた!!
「ぐはぁ!!」
ボクは何が起こったのかわからないまま空を飛んだ。そして落ちた。
ズザザザァァァッ!!!
「やっと捕まえたわ、これですむと思わないでよ。まだまだアタシの怒りはこんなもん、じゃ、、、すまない、、、誰?」
人違いだときずいてくれたようだが、ボクの意識は既に刈り取られている。
「こんな小さな子じゃなかった、もしかして人違い?でも私の下着握ってるし。」
「ミリー、何かもめ事ですか?」
「シスター!この子が、、、」
「えっ?神条さんじゃないですか。どうしてこんな酷い事に、、、」
「知ってる人ですか?」
「ついさっき来られた来訪者の神条勇利さんです。」
ミリーの顔がどんどん青くなっていく。
「やっちまった、やらかしちゃったよシスター、下着泥棒と間違えて必殺ミリーインパクトを喰らわせちゃった。どうしよう」
「とりあえずミリーのお店に連れて行きましょう、気を失っているようですから。」
そして日がくれた頃、ボクは目を覚ました。
「ううん、どこだ?たしか落とし物を拾ってから、、、あれ?そこから記憶がないですね。それにこの痛みはいったい?」
どこか知らない部屋に寝かされていたようですが何故?
「あーっ!目が覚めたのね、良かった。あのまま目が覚めなかったらどうしようかと。」
女の人が部屋に入ってきましたが、この人どこかで、、、
「ボクはいったい?あなたは?」
「アタシはミリー。ここはうちの宿の部屋だよ。その、アタシの勘違いでひどい目にあわせて悪かったね、この通り!!」
ミリーは頭を下げて謝罪しているが思い出せない。
「どうやら記憶が飛んでしまう程のクリーンヒットだったようね。」
「はい?」
「アタシが下着泥棒と間違えてね、こうガツンとヤっちゃったの」
ヤっちゃったって、しかも下着泥棒って。異世界で平和に過ごすっていう目標が、、、いきなり女の子にぶっ飛ばされるってどうなの。
「お詫びにこの部屋使ってくれていいよ。さすがに満員になったら無理だけど。今までなったことないから」
「助かります、お金を稼ぐにしても住むところが必要だったので。」
「いいのいいの、お詫びなんだから♪それとシスターに回復してもらったから大丈夫だと思うけど調子はどう?」
まだ鈍い痛みがありますが動けないほどじゃないか。
「なんとか」
「良かった♪何か食べる?軽いものならすぐ出来るけど。」
そういえば何も食べてない。
「いただきます」
「出来たら呼ぶから、ゆっくりしてて。」
ミリーは手を振って部屋を出ていった。
同い年くらいかな?とりあえず住む場所は確保できたのでこれからどうしようかな。今出来ることを整理してみましょうか。
いろいろ考えているうちにミリーの呼ぶ声がした。
「唐揚げとおにぎりよ♪」
「いただきます。」
うん、美味しい♪お腹がすいていたので口いっぱいにしながら食べる。そんなボクをミリーはニコニコしながらじっと見ていた。
「どうしたんですか?もしかして二人分でしたか?」
「いえ、全部食べていいのよ。ただ美味しそうに食べてくれるなぁって♪」
「はい!すごく美味しいですよ♪」ニコッ
ズキューン
急にミリーの顔が真っ赤になった。
「そっ、そんなに美味しい?」
「はい、とっても」
「そう、これくらいならまた作ってあげるわよ♪」
作ってもらったのはボクなんですが、ミリーが嬉しそうなのでいいでしょう。
「明日はどうするの?」
「ギルドに行きたいんです。部屋を借りて美味しいご飯まで用意してもらってお金を払わないのはやっぱりダメでしょう。」
「気にしなくていいのに。」
「だから少しでも稼ぎに行こうと思って。」
「わかった。明日はお弁当作ってあげるから頑張って稼いできてね♪」
「ありがとう、ミリー。あっ呼び捨ては嫌ですか?同い年くらいかと思ったのでつい。」
「いっ嫌じゃない。ミリーでいい!、ミリーにしなさい!!」
「はっはい、わかりました。ミリー♪」
「ヨシ!それじゃあお弁当楽しみにしててね♪おやすみ!」
そう言って部屋を出ていった。
そういえば他の人見てないな?明日挨拶しに行こう。
さあ、明日から稼ぎますよ!
次回はギルドの初仕事だと思います