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Take five

作者: 城之崎灰流
掲載日:2012/09/05

 たん、たん、たん、たん、たん――。


 屋根を伝って落ちてきた雨のしずくが、ベランダの手すりにぶつかって弾ける。


 たん、たん、たん、たん、たん――。


 規則正しい音が閉じた窓越しに聞こえる。


 机の電気をともして、BGMにはお気に入りのジャズミュージック。


 外はあいにくの雨、そんな日だからこそ私は手紙をこうやって綴っている。




 一枚目の手紙は、


「あなたといつの日までも一緒にいて、そしていつの日か一緒に死ぬ日を迎えれたら、すごく幸せなんじゃないかと思う」


 などという、長くてのんびりとしたものになってしまった。


 だから、くしゃくしゃに丸めてその辺に投げた。




 二枚目の手紙は前回の失敗を踏まえて、


「いつまでも、あなたと二人手をつないで歩いていきたい」


 前回よりは短くなったけど、やっぱりまだ少しのんびりしている。


 しょうがないから、びりびりに破いてその辺に投げた。




 三枚目の手紙は前の二つよりもひねくれた感じで、


「あなたのことが好きだけど、何か文句はありますか?」


 なんだろう、ひねくれ過ぎちゃったかなぁ。


 もったいないけども、四つにきちんと折ってその辺に投げた。




 四枚目の手紙は今までの反省を込めて、


「あなたのことが好きです」


 んー、なんだか普通すぎてつまらないかも。


 割といい線いってたけども、紙ヒコーキにしてその辺に投げた。




 たん、たん、たん、たん、たん――。


 BGMの曲が変わる。外は相変わらずの雨。まだ、止みそうにはないなぁ。


 お気に入りの曲が、ドラムのリズムに乗って始まった。


 さて、それじゃぁ気を取り直して五枚目(テイクファイヴ)、行ってみよう。



BGMにJAZZの『Take five』を聞きながら

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