7話:すごすぎる性能のスナイパーライフル
「ありえないほどよく見える」
射撃場はだいたい500mほどの距離があり、私は先ほどもらったライフルを構えてスコープを覗いている。
スコープには目盛りと十字がかかれていて、この十字に合わせれば弾がそこに飛ぶように調整してあるそうだ。
「ミリアの癖もあるだろうから何回か射撃しながらスコープを調整してみなさい。
この距離ならルーナの補助がなくても必中できると思うから」
お母様からそう言われて、試しに1発撃ってみることにする。
装填の方法はさっき教わった。
一発ずつ弾を押し込むと確かに5発はいる。
お母様いわくボルトアクションと呼ぶ、レバーを持ち上げて引くと薬莢が勝手に排出されて次の弾を自動的に装填してくれる機構のお陰で間髪入れずに5発撃てそうだ。
私は構えてスコープを覗く。
アイアンサイトと違ってとてもわかり易い。
「撃ちます!」
ポスッ!
反動は今までの銃よりよほど大きく感じたのに気の抜けた様な音がした。
これがサプレッサーの力らしい。
「あ、あたった…」
スコープで再度的を確認すればちゃんと真ん中に当たっている。
「あら、調整は不要だったみたいね」
「お母様が調整したなら間違いないと思うのだけど」
「そんなことないわよ?お母さんと違ってミリアは背が低いから合わないかもって思ってたのよ」
たしかに私は背が低い。
今じゃアイシャのほうが背が高いんじゃないかってぐらいで、私はまだ145cmしか身長がないのだ。
ルーナなんて160cm近いのに…私ちんちくりん。
おかげでお母様からもらったこの銃、長さが1200mmもあるせいで地面にストックを付けても私の目線ぐらいにマズルが来る。
「手足のようにそれを扱えるように慣れなさい。
ルーナはそれほど訓練はいらないでしょう。試しに一発撃ったわよね?」
「はい、奥様…これ射程はどれぐらいですか?」
「10m以内なら当たればよいほうね。接近戦で使って。
ミリアはうんちだからあなたの護衛が必要だもの」
私の前にルーナが射撃した銃も音がほとんどしなかった。
お母様いわく”近接格闘用”とのこと。
たしかにルーナにはそれがあってるかも。
「どちらかといえばルーナはミリアのサポートのためにこれを使えるようになって」
そう言って渡されたのは双眼鏡という装備と風量計。
双眼鏡はスコープと違って両目で見ることで距離も計れる優れもの。
風量計はすごく小さい風車みたいなのがついていて、その回転数で風速を測定するんだとか。
「二人が合わされば1000mの狙撃は余裕でしょうね、最大1500mまで行けるんじゃないかしら」
ニコニコと語るお母様が怖い。
なんてものを開発したんですか…
でも、コレでどうやって戦うのだろう?
5発撃ち切ったら弾込めにはそれなりに時間が要る。
帝国の大軍を相手にするには不安があると思うの。
「いろいろ疑問もあると思うけれど、ミリアとルーナはしばらく銃の練習だけしてなさい。
1000mの狙撃を二人で100発100中できたら、作戦を教えてあげるわ」
お母様からの課題は100発100中、1発のミスもなく100発的に当てる事。
なかなか厳しい課題だけれど銃を扱う上では絶対達成しないといけないわね。