~プロローグ3~
これから基本的に主人公視点で書いていきます。
私には三人称視点は無謀だったんです・・・。
公園で優実と出会ったボクは一緒に家に帰ることにした。
その途中、真っ白な翼の話をしながら歩いた。
っと、話しているうちに家に着いたみたいだ。
「「ただいま~!」」
「おかえりなさ~い。 あ、そうだ! 今から夕飯の買い物に行くんだけど…… 優実、付いてきてくれない?」
「え~、嫌だよ~。 別に私でなくてもいいじゃない」
「そう? 残念ね…… 付いてきてくれたらケーキでもご馳走しようかと思ってたのだけど……」
「い、行きますっ! お母様に一生付いていきます!」
出ました! 母上の十八番! 優実は甘いものには目がないため、どんなに嫌な仕事を押し付けられたとしても、甘い誘惑によりついやっちゃうんだ。
「あら、本当? 嬉しいわぁ。 あ、優羅はお留守番お願いできるかしら?」
「うん。勿論」
「それじゃあ、行ってくるわねぇ~」
「お姉ちゃん! 行ってきます!」
「……行ってらっしゃい」
優実が言った言葉を言い返そうとしたけど、残像すら残らない勢いで出て行ってしまった。
「……とりあえず着替えようかな」
ボクは玄関の開かれたドアを閉め、部屋に向かった。
「んぬ? ようやく帰って来おったか」
へ?
「あぁ、自己紹介をしてなかったの。儂は神じゃ」
……ここ、ボクの部屋だよね?
何故か見知らぬお爺さんがいる。
不法侵入か?って、お爺さんの背中から翼が生えてるっ!?
「お前さんの名前は分かっておる。椿 優羅じゃろう?」
っ!?
何故ボクの名前を知っている?
……もしかしたらストーカーか?
「安心せい。儂はストーカーではない。優羅に話があって来たのじゃ」
あれ? さっきから心を読まれてない?
「その通りじゃ。儂は神じゃからの。人の心を読むくらい朝飯前じゃ」
……このお爺さん、翼生やしているし、ボクの心読むし…… 神だと認めなくちゃいけないのかな……
「だから、さっきから神だと言っておるのに…… あ、そうじゃ。話をしに来たのじゃった!」
……神様、ボクに何の用ですか?
「ほう。やっと神だと認めてくれたか。……して、話の内容なのじゃが……」
それから神様(?)の話が始まったんだけど長いからまとめてみた。
・ボクは『天使の器』を持っているらしく、天使になってほしい。
・現在、地球と地球の平行世界みたいな世界。つまり、異世界とのバランス(?)が崩れ始めていて、このままではどちらの世界も崩壊してしまう。
・天使には世界の崩壊を止める力を異世界で手に入れることができるらしい。
・ってなわけで異世界に行って、世界の崩壊を止めてきてほしいとのこと。
「まぁ、いきなりで悪いのじゃがどうか、儂らに協力してくれないかの……?」
……嫌だなぁ
話のことが本当ならボクの平穏な日常はなくなってしまう訳で……
しかも、ボクには大切な家族がいる。家族を置いてまで行きたくはない。
「なんでボクなんですか? 別にボクじゃなくても良いのでは?」
「『天使の器』を持っているのは優羅だけなのじゃ。……本来なら、儂ら神だけで解決せねばならなかった。じゃが、事態は急速に進んでおっての……。 おそらく、後1年ほどでこの世界が壊れ始めてしまう……! だから! どうかお願いじゃ。 儂らと共に世界を救ってくれぬかの……?」
うぅ……。 そんな風にお願いされたら、断るに断れじゃないか……!
この世界もどうやら来年には壊れてしまうらしいし……
やるしかないのかな……
「……分かりました。協力します」
「おぉ! 儂は優羅がそう答えてくれると信じておった! 礼をいう。 ……そうじゃ、お前さんには何も見返りがないではないか! ……優羅よ。儂が神様権限で一つだけ願いを叶えて差し上げよう」
願いか……
ボクはただ、のんびりできたらいいんだけど……
そういう訳にもいかないよなぁ……
……なら!
「ボクには大切な物を守る力がありません……。 だから、ボクに何か能力を下さい」
「分かった…… ぬぅ、時間があまり残されていない…… 今日の夜までなら待てるが、家族と話をしてくるかの?」
「いえ…… やめておきます。 多分、異世界に行けなくなってしまうから……」
「そうかの…… では、今から『神の国』に来てもらうが、準備はよいか?」
「……はい。大丈夫です」
「それでは…… はぁっ!!」
ボクの視界は、神様の掛け声と同時に真っ白になった。
後半シリアスっぽくしようとしたのですが…… 私には無理だったようです。
文中に「後、1年後に世界は崩壊する」とかいてありますが、そのことを感じさせないくらいにのほほんと優羅ちゃんは冒険していきます。