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クロネコのユメ  作者: 葉山麻代
◇少女ユメ◇

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夢の懐夢

「○○いさん、○○ささん、○○○○○○○○」

「え、なに? 何て言ってるの?」

「○○○○○○○○○○○○○○○○」

「まって!」


汗びっしょりで目が覚めた。

長い夢を見ていた気がする。

誰だったんだろう? とても懐かしい人に、必死に呼ばれている夢を見ていた気がする。


それは思い出そうとするほど儚く消えていった。


起きてからもしばらくボーッとしてしまい、ハッと気がつくと、すでに13:00を回っていた。


急いで下に行くと、みんな忙しそうだった。


「ユメちゃん、大丈夫ですか? なんか疲れているみたいに見えますけど・・・」

「遅くなったにゃ。大丈夫にゃ」


リラに心配されてしまった。少しだけ引き継ぎをすると、リラは休憩に入ってしまったので、引換券のチョコアイスのお客がいっぱい来て大変だった。


「アイスはこれで終わりなんですか?」

「おやつの時間、たしか、1日のおやつの時間に来てくださいって、ユリが言ってたにゃ」

「そうなんですか? なら、あとで来てみます」

「又来ると良いにゃ」


たくさんのお客にアイスのことを聞かれて大変だった。

でもユリが何とかするって言ってたからなんとかなるんだと思う。


ソウとマーレイさんも来て、片付けを手伝ってくれた。


「ユメちゃん、休憩室のリラちゃんを、ご飯って呼んでくれる?」

「わかったにゃ」


ユリに頼まれたのでリラを呼びに行った。


「リラ、ユリがご飯って言ってるにゃ」

「はーい。今行きます」


リラと一緒に戻ると、ご飯ができていた。

小さいグラタンがあり、あ!これは昨日作っていたあれだ!と気がついた。


早速食べてみよう。

うん!おいしい!

みんなも美味しいと言っている。

リラによると、昨日作っていた分はすぐに売り切れてしまい、今日の朝、同じ数を作り直したらしい。

そうか、それでリラは早く仕事をはじめて、早く休憩に入ったのかな。


ハンバーグもおいしかった。

なぜかサラダの野菜がいつもより物凄く多かった。


食後に、ユリがゼリーをだしてくれた。

ユリとソウは半分こにして食べていた。



昼休みは部屋に戻り布団を片付けた。

ベッドの上で直しただけだけど、部屋がきれいになったように思えた。


ついでにリビングに寄ると、いつものようにパウンドケーキが用意されていたので、部屋に持って帰った。


朝見た夢について少し考えた。

もうほとんど覚えていないのに、懐かしさだけが心に残っていた。

あれは誰だったんだろう。


戻るとすでにみんないた。


「戻ったのにゃ」

「あ、ユメちゃん、黒猫クッキー要る?」

「欲しいのにゃ!」


黒猫クッキーを作ってくれるらしい。

みんな売ってしまってあまり残っていなかったので作ってくれるととても嬉しい。


おやつの時間になり、お客がいっぱい来た。

今日は自分で作るアイスの日らしい。

そうか、ユリが言っていたのはこれか!


ユリに言われた通りにアイスの材料を用意して、テーブルに持っていった。


説明はユリがするらしい。


「こちらに充填したらハンドルを回してください。15分ほどで出来上がります。ラムレーズンは出来上がってから混ぜてください」


「これ白いけど、イチゴアイスクリームになるの?」

「はい!だんだん桃色になってきれいですよ」

「へえ、たのしみだ」


ユリとリラは黒猫クッキーを作ると思うので、お店をみることにした。

少しだけ残っている黒猫クッキーを先に売ってしまおうと思う。


途中、ユリに呼ばれて厨房に行くと、黒糖フルーツパウンドケーキができたといわれた。

自分で切るか聞かれたので、ユリに切って欲しいと頼んでおいた。

自分で切るとまっすぐ切れないので、頼んだほうが美味しそうに見える。



「ユメ様、黒猫クッキーを売ってください」

「何個にゃ?」

「このテーブル全員お願いします」

「4個にゃ」

「おいくらですか?」

「決まってないにゃ。好きな値段で良いにゃ」

「ユメ様が決めるのではないのですね・・・」

「みんな勝手に払っていくのにゃ」


結局4人とも、1000☆払っていった。

みんなお金持ちだと思う。


焼けて冷めた黒猫クッキーをたくさんもらったけど、どんどん売れるので、追い付かないくらいだった。


今日はいつもよりもお客が早く帰るみたいだ。

たまに外に行って、外でも黒猫クッキーを売ってきた。


珍しく子供がいっぱいいた。

ついてきた大人が、子供たちに黒猫クッキーを売って欲しいというので、子供は200☆だと言って全員に売った。

大人は好きな値段と言うと、500☆払ってくれた。


お店に戻ると、ユリが外に行くのが見えた。

戻ってきたユリは黒蜜を外に持っていくみたいだったので、袋に黒蜜を詰めて渡した。


今日最初から持っていた黒猫クッキーは15枚だったけど、まだ30枚くらいある。

なのに、リラのクッキーは先に売り切れた!

あと15枚売らなければ!


「ユメちゃん、少し休憩する?」

「黒猫クッキー売るにゃ!」

「わかったわ。疲れる前に休憩してね」


ユリに声をかけられたけど、クッキーを売るのだ!


今居るお客全員に売って、残り15枚になった。

よし!今日の分全部売った。


15枚は、自分で食べたり、誰かにあげたり、緊急用なのだ。


リラに聞いたら、黒猫クッキーは200枚作ったらしい。

200枚売ったといったら驚いていた。

お店を見てくれるというので、少し休憩することにした。


自分の部屋に行かずに休憩室で休むことにした。

ボーッとしながら少しすると、マーレイさんが荷物をおきに来たので、お店に戻ることにした。


厨房ではご飯ができていて、運ぶだけになっていた。

最後のお客は遅く来たらしく、いつもより少しだけお店を閉めるのが遅くなった。

ユリはお休みのお知らせを外に貼っていた。


急いで片付けて、みんなでご飯にした。

でもユリは、ご飯の前に挨拶した。

アイスクリームは今日までで、明日からお店は少しお休みになるらしい。

ユリは謝っていたけど、誰も責めなかった。


わたしも、又手伝うと約束した。

確かに忙しかったけど、楽しかったのだ。

なにより、みんなで一緒なのが良い。


ユリは最後にお店の残りのパウンドケーキを、リラに渡していた。

次は、11日の月の日(つきのひ)かららしい。


部屋に戻ってから考えた。

お店お休みで、何をすれば良いんだろう?

ユリはなにか用事があるのかな?


ソウのところに行って、少し聞いてこよう。


コンコンコン。


「ソウ居るにゃ?」

「ユメか、入って大丈夫だぞ」


ソウの部屋に入ると、ソウは机で何かしていた。


「聞いても良いにゃ?」

「なんだ、どうした?」

「お店休むのは、なにか用事があるにゃ?」

「無いぞ。働きすぎたから、遅めの夏休みだ」

「どこもいかないにゃ?」

「予定はしていないけど、出掛けたいとは思ってるぞ」

「何処に行くにゃ?」

「少し里帰りしようかと思ってるけど、まだユリに言ってない」

「ソウだけ帰るにゃ?」

「いや、ユリを連れていこうかと思ってる。ユメはどうする?一緒に行くなら歓迎するぞ?」

「一緒に行っても良いにゃ!?」

「当たり前だろ」

「考えてみるにゃ・・・」

「とりあえず、明日は何処にも行かないから、ゆっくり寝ると良いよ」

「ありがとにゃ」


部屋に戻って色々考えているうちに、眠ってしまったらしい。

次回は10月24日13時の予定です。

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