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依頼主

5人の戦士を倒した、いや遊んだ零は無事に城に到着した。

なんというか、とてつもなくでかい城だった。

一般的には豪邸と呼ばれる零の家が小さく見えるほど大きい。20倍はあるんじゃないか?

零は軽く殺意を覚えた。

でも城は殺せないわけで。

いくら曲野零でも。

殺し屋でも。


 「おい、貴様は何者だ」門に入ろうとする零は兵士に呼び止められた。

「殺し屋だ」

というと、

「これは失礼いたしました。どうぞおはいりください」急にへこへこし始めた。

殺し屋だ、と言って城に通されるのも変な感じだが。

それほどまでに危機的状況にあるのか。

ヤブカラ城は。


 こりゃたまげた。

外壁の赤い城は。中まで赤かった。

壁も、壁画も、階段も、装飾も、すべてが赤かった。

どんな趣味してんだ。ここの王様は。


 零は赤い城をひたすら進む。長い廊下を進み、長い階段を上る。

見かけるのは兵士ばかりだ。それも尋常な数じゃない。

かなり物騒だ。

敵国の殺し屋対策だろうが、プロの殺し屋には兵士なんて何の役にもたたない。

むしろ、いない方が良い。

無駄な犠牲を出すよりは。


 やっとのことで王の間にたどり着いた。ノックもせずに豪快に扉を開けると、中にいた人物が零を見る。

「あなたは我が国が頼んだ殺し屋ですか?」小太りの赤いコートを着た男が英語で尋ねてきた。

世界中のありとあらゆる言葉をマスターし、民族言語も勉強している零には、英語なんて朝飯前だ。

もとい、朝勉前だ。


 「そうだ」零は問いに答える。そして、さやから『素人殺し』を引き抜いた。

それを見た数人の男から歓声が上がる。

零は自慢げに笑った。


 「私はこの国の王、チョーゴ・ブレイ・ヤブカラ3世です。敵国の殺し屋から私を守ってください」

自己中心的な男だ。

「自分」を守れと。

「俺は殺し屋だ。あんたを守るんじゃなく、殺し屋を殺すまで」

「わかりました」ブレイ王は不満そうだ。


 「御馳走を用意しています。食堂へどうぞ」王がにこやかに笑った。

「ありがたくいただこうじゃーないか」

王と零と数人の側近たちは、食堂に向かうため長い廊下を進む。

長すぎる廊下を。

日が暮れそうなほど長い廊下を。


 「おい。この近くに本屋はあるか?」零が側近のひとりに尋ねた。

「1キロほど離れたところにある町のなかなら・・・」

「そうか、じゃあ買ってこい」出会って1分もたってない男に命令をする零。

「買ってこいって何!?」

「今日、湯煙探偵増田の新刊が出るんだよ」零が大好きな漫画だ。既刊28巻。

「全然面白くなさそうだな・・・。聞いたこともないよ」この男も負けじとツッコむ。

「ああ?」零が睨みつける。

「ごめんなさい!後で買ってきます」


 食堂には数えきれないほどの料理が並べられていた。中華料理、洋食、和食。

飛行機のまずい機内食しか食べていない零はがつがつと食べた。

この男、スリムな見かけとはかけ離れて大食いなのだ。

自称「殺し屋一の大喰らい」<デンジャラス・イーター>。


 「おおすごい食欲ですな」チョーゴ王が笑う。

バンッと大きな音が響き渡った。

乱暴にドアが開けられ、中から血だらけの兵士が入ってくる。

「何事じゃ!」むせながら王が聞いた。

「大変です。敵国の殺し屋がやってきました!」最後にそう言うと、兵士は倒れた。

「どうするのじゃ!?」

王は零に聞いたらしい。

だが零は構わず食べ続ける。

「どうにかしてください」王が零の肩をつかんだ。その瞬間、零がすさまじい殺気で王をにらんだ。

「今食べてるだろーが!気安く触るんじゃーない」


 そう言ったとき、ドアから1人の男が出てきた。

それを見て零は絶句する。

ヤブカラ城の赤い食堂に現れたのは、

世界最強の殺し屋だった。


 今日はクリスマスイブですね。特にすることが無い僕はただ小説を書いています。手がかじかまないように。

これからの話をどうするのか考えながら、クリスマスを過ごします。

ではでは。

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