表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/20

史上最強の親子喧嘩

夕暮市紅町、午後12時。こんな名前の街にも夜はやってくる。


紅高等学校の屋上に、親子はいた。月明かりに照らされて2人は向き合っていた。仲良くおしゃべりしているのではない。そこには、第三者が介入できないような険悪なムードが漂っていた。今から、親子喧嘩が始まろうとしていた。しかしそれは、ただの喧嘩ではない。

普通の親子がするようなレベルではない。


下手すれば死ぬ。


「おい親父、何で携帯の契約切ったんだ?」

そう言いながら蛇のように睨みつけるのは、学生服を着たトンガリ頭の少年。

この少年、普通に見えて普通じゃない。

名は曲野零まがりのれい

職業は高校生兼「殺し屋」。世界をまたにかけ日々殺しを行っている。

右手に握るのは大剣。キャッチコピーは「全てを切り裂く闇の刃」。


「お前は最近喋りすぎだからな。この前請求書見て倒れそうになったわ」

こちらもかなりの曲者。曲野だけに。

浴衣姿の中年の男は曲野百二郎まがりのももじろう

殺し屋の父親はやっぱり殺し屋で、通り名は「百戦錬磨の鬼奉行」。

まだまだ現役バリバリで働いている。


「ああ?」

「1ヶ月携帯使用禁止だ!」百二郎が宣言した、と同時に零が動いた。

「ふざけるな!!」

零は自分の身体よりも大きな「素人殺し」の剣を振りかざして百二郎に切りかかった。

刹那のスピードで。

たが、百二郎は軽く受け流し、肘で零を吹っ飛ばした。

零は柵に激突した。


「まだまだ若い者には負けんわ」百二郎は腕のホコリを払った。

百二郎は助走をつけ、屋上から飛び立とうとした。しかし、飛べなかった。

走路を大剣で塞がれたからだ。


ふりかえると、零は立ち上がっていた。

ボロボロになりながらも。

息を切らしながらも。


「親父、勝負はまだ終わってねぇんだよ」

その瞬間、零が消えた。

百二郎は悟る。

奴の能力が発動したのだ。


殺し屋の素質を持つものには、子どもの時に能力が発動する。零もそうだった。

「時の門番」<タイムキーパー>。それが零に与えられた能力だ。


百二郎は冷や汗を掻いた。

零は時間を自由に移動できる。いつ、どこから現れるかわからない。

1秒、2秒と時間が過ぎて行く。やけに時間の進行が遅い。


百二郎が鞄からメスを取り出した時、時の狭間から零が出てきた。

零は空中から殴りかかってきた。

百二郎は即座にメスを自分の腕に突き刺す。

ブスッと軽快な音をたて、血が噴き出す。

百二郎に壮絶な痛みが襲ったが、零も苦しみだした。

百二郎の能力は「自己犠牲」<オウンアタック>。自らが触れた相手に自分の苦しみ与える技。鬼奉行と呼ばれている理由はこれだ。能力史上最凶と呼ばれた。これをやれば、殆ど勝ちだ。


「くそっ」零は苦痛の声を上げた。

それでも一撃与えてやろうと、捨て身で突っ込んだ。

「おりぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

世界でたった一人の父だから、今まで一緒にいた父だから、殺し屋として尊敬した父だから、自分の能力が成功した時、百二郎が一瞬油断することを零は知っていた。

そのすきをついて零は拳を叩き込む。

百二郎の顔の目の前までパンチが飛んで来た。これは避けられない。

いくら百二郎でも。


その時、2人の戦いを中断するベルが鳴り響く。零は腕時計を見た。

液晶には、会長の姿が映っていた。会長が口を開く。

「指令だ」



今回挑戦するのは、殺し屋が主人公のファンタジーです。いつか書いてみたかった、こういうの。かなりはっちゃけた話にしたいなと思ってます。個性バリバリのキャラクターもつくりたいな。

何もかも始めてですが、面白くなるように頑張ります。

感想、アドバイスお待ちしています。

ではでは。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ