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クロネコのユメ  作者: 葉山麻代
◇私はユメ◇

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夢の提案

ユリとソウは、マーレイが操縦する馬車で出かけていった。マーレイが戻ってくるまでリラはここで留守番だ。


ユリはお菓子をたくさんおいていってくれた。

トーストや、ピザトーストを作る材料も、2階にはあるらしい。


仕方がない事とはいえ、一人は寂しい。

どうしても寂しくなれば、転移して内緒で来たら良いと言っていた。

ユリが泊まる部屋はわからないからソウのところに行くようだ。それはそれでどうかと思うので、たぶん行くことはないだろう。


考え込んでいると、リラが話しかけてきた。


「ユメちゃん、提案なんですけど、明日まで一人なら、うちに来て泊まりませんか?ベッドは私と一緒になるけど、朝ご飯作りますよ!」


そんなことは考えもしなかった。

でも、リラの単独案かもしれない・・・。


「良いのにゃ?」

「お父さんなら、ユメちゃんが来るって言うなら、私が無理矢理連れてくるんでなければ構わないって言ってました」


リラは事前に話を通しておいたのか!

とてもありがたい。お世話になろう。


「お願いするにゃ!」

「やったー!お父さんが帰ってきたら一緒に行きましょう」

「ありがとにゃ!」


マーレイが戻って来るまでリラと楽しく話した。

今度クロッカンを作るときは、花型で抜いた生地を使ったらきれいなんじゃないかとリラは考えているようだった。

私が、「小さい猫の型で作ったら面白いと思うにゃ」と言うと、一生懸命リラが考えてくれた。


「クロ猫ッカン!」


リラが考えていたのは名前だったらしい。


マーレイが戻ってきて、一緒に家に行くことになった。

そのまま馬車に乗り、マーレイたちの家がある地域まで行った。お店からすぐの場所だった。


お店からは、ちょうど見えない窪地に家が十数件あった。

以前来た時は黒猫で、しかも一瞬だったので、よく覚えていない。(馬車で湖に行ったとき)


マーレイたちの家は、入ってすぐの部屋がダイニングで、奥に寝室がある二間だった。なるほど、リラと一緒のベッドと言う意味がわかった。

その他に、薪などの倉庫があるみたいだ。


「ユメちゃん、からだ拭きますか? 水浴みしますか?」

「変身できるから拭かなくても大丈夫にゃ!」

「便利なんですねー!」


水浴み、懐かしい。

子供の頃は放置されていたから、夏の間は水浴みだった。


「リラ、冬はどうするにゃ?」

「水浴みですか? 冬は、ご飯の時にお湯を沸かして、そのお湯で体を拭きます」


なるほど。ということは、冬は必ず湯浴みだったのは、割りと贅沢だったんだな。

そんなことも知らなかった。


カワイツバサの時が一番、最先端給湯器だったのかな? まあ、あの頃は仕方ないか・・・。


「夏板を買えば良いにゃ」

「あ!毎日湯浴みができそうですね!」

「魔力は、使わないと伸びないにゃ。使っていれば、リラは300になるにゃ」

「夏板何回でも充填できますね!」

「湯沸かし10pにゃ。薪や炭より安上がりにゃ」

「ユリ様に頼んで、お給料から1つ買ってもらいます!」

「それが良いにゃ」


「リラ、なんの相談だい?」

「ユメちゃんが、夏板を買えば、毎日湯浴みができるって教えてくれたの。魔力を増やすためにも良いって!」

「夏板か。リラには使えるのだな。今度ホシミ様に相談しておくよ」

「お父さん、ありがとう!」


眠くなるまでリラと話をした。

普段は仕事中なので、あまり関係ない話をしないけど、今日は気にせずいっぱい話した。


リラには、お母さんとお兄さんがいるらしい。

でも、ずっと会っていないと言っていた。

マーレイからは王都に仕事に行っていると聞かされているらしい。でもリラは、違うんじゃないかと考えているらしく、理由を教えてくれた。

曰く、離れてから一度も会えない。後から行った兄も帰ってこない。母親が働きに行ったにしては、父親がかなり必死に働いているのに、一向に豊かにならない。などであるらしい。


ユリ、いや、ソウに聞いてみよう。なにか知っているかもしれない。


「そういえば、寝るときはどうしますか?着替えかしましょうか?」

「寝るときの服はこれにゃ!」


一度猫になり、再びユメに戻った。

ユリが寝るときに着ているような服に変えてみた。サッカー生地のパジャマだ。


リラは、「凄ーい!」と誉めてくれた。


眠くなるまで話そうと思っていたのに、気がついたら眠っていたらしい。

目が覚めたら朝だった。しかもリラに起こされた。

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