~第3話~ 異世界での初めての出会い
今話では優羅が死亡フラグを立てます。
そんな時に救世主が……ってネタバレになっちゃいますね。
初めの方に優羅の能力の説明がありますが、今度、この話の設定らしきものを投稿する予定なので詳しくは書いていません。
つまり私の駄文にイライラしたら飛ばして読んでくださいってことです。
ボクは、背中に固い感触を感じながら目を覚ます。
空は木の葉により隠されていて、わずかに射しこむ日光から今は朝だと確認することができる。
身体を起こし周りを見渡してみる。
辺りは木や雑草が広がっていて、ボクの前方には整備はされていないが道がある。
ボクはどうやら森に居るみたいだ。
≪ぐぅっどもぉ~に~んぐ。 どうやら無事にそちらヘ転送できたようじゃの≫
そして、森効果のおかげで幻聴まで聞こえてくる。この声を知っている気がするが気にしないでおこう。
次に自分の状態を確認してみる。
昨日(?)生えてきた翼はまだあり、髪も銀色のままだ。
更にボクが着ていた学校の制服は、白と黒の服に変わっていた。黒い半袖の服にはフリルが使われていて、両肩の部分は白で、少し丸みを帯びている。白と黒が編みこまれたドレススカートは膝上まであり、風に靡かせている。頭には黒のリボンが付けられ、ボクの銀色の髪と合うのではないだろうか。スカートから伸びる細く、しなやかな脚は、黒色のニーソックスにより隠されているが、スカートとの間に透き通るような白さを持つ太ももが見えている。
……ゼルスさんがこの世界に合わせて服を変えてくれたみたいだけど、どう考えてもこの服の方が目立つ。更に趣味丸出しじゃないか。
≪その服は儂がこーでぃね~とした力作じゃ。気に入ってくれたかの?≫
「気に入ってたまるかっ! 第一、ボクは男なのになんでこんな服にしたんですか!?」
姿は見えないが、ゼルスさんの声がするので反論してみたけど、
≪何を言うか。宇宙規模級に似合っているというのに。……それはさておき、能力について説明したいのじゃが、よろしいかの?≫
どうやら話を進めたいみたいなので、仕方なくゼルスさんの言葉に無言で頷く。
≪儂が優羅に与えた能力について説明し忘れていたのでの…… お前さんの能力は、『思い浮かべたことを現実で引き起こす能力』。通称、『オレ様が魔法』じゃ!≫
なんなんですか、そのネーミングセンスは……
≪この能力は名前通りで、『天使魔力』を消費して使うことができるのじゃ。生命を直接死に至らしめたり、生命を作り出すことはできないが、それ以外はなんでもできるぞい≫
つまり、戦場でザラキ○マ無双は出来ないってことですね。
あと、この能力の名前がダサすぎるので、ローマ字に変換し頭文字をとり、『O.G.M』と呼ぶことにする。これで少しはマシになったよね?
ちなみに『天使魔力』とは、天使が持つ魔力のことで、一般的な魔力や神力とは違うらしい。
「チートってことは分かりましたけど…… ボクの背に生えている翼、なんとかならないんですか?」
≪念じれば消えると思うぞい。出したい時も念じればよい≫
そう言われてボクは翼を意識して消えろと念じてみる。……背から伝わる奇妙な感触が消えた。どうやら成功したみたいだ。
≪……そうじゃった! 儂にはまだ仕事が山ほど残っておったのじゃった…… という訳で夜にまた会うとするかの≫
ゼルスさんはそう言い会話を終了させてしまった。
ボクは何度も呼びかけてみるものの、反応は無かった。
一人取り残されたボクは次に会ったときにどんな嫌がらせをしようかと顔を歪ませながら考えていたが、
「グルルルルゥ……」
へ?
背後から不気味な声がしたので、恐る恐る振り向いてみると、
「グルルルルルロアァァァァァァ!!!!」
「んにょわあぁぁぁ!!!!」
そこには全長5メートルを超す、熊みたいな魔獣がいて、そいつは美味しそうな料理を見つけたからか、歓喜に近い咆哮を上げている。
対してボクはいきなりな事態に驚き、素っ頓狂な声を出す。
魔獣から逃げようとしたが、ボクの足は石造のように固まり、ぴくりとも動かなかった。
嗚呼、こんなところで死亡フラグ…… って、誰か助けてぇぇぇぇ!
ボクは自身の能力のことをすっかり忘れ、心の中で助けを求めるのであった……
~side out~
~リリア side~
皆さん、初めまして。リリア・シュトイーツです。
「誰?」とか言わないでくれる? 一応正ヒロインの予定なんだから。
私は今、『タルク』の町の近くにある森に来ている。この森にも名前は確かあったはずなんだけど、忘れたしどうでもいい。だって、依頼を遂げればいいんだもの。
依頼の内容はこの森に居る『ベアムーア』の討伐。体はでかいくせに弱いやつのことね。
私はそいつを討伐し、ギルドへ報告に戻ろうと来た道を振り返る。
すると、さっきまではいなかった『ベアムーア』が目の前を横切り、突きぬけていった。私には目もくれずにね。魔獣は人間を見つけ次第、殺していく生物だと思っていたのだけど……
……何か良い獲物でも見つけたのかしら?
私はそんな魔獣が気になり、後を追うことにした。
「グルルルルルロアァァァァァァ!!!!」
「んにょわあぁぁぁ!!!!」
魔獣が突然立ち止まったって、急に咆えた。
やっぱり別に目当ての獲物がいたみたいね。
魔獣の目線の先を見てみると、そこには女の子が居て、悲鳴を上げていた。
彼女は逃げようともせず、死を確信してしまったような眼をしている。
「いけないっ!」
私は慌てつつも、自分の手に持っていた弓を目の前に構え、魔獣を見据える。
「燃え上がる炎よ、矢と化し、敵を貫け!『フレイムアロー』!」
飛びだした炎の矢は、魔獣を貫くどころか真っ二つに切断し、絶命させた。
私は助けることができたことに安堵しながら彼女の元へ駆け出す。
「大丈夫? 怪我とかない?」
彼女は何が起きたか分からないような顔をしていたが、私に目を向けた。
これが私と彼女との出会いだった。
相変わらずの文才のなさに悲しくなってきます……
そんな私が書いた小説をお気に入り登録してくださった方が6人もいらっしゃいました! ありがとうございます! 思わず感動してしまいました。
これからも温かい目で見守って下さると幸いです。