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彼女は人質!?

 「人質ってどういうことだよ?」零は廊下で出会った黒いタイツスーツの女に聞き返す。

「私はここを抜けたいの。だけど、普通に言って素直にそうさせてくれる連中じゃない。必ず私を抹消しようとする。だから、人質のふりをして『無理やり』連れ去られたということにしてほしいの」

彼女は笑う。


 「保証は?」そう言うと、彼女は少しだけ驚いた顔をする。

「保証って?」

「あんたが裏切らないっていう保証はどこにあんだよ?そう言って油断させて俺を殺すつもりじゃないのか?」

そんな嘘にやすやすと引っかかる零ではない。

今まで数多くの修羅場を経験してきている。疑うことから始める。それが殺し屋だ。


 「確かに・・・そうね」

そこで、彼女は考えるようにして、人差し指を突き出した。

「こうしましょう!私は武器を持たない。そして、手を縛る。こうすれば君に危害は加えれないし、人質っぽく見えるでしょ」

屈託のない笑顔で、そう言う。


 「そうだな・・・。でも、お前が手を使わずに人に攻撃ができる能力を持っているかもしれない」

「もー。本当に疑り深いな、君は」

彼女は苦笑して、人差し指を唇に当てた。

すると、

彼女は消えてしまった。

それまでそこにいた彼女は跡形もなく『消えて』しまった。


 「消える、それがお前の能力スキルか」零は微笑んだ。

こいつとバトルしてー!

零はそんなふうに思っていた。

根っからの戦闘狂なのだ。


 彼女はふっと現れた。

「少し違うわね。私の能力は『簡易死角』<インスタント・ブラインド>。いつでもどこでも自分を相手の死角にできる能力」

「へー」

「これで君には危害は加えられない、でしょ」

彼女はこれで私の勝ちとでも言わんばかりに意地悪く笑った。

「わかった。じゃあ武器をだしてもらおーか」


 零に命令されると、彼女は体中から武器を取り出した。

ジャラジャラジャラ。

彼女の目の前に武器の山ができた。

お前は全身凶器人間か!

世界びっくり人間大会で優勝できるわ!

「お前、その小さに体にどうやったらそんなに武器が仕込めるんだよ」

「へへへ。収納女王とお呼び!」

「そんな女王でいいのか」

「収納は大切な事よ。私は収納をするために生まれてきたわ」

「お前のあだ名は今日からTHE・収納だ」

「そんなかっこ悪いあだ名はやめて」

意外と楽しい奴である。


 「本当に武器はそれだけか?まだ隠してんじゃないのか?」零が執念深く聞く。

「本当に疑るわね。あなたは今日からシャーロックホームズよ!」

「光栄だ」

「もう。そんなに心配なら体の隅々まで捜せばー」彼女はファスナーを下の方まで下げる。胸の谷間が丸見えだ。

この俺が、ドキッとしてしまった。

「そんな手にはひっかからないぞ」

「しっしっしっし」


 「さあ人質!行くぞ」零は彼女の腕をロープでぐるぐる巻きにしてから、威勢よく言った。

「私の名前は桜木桜子。よろしくね」

「俺は曲野零だ」


 こうして、零と桜子は「人質」として共に出口を目指すことになった。

いつまでも同じ風景の廊下をひたすら進む。

「この屋敷どうなってんだ?どんだけ広いんだよ」耐えかねた零が事情通の桜子にたずねた。


「だってこの館は山をまるまる1個買い取って立てられたんだもの。そりゃあもう広いのなんのって。梶田グループでもこの館の全貌を知っているのは幹部の内でも上の方の人たちだけよ」

規模でかすぎだろ!

梶田グループ。

零はとんでもない組織に手を出してしまったのかもしれない。


 「ここは地下なのか?」

「そうよ。地下2階」

「2階!?」

「うん」

「じゃあ俺達はまだもう一段クリアしなきゃなんねーのか」ヒャーと言って零はがっくりと首を折る。

「それぞれの階へ上がるには、階段の前にいる小ボスを倒さないといけないの」

「小ボスだー!?」

「そいつらはものすっごく強いのよ。誰か知んないけど」

「知んねーのかよ!」

とりあえずまだ戦闘はしなければならないらしい。

この不慣れな武器で。


 零達は途中、ドアを見つけて入ってみたが、何もないみすぼらしい倉庫だった。

鎧が何個かあったので、武器や防具を拝借した。

槍を手に入れ、胸当てをつけ、小手で武装した。

これで聖騎士ナイトの誕生だ。


 「零君かっこいいわ!萌える」零の格好を見て桜子が言った。

「萌えるの!?」

桜子は少し変わっている。


 足が棒になるほど歩いた零一行はやっと地下1階へと続く階段を発見した。

「やっと見つけたぜ」

零は息を切らせて壁に手をかけた。

しかし、そのまま上がらせてくれるはずがなかった。


階段の段に座って本を読む少女と、

天井に張り付いた女。


小ボスの登場である。


「私たちがいる限り、この世に階段を上る奴は栄えない。2人は美少女黄泉川姉妹」

その姉妹は、1文字もずれることなく完璧に同じセリフを言った。

「階段登れなかったら自分の部屋行けねーんだよ!」


 黄泉川姉妹VS曲野零

開幕。

 第15話です。

気が付いたら僕の連載最長記録更新してました。

やった!

僕は割と短い話しか書いてなかったので・・・。

この話はいつ終わるのやら。

でも毎日のモチベーションになってるので良いです。

感想、アドバイスお待ちしています。

ではでは。

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