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歌うたいの恋歌  作者: 風間咲
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生きてる意味

昔、大人になれば、生きてる意味って自然にわかるって信じてた。


だって大人たちはそんなことに悩んでるように見えなかったから、


きっと俺も大人になれば、この虚しさも、つらさも、苦しさも、


生きてる意味を知れば、いい思い出になって、笑い飛ばせる日が来ると、信じていた。


だから早く大人になりたかった。




でも、今、俺いわゆる大人ってやつになったらしいけど、


生きてる意味ってまだ分かんないんだ…。


心は、そのままなんだ。大人になるにつれ、


けがれも沢山受けたけど…。


考えたくなかった、でも向きあわなければならなかった。


いつになれば大人になるんだろう?


いつになれば生きてる意味を知れるのだろう?


その答えは、ないんだ。


だって、生きてる意味など、この世に存在しないのだから、


気づきたくなかったけど、分かってしまった。


あの時その答えを持ってるように見えた大人たちは、


今なら分かった、ただ諦めていただけなのだと、


生きる意味を知る前に、考える時間さえない、


ただ高速に流れる時の中で、流されて、ただ溺れないよう足掻いてるだけ。


そんな日々、生きてる意味など考えることもなく、


同じ毎日を淡々と過ごしている。


ねえ?じゃあさ、諦められない俺はどうしたらいい?


心の時計は止まったままなんだ。


風の吹くこの丘は、今日も大きな風が吹く、


風を浴びて、ただひたすら願う、


連れて行ってくれ、この心ごと、俺の心を吹き抜けて、


自我などない風になれたら、俺は、少しは分かるだろうか?


死ぬ勇気などない、死ぬ覚悟などない、


だから、きっとこのまま、諦めきれない気持ちを積んだまま、


生きていくのだろうと、思っていた。


あなたに出会うまでは……。






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