「ルーミングパパと青いひげ」
これは、不思議の森に住んでいる青いおひげをはやした小人のお話です。
小人は森の仲間から「ルーミングパパ」と呼ばれていました。ルーミングパパは、仔猫のミーシャと一緒に住んでいましたが、ミーシャはとっても気まぐれです。
ある日こんな事を言いました。
「ルーミングパパのおひげの色って、何だかとっても変な気がする!」
そこでルーミングパパは、自分にあったおひげの色を捜しにでかける事にしました。
玄関のドアを出ると、まずはこの道を右へ右へ。
真っ先に出会ったのは、森でペンキ屋をしているリンダーパパです。
「僕に似合うお色はないかな?」
「それならワシにまかせておきな!」
リンダーパパはそういうと、赤いペンキをチョン、チョンっと青いおひげにのせました。
真っ赤なおひげのできあがり。
太陽みたいに真っ赤なおひげ!ルーミングパパは大喜び。リンダーパパにお礼を言うと、早速おうちへ帰ったら、ミーシャは笑って言いました。
「人参みたいで変なおひげ!」
ルーミングパパは、が~っかり。もう一度お色を探しに出かける事にしました。
玄関を出ると、今度はこの道を左へ左へ。
しばらく歩くと泉に着いたよ。泉のガチョウに訳を話すと、泉のガチョウは言いました。
「この羽なんかいいんじゃないの?」
ガチョウは自分の羽を3枚取ると、ルーミングパパの赤いおひげにくっつけました。
真っ赤なおひげは白いおひげに早変わり。
なんて素敵な白いおひげ。わたがしみたいな白いおひげ!
ガチョウにお礼を言った後、早速おうちへかえったら又もやミーシャが言いました。
「大根みたいで変なおひげ!」」
ルーミングパパはしゅんとして、今度こそはと、似合うお色を探しにでかけました。
玄関を出ると、家の後ろにまわりました。この道をまっすぐ、まっすぐ。
しばらく行くと、ボナペに会いました。ボナペは小さな女の子でお花屋さんのお嬢ちゃんです。
「リンダーパパにプレゼント!」
かごいっぱいの摘みたてのお花を、ていねいにおひげにさしてくれました。真っ白なおひげは、カラフルなおひげに早変わり。
お花畑みたいに素敵なおひげ!
ルーミングパパは大喜び。
しかしミーシャは言いました。
「まるで女の子みたい。」
とっても素敵なおひげだと思ったのに。
今度こそは素敵なおひげを・・・。
玄関を出ると、このまままっすぐ、前へ前へ。
しばらく行くと、真っ白なドレスを着た花嫁さんに会いました。
「とってもとっても素敵なおひげね。私のドレスに飾りたいわ!」
ルーミングパパがボナペにもらった花を花嫁さんのドレスにつけると、真っ白なドレスはあっという間にカラフルに。
「お花畑みたいなドレス。とっても素敵な可愛いドレス!」
花嫁さんは歌いながら、ルーミングパパにキスをして、丁寧にお礼を言いました。
ルーミングパパも大喜び。おひげは白にもどったけれど、花嫁さんが喜んでくれたもの。
少し歩くと、大きな木の穴から
「ハークション!」
大きなくしゃみが聞こえました。野ねずみです。野ねずみは言いました。
「寒くて寒くてたまらないんだ!」
ルーミングパパは言いました。
「この羽なんか、いいんじゃないの?」
チョイ、チョイ、チョイ。ルーミングパパがが羽を外し、野ねずみにかけてあげると、あったか布団のできあがり。
「わたがしみたいなふわふわお布団。これでぐっすり眠れるよ!」
野ねずみは大喜び。できたばかりのお布団にくるまって、そのままぐっすり眠りました。
ルーミングパパも大喜び。おひげは赤にもどったけれど、野ねずみ君が喜んでくれたもの。
その時です。
ポツリ、ポツリ。
急に雨が降り出しました。さあ大変。急いでおうちに帰らなきゃ。
雨はザーザーふり出して、いつの間にかペンキがとれて、赤いおひげはもとどおりの青いおひげに戻ってしまいました。
「元のおひげにもどっちゃった。」
ずぶぬれで、青いおひげにもどったルーミングパパを見て、ミーシャは大笑いしました。
「君は結局、変われないのさ。」
ルーミングパパはびしょぬれの青いおひげをふきながら、ミーシャを見つめて言いました。
「変われなかったんじゃないよ。変わらなくって良かったんだ。」
ルーミングパパは、ルーミングパパのおひげのおかげで喜んでくれた顔を思い出しながら、満足そうにおひげをなでました。




