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クロネコのユメ  作者: 葉山麻代
◇黒猫ユメ◇

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夢の予習

城に到着すると、部屋にはギプソフィラが待っていた。何と今日は、男性騎士と同じ格好をしている。いつもは、侍女に近い服装なのだ。


「今日はスカートじゃないのにゃ?」

「はいユメ様。本日は、訓練の途中でして、カンパニュラ様のお部屋にご案内したあと、戻る予定でございます」

「訓練は着替えるのにゃ?」

「スカート越しだと、足技がしっかり見えないと言われましたので、訓練の時は足が良く見えるように、このような格好をいたしております」


話を良く聞いていると、ギプソフィラは教える側らしく、今騎士たちは違う稽古をしているそうで、ギプソフィラは戻り次第、体術の講師をするらしい。


そう言えば、今日は男性騎士がついてこない。いつもなら、少し離れて2~3人ついてくる。


「一人で大丈夫なのにゃ?」

「王族エリアなので、賊は入り口で捕まりますし、このメイド2人は、私の弟子の女性騎士です」


よくよく聞いてみると、王族エリアに専属でいるメイドは、基本的に簡単な体術や戦闘技術を覚えているそうで、なので、脛当や武器を隠すために他のエリアのメイドより、スカート丈が長いメイドがいるそうだ。


恐らく昔の私は、常識として知っていたのかもしれない。今聞いて驚いたけれど、カンパニュラたちが安全でよかったと思った。


「ギプソフィラ、ありがとにゃ」

「お役に立てましたようで、光栄にございます」


部屋の前や入ったあと、回りをよく見てみると、男性騎士が極端に少なかった。でも、いつもよりキビキビしたメイドが多いように感じる。私たちを部屋の中の係に引き渡し、ギプソフィラは訓練に戻っていった。



いよいよ明日から夏休みなので、カンパニュラから、何処へ出掛けるのかと聞かれた。


「ソウが言うにはにゃ、滝と渓谷と鍾乳洞(しょうにゅうどう)があるらしいにゃ」

「何処にございますか?」

「城と、世界樹の森の間くらいの場所って言われたにゃ」

「滝や渓谷が有るのでしたら、この時期でも涼しそうでございますね」

「そうだと思うにゃ。行きたいところを聞かれて、涼しいところが良いと言ったのにゃ」


「しょうにゅうどうとは、どのようなばしょですか?」

「簡単に言うと、自然にできた洞穴にゃ」

「ほらあなですか?」

「水分に含まれる炭酸カルシウムと言う成分が固まった、鍾乳石が有るにゃ」


聞かれたら答えられるように、少し勉強してきたのだ。


「わたくしもいつか行ってみたいです」


あれ? カンパニュラの一人称って、(わたくし)だったかな?

 日々勉強して成長してるんだなぁ。


お店を一週間休むので、きっと混むんだろうと、早く帰ることにしていたので、持参したおやつを食べたあと、すぐお(いとま)した。シッスルが居なかったので、キボウも後ろ髪引かれることなく、さっさと帰ってきた。


今日のキボウは、お店の外に転移してきた。


「キボウ、いつも移動ありがとにゃ」

「よかったねー」


店側から入ると、知らない男性2人が、箱を組み立てていた。


「すしー!」


あ、これ、細工寿司の箱か。

そのまま通りすぎ、厨房へ顔を出すと、リラが、イポミアを助手に、かぼちゃプリンを作っていて、ユリが海苔巻きを巻いていた。シィスルとマリーゴールドもいて、何か作っている。


「手伝うにゃ」

「キボーも、キボーも」


ユリの海苔巻きを手伝っていると、ソウが戻ってきた。ソウは、明日向かう場所の領地の侯爵に、挨拶をしてきたらしい。


このあとすぐに、イリスとマーレイも来た。リラが海苔巻きに加わり、ユリは、袋サンドイッチを作ると言っていた。ソウは、ユリを手伝っている。私はキボウと2人で、野菜をライスペーパーで巻いたものを作っている。全部で10個巻けば良いので、思ったより早く終わった。


「あー! もう終わっちゃったんですか!?」


丁度10個目を巻いているときに、イポミアから声をかけられた。


「巻きたかったのにゃ?」

「全種類挑戦しようかと」

「ごめんなのにゃ」

「いえいえ、言っておかなかった私のミスです」


「余っても良いから1つ作ってみたら良いわ」


話を聞いていたユリから声をかけられ、イポミアは、うきうきと、野菜巻きを作り始めた。


「この茶色い柔らかいのはなんですか?」

「ユリは、食べると口の中で溶けるドレッシングって言っていたにゃ」

「え? 魔法?」

「柔らかいゼリーで出来ているらしいにゃ」

「ユリ様は本当に凄いですね」

「ユリ、すごーい、ユリ、すごーい」


午前中の予定が早めに片付いたらしく、お昼ごはんを食べることになった。今日、早くから並んだのは、箱を手伝っていたこの2人だけらしい。ごはんのあと、外おやつを置きに行くユリについて行ったけど、並んでいる人はいなかった。


そのまま休憩に入り、私は部屋に戻った。

少しして、ガヤガヤ聞こえるなぁと外を見ると、並ぶ人が見え、その列はだんだん長くなっていった。


やっぱり今日も並ぶんだなぁと思いながら、私は明日の出掛ける用意を確認した。昔ユリに貰ったらしい小さめのリュックサックに、手拭いやユリに買ってもらった上着を入れた。


この鞄を開けたとき、何か栗みたいなのがたくさん入っていて、リビングにいたソウに聞いたら、マロニエと言う植物の種らしい。何でたくさん入っているのか聞いてみると、どうやら私が集めていたらしく、他にも入っていた木の実は、モミジバフウという種なんだそうで、ザクザク出てくるドングリも、同じく私が集めていたものらしい。


昔の私は、こういうものが好きだったのかなぁ?


午後は、作る方を少し手伝い、ユリとリラが切った巻き寿司を箱に詰めていったり、袋サンドイッチを乾燥しないように包んで、鶏丼を作るときには、玉子焼きをのせるのを手伝った。


営業が終わる頃、リナーリが訪ねてきた。リナーリは、ユリが作った鞄を複製したいらしい。明日は出掛けるので、明後日以降に作りたい人を集めて作ることに決まったらしい。


私も習おうかな。

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