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クロネコのユメ  作者: 葉山麻代
◇子供ユメ◇

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夢の同行

花の水やりをしながら、キボウと話していた。


「持って行きたいものは、何かあるにゃ?」

「とまとー! べーこんー!」


ベーコンは持って行ったことがあるから、なんだろう?


「にゃー。スパゲッティにゃ?」

「すぱべっぴー!」


キボウに持って行きたい物を聞いたら、こう答えていた。あのスパゲッティが気に入ったらしい。

私はキボウより先に戻り、ユリの鞄に有るであろう2種類のスパゲッティを提供して貰おうと、掃除をしているユリに話しかけた。


「ユリ、ミートソースとカルボナーラは、まだあるにゃ?」

「まだ少しあるわよ。食べたいの?」

「キボウが、持って行きたいみたいにゃ」


ユリはすぐに出してくれた。各半人前が7つずつあるらしい。14個、全て渡してくれた。

これ、なんと半鶏丼と同じココナツの器に入っていた。誰に譲ることになっても大丈夫なようにと思って入れたらしい。

確かに、お店の食器にのっていたら、返して貰わないといけなくなるし、お店で食器が足りなくなってしまう。


「ユリ、ありがとにゃ! そうだにゃ、キボウのために何か作って欲しいにゃ」

「キボウ君のため?」

「私の頼みで、キボウはスマルトブルー男爵家に行ったのにゃ。その分の手数料にゃ」

「なら、何か考えておくわ」

「頼んだにゃ!」


ちょうどキボウが、水やりから戻ってきた。


「キボー、きたー」

「世界樹の森と城に行くにゃ?」

「わかったー」


キボウとでかけようとすると、ユリとソウが、ユリがキボウから誕生日に貰った木の実のことを話していた。


「そういえばユリ、誕生日にキボウに貰った木の実は何だか判ったの?」

「え? あー。そのままになっているわ」


あ、あれ、そのままなんだ。結界のことを私が聞いたように、ユリも世界樹様に聞いたら良いんじゃないのかなぁ?


「キボウと一緒に世界樹様のところに行って、質問すると良いにゃ」

「それしたら、1か月過ぎちゃわない?」

「今は、プラタナスのために時間の流れを変えているからにゃ。大丈夫だと思うにゃ」

「そうなの!?」


ユリは物凄く驚いているみたいだった。

私は、ユリに渡すのを忘れていた手紙を思いだし、慌ててポケットを探した。あ、有った。良かった。


「それとにゃ。これ、メイプルからの注文書にゃ。サンダーソニアの同意も得てるにゃ。渡すのが遅くなってごめんなのにゃ」


ユリは手紙を読んだあと、ソウに見せていた。


「どんなものが良いか、リサーチしたいわね」

「なら、みんなで行くか」

「いっしょ、いっしょー!」


メイプルたちには会えないと思うことを伝えると、ユリは小さいホワイトボードを持ってきた。「本当はお店で使う予定で買ったけど、オーパーツ過ぎてやめたのよ」と話していた。


ユリが着替えに少し時間がかかるというので、私も少しきちんとした服に変えてきた。ユリは、何を着て来る気だろう?


着替えてきたユリは、結婚式の時にソウの母と養母

が着ていたような、前側にだけキンキラの派手な絵の描いてある黒い着物だった。なんだっけ、黒留袖だったかな。

ソウは三揃えのスーツで、なぜかキボウは、麦わら帽子を被ってきた。


全員揃ったので、ユリが世界樹の森の前に転移させた。


「あ!今日、1日だったわ!」


ユリは忘れていたらしい。今日は結界の壁がなく、すぐに芝が見える。


「キボウ君、本当に、ご訪問しても時間過ぎない?」

「だいじょぶ、だいじょぶ」

「キボウ、俺も着いていって、良い?」

「だいじょぶ、だいじょぶ」


用事もない、4度目の私こそ、行っても良いのかな?


「私が一緒に行っても失礼にならないにゃ?」

「だいじょぶ、だいじょぶ」


キボウを信じて、着いていくことにした。


「ここー」


キボウは、案内をすると、さっさと行こうとするので、引き留めた。


「キボウ、待つのにゃ。今日のパスタにゃ」


今日も、リュックサックごと渡した。


「あ、キボウ、メイプルに会うなら、このボード持っていってくれる?」


ソウは、小さいホワイトボードをキボウに渡していた。


「わかったー」


キボウは行ってしまったので、そろそろ世界樹様がお出ましになるのかな?と考えていると、空気が重くなった。


前に立っていたユリがいきなり座り、頭を下げ・・・、その姿、どこかで見たような・・・。


私は意識が飛んでいた。

いつかどこかで見た、どこで見たのだろう?


ユリが世界樹様と話しているのは何となく意識の端で感じていた。でも全く動けなかった。


「ユメちゃん? ソウ?」


ユリに呼ばれ、私は現実に戻ってきた。


「2人とも、大丈夫?」

「大丈夫だ。少しボーッとしてた」

「大丈夫にゃ。ユリは何ともないにゃ?」

「私は何ともないわ。ソウ、メイプルさんのお返事はなんて書いてあったの?」


なんだか、ソウが慌てていた。珍しい。

ソウは内容をユリに説明し、書き換え、キボウに渡していた。


キボウはすぐに戻ってきたので、世界樹の森を出て、転移陣から城へ転移した。

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