夜に双眸
掲載日:2026/09/19
駆ける
奴は駆ける
夕闇の中で足音すら立てずに駆け抜ける
走る
奴は走る
明ける夜闇を恐れもせず
その瞳を爛々と輝かせて走り抜ける
奴は狩人
獲物には容赦しない
仕留める牙は硬く鋭く
獲物を生き物から肉へと変える
しかし奴はグルメ
あたたかな家で口にするのは贅沢品ばかり
しっとり柔らかに解され
ほんのりと味付けされた肉は
一度食べたらクセになる事請け合い
食べる
食す
貪り喰らう
そう
奴にとっては猫缶こそが至高
野獣の牙も
残虐なる爪の存在も忘れ
エサ皿に顔を突っ込む奴の姿よ
にゃ~
ご飯時には愛嬌を振りまく奴の姿に
もう一個缶を開けてしまうこの手が憎い




