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スナイパー令嬢戦記〜お母様からもらった"ボルトアクションライフル"が普通のマスケットの倍以上の射程があるんですけど〜  作者: シャチ


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40話:コーラシル砦攻防戦4

 昼過ぎ、ルーナがクッキーをくれる。

 私は何も言わずに咀嚼して飲み込む。

 朝からずっと撃っている。

 狙撃した兵士全員が一撃で倒れたかと言えばそうではなかった。

 スコープを外したマザーKar98Kでの狙撃は中々難しい。

 腕だったり、足だったりにあたることもある。

 当然負傷した兵士が戦い続けることはできない。

 そのため、私は殺せなくとも砲兵たちに狙撃を続けた。

 まずは指揮するものを、そして移動や照準を行おうとする兵士を狙い撃ちにする。

 他の狙撃兵も狙いは同じ。

 なにより敵の大砲は300m以内に近づかなければ威力を発揮しない。

 狙撃を避けて遠くから狙おうとしても砲撃の威力が足りず、弾が届かないか、届いても砦の城壁を揺らすだけだ。

 何とか近づこうとする帝国兵たちにはタリム家の私兵たちによる容赦ない銃撃を浴びせかけた。

 陽が沈む直前まで敵の攻撃は続いたが、砦に大きな被害は発生しなかった。


 *****

「何とか敵の攻勢を退けられたかしら?」

「…分かりませんが、少なくともミリア様は敵兵士を121名負傷させ、54名をあの世に送りました」

 後ろを見ればだいぶ弾がなくなっている。

 倒した敵兵士の数は多いが弾を外した数も多い。

「明日のためにも追加の銃弾が必要ですね」

「そうね…それに流石にお腹がすいたわ」

 私の答えにうなずいたルーナが持ち場を離れる。

 帝国軍との距離は300~400mというところ。

 こちらは無駄な松明などの明かりはつけていないが、帝国側は盛大につけている。

 夜も続けて戦闘するというのは常識ではありえない。

 とはいえ夜襲がないわけではないので警戒は続ける必要があるが、何分川を挟んでいるのでそれほど恐怖感とか圧迫感はない。

 ふと帝国軍側の将校が目につく。

 大きな羽飾りをつけた兜がやけに目を引いた。

 私は銃を構え直してサイトを覗く。


 パスッ


 見事に頭に当たったのだろう、ぐらりと傾いて倒れた。

 帝国軍が急に騒がしくなる。

 そらそうよね、夜になろうというのに将校が撃たれたら誰でも反応するだろう。

 状況を確認するためか別の将校が現れる。

 先程より兜の派手さはない…部隊長クラスだろうか?


 ガチャッ…バスッ


 その男も倒れた。

 急にその一帯だけ火が消された。

 こちらに見えていると気がついたらしい。

「ミリア様、なにかされていましたか?」

 振り向くとルーナが夕食を持ってきてくれていた。

「敵の上級将校が見えたものだから撃っちゃった」

「それで帝国側が騒いでいるのですね」

 手渡された器には野菜と鶏肉の具だくさんのスープが入っていた。

 そしてルーナはカバンからパンを取り出す。

「ありがとうルーナ」

「それにしてもミリア様、反撃されたらどうするおつもりですか」

「反撃してくる奴らも撃ち倒せばいいわよね」

 はぁとルーナがため息をつく。

 うん、私自身感覚が麻痺してきている。

 帝国兵を撃つことにためらいなんてもうない。

 すでに敵の砲兵は根こそぎ倒している。

 帝国軍は諦めて撤退すればいいのにまだ粘るつもりなんだろうか?

 食事を終えて再度外を見れば、帝国軍側の明かりはまばらになっていた。

 そして弾薬の補給がされ300発届いた。

「ルーナ、あれ狙えるわ」

「あの明かりのところにいる兵士ですね」

 私はためらわずトリガーを引く。

 グラッと倒れ込む敵兵士。

 見えるところにいるから悪いのよ。


完全にストックが消失しました。

明日は更新できないと思います…

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