表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/4

まずは現実世界の問題提起から そしてラストエンペラーに転生した俺…!

冒頭の一文は問題提起のような感じですが、あくまでも主人公の星野玲男(ほしの・れお)の個人的な見解として書かれているフィクションであり、特定の個人や団体とは関係のないものとしての扱いとなります。



俺は星野玲男(ほしの・れお)


これといった取り柄のない、勉強も、運動も、ずばぬけてできるというほどでもなく、かといって最下位クラスかというほどでもなく、これといって特徴もないような奴だと自分でも思っている。


世間の流行りものには無頓着。そういうものには乗っかりたくない主義。

一方、世の中のニュースは、ほんとにオリンピックのメダルラッシュ以外のニュースは暗いニュースばかりなので、これも全くもっていちいち目を向ける気にもならない。

テレビのニュースは見ない。ニュースなんてネットニュースで自分の興味のあるニュースだけを検索して見ればいいやというくらい。


今年は災害や、凶悪事件のニュースが特に多い。

だから、なおさら気がめいる。目を向けるのも気がめいる。できればやり過ごしたい。だけどこれが現実だからねえ…。


オリンピックのメダルラッシュに沸いた夏は過ぎ、新学期が始まる。


そういえば、長期休暇が終わって新学期が始まる時期になると、決まって生徒の自殺が多くなるという。


そうだ。ちょうど俺らと同年代のな…。


ここから先の記述は、あくまでも俺、星野玲男(ほしの・れお)の個人的な思いだ。


別に特定の誰かを糾弾しようとか、そういうことを考えているわけでもないし、皆さんがこれに対してどう思うかは、皆さん次第だ。


自殺なんかするなよ!学校に行くことは義務じゃない!行きたくないなら学校なんか行くな!と言っている人たちもいるようだ。


それで学校に行かないようになってみんながみんな学校に行かなくなったら、そもそもそんな学校なんか潰れてもらってけっこうだ。


生徒の問題に対して無能無策、そうしてみすみす生徒を死なせてしまっているような学校…。


そんなの学校じゃない!


ニセモノだ!


そんな学校なら潰れてしまえ!


そんな恨みの言葉が聞こえてくるようだ。




さて、この俺、星野玲男(ほしの・れお)は、特に問題もなく無事に新学期を迎えることができたのだった。

そして普通に学校生活を送っていた。これが普通の学校生活、本来あるべき学校の姿だと、感じながら…。


ところがそんな生活はある日突然終わりを告げた。


低い雲が広がる冬の夜。


この俺、星野玲男(ほしの・れお)は、突然頭をカチ割られたような、激しい痛みに襲われ、そのまま意識がもうろうとし、そしてそのまま死亡してしまったのだった。




それから、どのくらいたったのか。


気がついたら、そこはとある国の、王座の上。俺は子供の姿で、王の座るその椅子に座らされていた。


「いったいここはどこの国なんだ…。」


あとで聞いてわかったことだが、この国は「レオ王朝」という王の一族が治めている、フェルディナント王国という国らしい。

「レオ王朝」…。

俺は、星野玲男(ほしの・れお)だから、下の名前の「玲男」と同じ名前の王朝ということになるのか。

そこに、西太后のような感じのおばばが現れた。そしてこう言った。


「みなのもの、今日よりこの「レオ15世」が、この国の国王です。」


これもあとで聞いてわかったことだが、

この「レオ王朝」というのはこれまで14代まで続いてきていて、この俺が、15代目の「レオ15世」として、即位したというか、例の西太后みたいなおばばによって即位させられたというわけだ。


先代のレオ14世が死去したことで、急遽あととりを決めなければならず、それである時、わけもわからず連れてこられ、無理やり「レオ15世」として即位させられたのが、この異世界の国に転生してきた俺なんだと。


つまり俺は、あの頭をカチ割られたような痛みで、現実世界では死んでしまって、それで「レオ15世」という国王として、転生してきたという流れになる。


なるほど、だいたいそのへんのところはわかった。


ところがそれからまもなく、後ろ楯となっていた、その西太后みたいなおばばも死んでしまう。

そしてさらに、実はもうこの「レオ王朝」というのは落ち目の状態で、

つまりは、この「レオ15世」は、「レオ王朝」の最後の国王、「ラストエンペラー」だということも、あとから聞かされて、ようやくわかったことなんだと。

だったら初めからそう言えよ!って言っても、今さらどうすることもできなかった。


俺が「レオ15世」として即位してから1年もたたないうちに、このフェルディナント王国は共和制に移行することになった。

つまり国王はいなくなり、大統領が国のトップになるのか?と思ったら、どうやら大統領ではなくて、大総統と、執政官というのが国のトップになるらしい。


「大統領じゃなくて、大総統に、執政官かよ…。」


いずれにしても俺は、これで国王を辞めることになり、15代続いた「レオ王朝」も、これにてその歴史に幕をおろすことになるわけだ。


そういえば、室町幕府の将軍も15代、徳川幕府の将軍も、やはり15代で終わっている。この「レオ王朝」も15代で終わるというのは、単なる偶然か?それともやっぱり何か意味があるのか?


と、考えてしまうところだが、待てよ…。


ひょっとしてこれは、ある意味、考えようによっては、王族のしきたりとかに縛られないで、自由の身になるということなのか?だとしたら…!


そうだ、せっかくこの異世界に来たのだから、世界各地を旅してまわってみようか。


と思った矢先、「レオ王朝」は今後も形ばかりではあるがそのまま存続させるという決定が下された。


そして俺、レオ15世も、成人するまで城の中に押し込められ、そこから外に出られないということに…!


なんでだーっ!



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ