46話:密かな進軍
私達は翌日から作戦通りに動く。
初日は6人で移動し拠点を構築、翌日は2名を残して前進し拠点をさらに構築。
残った2名は周辺の安全確保のために偵察をして、私とルーナ以外の二人が初日の拠点に戻る。
そして先行した私たちが翌日は周辺を偵察して安全を確保している間に拠点にさらに物資を運び込んでもらう。
そうして日々5kmぐらいずつ前進して4日目、ニホニの町に到達した。
今は、町の外の丘の裏に隠れて街の様子を窺っている。
「帝国兵が残っていますね…ここからだと規模がわかりませんが…」
私とルーナはギリースーツを着こんで伏せたままニホニの町を一緒に観察する。
ルーナは双眼鏡を、私は出発後に補給物資として届いた単眼鏡を使っている。
町の入口には哨兵がたっており、町の中は結構な人数の気配がする。
王国軍はニホニを捨ててコーラシルまで逃げ込んでいることから、食料や医療物資などがそれなりに残っていたようだ。
帝国軍がそのまま駐留するにはうってつけだろう。
ただ、砦などと違いただの町のため防衛という観点で見るとそれほど良い拠点とは言えないかもしれないが。
「どうすればいいと思う?」
「まずは敵の規模の把握に務めましょう。それを報告すれば何かしら指示がでるかと」
「そうね、ヘタにつつくのもよくないわよね」
私とルーナは丘の裏に隠れながら位置を変えて敵の規模を確認していく。
大砲なども置いてありそれなりに駐留するつもりがありありと分かる。
物資集積所についても以前来た時よりも箱が積みあがっていた。
「帝国側はニホニを実効支配し、帝国領土であると既成事実をつくるつもりなのでしょう」
「情報をお父様へ送るわ。可能な限り妨害しないと」
*****
拠点に戻り、その日の補給を受けながら情報交換を行う。
「つまり、可能な限り迅速にニホニの町に攻撃を仕掛ける必要があるということですか」
「今は見る限り帝国兵しかいませんが、入植されると厄介ですわ」
「すぐに情報をお伝えします。レイノルド様からは無理に動くなとのことでした」
「わかりましたとお伝えください」
連絡が終われば夕飯を取る。
今日来てくれた二人は物資を置いてその足で帰って行った。
遮光テントのおかげで火を使えるのがありがたい。
夜はちょっと冷えるのとやっぱり暖かいものが食べられるだけでも体が休まるもの。
「ねぇルーナ」
「なんでしょうミリア様」
「お父様の言葉、無理にじゃなければ動いていいってことよね」
「…お嬢様それは」
「今日ニホニの町を見る限り、丘や建物の影から攻撃を仕掛ければ狙撃が可能だと思うのよ」
「発見された時のリスクが大きすぎます」
「見つからなければいいだけだわ。幸い町の中には壊れた建物が多くあったから、そういった場所なら敵も発見しにくいと思うの」
私はそれが何とかなる作戦ではないかと考えているけれど、果たしてうまくいくだろうか?




