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クロネコのユメ  作者: 葉山麻代
◇黒猫ユメ◇

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夢の風船

城から帰ってきて、部屋で本を読んでいると、ご飯だと呼ばれた。


「夕飯は、ミニピザですよ」


ユリの言葉にローテーブルを見ると、大きい方のココットに入った具材が数種類有る。


「やさい、やさーい」

「カマンベール買ってくるの忘れてた」


で、これは何だろう? ピザトーストとは違うのかな? でも、言葉は知っているような?


「ミニピザって何にゃ?」


ユリが何故か言葉に詰まっていた。


「ユメ、好きな具をのせて作るんだぞ」

「楽しそうにゃ」


ソウが、分かりやすく説明してくれた。


ローテーブルに鉄板がついた器具を置き、何かを混ぜて有るケチャップを塗った丸い皮を焼いている。


私は届くところに有る具を、美味しそうなものを選んで皮にのせていた。色々な具があって目移りする。


いくつか同時に作るように言われたので、3種類作っていた。すると、キボウがユリの前に有った容器を取り、中から鮮やかな色合いの野菜を取ってのせていた。


赤と黄色で綺麗だな。私ものせよう。


キボウの次に私も少し取り、焼いているミニピザにのせた。


「あっ」


ユリが小さく呟いた。なんだろう? もしかしてユリの好物で、だからみんなが届かない場所に置いていたのかな? でも、ユリはそんなことはしないと思う。だったらなんだろう?


ソウもキボウものせていたし、むしろユリはのせていなかったので、何だか分からなかった。


あ! もしかして私が嫌いな野菜なのかな? 少し怖々食べたけど、ほんのり甘くて結構美味しかった。 それに、以前にも食べたことがある気がする。あ、そうだ、節分の海苔巻きの野菜巻きに入っていて食べたはず。

やっぱり分からないや。なんだったのかな?


「ユリ、大丈夫か?」


ソウがユリに声をかけた。


「なんでもないわ。少し考えごとをしていただけよ」


ユリは、チーズをのせていないミニピザにチーズをのせていた。ユリ元気になったかな?


「ソウ、以前買ったカマンベールが、冷蔵庫の奥に有ると思うわよ?」

「え、本当?」


ユリは、冷蔵庫にカマンベールがあるかを考えていたのかな? 

ユリから言われたソウは、すぐに冷蔵庫に取りに行っていた。


カマンベールは、ユリが切って、ソウに全部渡していた。

受け取ったソウは、早速一切れ焼いて、黒胡椒を削り器で削ってかけていた。何かニコニコしてちょっと珍しい。


「ソウ、それ美味しいのにゃ?」

「旨いぞ、ひとつ食べるか?」

「ありがとにゃ」

「キボーも、キボーも」

「なら、私にもお願い」


結局みんなが食べることになって、ソウが作ってくれた。

一口食べてみると、皮のパリッと感と、カマンベールのトロッとした濃厚なチーズと、ピリッとした黒胡椒が合わさって、とても美味しかった。


「思っていたより、美味しいにゃ」

「お酒のあてって感じね」

「おいしかったー」

「そりゃ良かった」


ソウはニコニコして、おかわりを希望したキボウに追加を作っていた。その間にユリが、煮たリンゴやチョコレートを持ってきて、デザートまで作ってくれた。ミニピザ面白い!


「そういえば、畑で気になったんだけど、キボウ、畑の端の、白っぽい花が下向きに咲いている植物、あれ何だ?」

「○▼□△!」


ソウの質問にキボウが答えていたけど、みんなも分からなかったみたい。だけど、あの分からない言葉は、前にも聞いたことがある。


「もしかして、あの種にゃ?」

「あたりー!」


やっぱりだ。あのときも聞き取れなかったけど、聞き取れないなりに、同じイントネーションに聞こえた。


「ユメ、何の話だ?」

「以前、キボウがお客の服についていた種を教えたことがあったのにゃ。その種を私が貰って、そのままテーブルに置いて忘れていたのにゃ。キボウが植えてくれたのにゃ。物凄く大きな綿毛がついた種だったにゃ」(※422話 夢の苦労)


私の説明に、何かユリは思い付いたらしい。


「大きな綿毛? 風船唐綿(フウセントウワタ)かしら?」

「あたりー!」


何とユリは、話題の植物の日本語名が分かったらしい。だけど、聞いたこともない名前で、やっぱりよく分からなかった。すると、ユリは解説を始めた。


「白っぽい小さめの花が垂れ下がるように咲いて、実は柔らかいトゲトゲがたくさん有って、私の握りこぶしくらいの黄緑色の実が生るのよね。その中に、大きな綿毛の種がたくさん入っているのよ」


「それって、花材(かざい)に使ったりする?」

「使っているの見かけるわね」

「あれか。花は可憐なんだな」


ソウは、理解できたらしい。私はさらに分からなくなった。


「花は可憐って、どういう意味にゃ?」

「花材に使うのは、実の状態なんだけどな、トゲの有る風船のような見た目で、何かが生まれそうな、結構なインパクトなんだよ」


想像で補えない何か不思議な植物みたい。


「なんだか、楽しみにゃ」


その後、キボウが説明してくれたのは、私が風船葛(フウセンカズラ)を植えているので、似た感じの植物が好きなのだろうと考え、植えてくれたそうで、私は嬉しくてお礼を言ったのだった。

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