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クロネコのユメ  作者: 葉山麻代
◇子供ユメ◇

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夢の薔薇

「ユメ様、次のイベントはいつですか?」


最後の客が帰るときに聞いてきたのだ。


「ユリからは何も聞いてないにゃ」

「ならば、当分無いのでしょうか?」

「とりあえず、休み明けは花みたいなお菓子にゃ」

「そうなのですね! ありがとうございます」


私がお代を受け取ると、お客は楽しそうに帰っていった。すると、様子を見ていたらしい外販売をしていた4人が、折り畳んだ椅子付きテーブルを持って店に入ってきた。


「お疲れさまにゃー」

「今日は少し残ってしまいました」

「どのくらい残ったのにゃ?」

「双方2セットずつです。人が来る限り売ろうと思っていましたが、今帰った方を最後に、人気(ひとけ)がなくなりました。私たちで買っていっても良いでしょうか?」


責任を感じているのかな?と思った。


「欲しいなら買っても良いと思うけどにゃ、無理に買う必要はないにゃ。ユリが、何かに使うと思うにゃ。残っても問題ないにゃ」


話し込んでいると、みんながご飯を並べ始めた。

少しほっとしたように見える4人組も、テーブルのおかずを並べる手伝いをし、折り畳みテーブルはマーレイに渡し、片付けて貰っていた。


全て揃ったところで、ユリがみんなに声をかけた。


「希望者のみにお願いします。ご飯のあとで、箱詰めの残業があります。無理はしなくて良いです」

「あの、それは、私たちも参加できますか?」


お手伝い4人組だった。


「私はとてもありがたいけど、お時間は大丈夫なんですか?」


ユリは少し驚いて、質問を返していた。


「帰る方向はほぼ一緒なので、4人で帰れば何も問題ありません。むしろ、新しいお菓子を先に見ることができるとなれば、是が非でも参加したいところです」

「それでしたら、よろしくお願いします」


あー、4人も手伝うなら、私が抜けても大丈夫かな。

魔道工のリュックサックには、カンパニュラに教えたときの折りバラが、何個か入っているけど、ユリかリラにきちんと確認して色を合わせた方が良いと思うし、私一人で作るのは少し大変かもしれない。


私が考えている間にメリッサは帰ったらしく、「明日見に来ます!」と言いながら扉が閉まるのが見えた。


食事中、ユリが売り上げについて聞いていたけど、残りについては構わないと言っていた。むしろ予想より売れていて驚いたらしい。


「ユメー、なにー?」

「アイスが少し残ったと話しているにゃ」

「キボー、食べるー」

「今食べるのにゃ?」

「ぜーりー」

「コーヒーゼリーは、勝手に食べて良いと思うにゃ。サファイアゼリーはもう無いにゃ」

「わかったー」


キボウはサファイアクリームソーダゼリーが食べたかったらしい。


食事が終わると、ユリがティアドロップ型の箱を手に持って説明を始めた。


「時計回りに、プレーン(薄黄色)、ブルーベリー(紫)、イチゴ(薄赤)、南瓜(黄色)、紫芋(薄紫)、ローゼル(赤)、中心にココア(茶)を並べてください。箱の尖った部分には、クッキーの葉っぱを2枚置いてください」


そんなに大変そうではなさそうだし、やっぱり抜けようかな。私はユリに聞きに行った。


「ユリ、人いっぱいいるから、少し外しても良いにゃ?」


ユリは回りを見渡して、人が足りていると思ったらしい。


「大丈夫よ。そもそも残業だから、希望者のみよ」

「リラも連れていっても良いにゃ?」

「私は構わないけど、リラちゃんに直接聞いてくれる?」

「わかったにゃ」


私はリラに交渉に行った。


「リラ、折り紙で薔薇を作ろうと思うにゃ。手伝って欲しいにゃ。ユリの許可は取ったにゃ」

「はい。教えてください!」

「こっちに居ると邪魔になると思うにゃ」

「では、厨房の作業台で作りましょう」


リラと厨房に行くと、早速折り紙を始めた。どうやら、リラは作ってみたことがあるらしく、途中まではサクサク進めて折っていた。


「こんばんはー」「こんばんは」


なんと、シィスルとマリーゴールドがやって来た。リラから以心伝心で知らされたらしく、片付けをしてから来たらしい。


「ユメちゃん、最後のところがわからなかったので、教えてください!」


良く話を聞くと、ユリが渡した折り紙の本に、薔薇の作り方が載っていたらしい。しかし、最後の仕上げが図解ではわからず、今まで最後まで仕上がったことはなかったそうだ。


「わかる所まで折ってにゃ」


私はリラに、マドレーヌの色を確認し、手持ちの折りバラで足りない色の折り紙を渡した。

赤、黄色、紫、は有るけど、薄い赤、薄い黄色、薄い紫、茶色は折った手持ちがなかった。濃すぎる色は作り難いので、私が茶色を作り、3人には薄い色を作って貰うことにした。


私は茶色を折りながら、同時に薄い赤、薄い黄色、薄い紫も折る。3人の進み具合に合わせて、教えながら仕上げていた。私が教えるのに使っている折り紙は、シィスルとマリーゴールドが来る前に、リラが基本の折り筋の下折りだけしておいてくれたものだ。


「こ、こんなに大変だったなんて」

「慣れれば15分くらいで1花折れるにゃ」

「えー!」


えーと言いながらリラは時計を見て、40分程経っていることに気が付いたらしい。


一応7色揃ったので、私は箱を貰いに行った。


「ユリ、バラマドレーヌの箱を1つ欲しいにゃ」

「構わないけど、何に使うの?」


見せた方が早いよね!


「ちょっと待っててにゃ」


厨房に戻り、出来た折りバラを綺麗に詰め、店に持ってきた。


「見本に使うと良いにゃ!」

「ユメちゃん凄いわね! これ、作ったの?」

「リラたちに手伝って貰ったにゃ」

「たち?」


私は、リラがシィスルとマリーゴールドを呼び、3人で作ったと説明した。


特に感心して見ているイポミアが、私に詰め寄ってきた。


「ユメちゃん! 私にも教えてください!」

「いつ教えるにゃ?」

「明日はどうですか?」

「何時に来るにゃ?」

「では、ユリ様の試作のあとではいかがでしょうか?」

「それで良いにゃ」


ユリが不思議そうな顔で私に聞いた。


「ユメちゃん、リラちゃんたちは?」

「たぶんのびてるにゃ」


ユリは厨房を覗きに行ってしまった。


「イリスとマーレイも作ってみるにゃ?」

「皆さんが作るときに、ご一緒させてください」

「私も作ってみたいです」


明日は、ユリの試作のあと、みんなで折り紙をすることになった。


リラたちは、そのまま帰ったらしく、ユリがこちらに戻ってきて、イリスとマーレイとイポミアも帰っていった。


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