夢の爆音
7時頃、朝ご飯を食べながら今日の予定を話した。
「今日も早めに行ってくるにゃ」
「何時頃出る予定?」
「8時過ぎたら行くにゃ」
「それまでにサクラムースを用意しておけば良いのね」
「ありがとにゃ!」
カンパニュラの学習時間を邪魔せずに訪問するには、9時前に行けば良いとわかった。
私は、朝ご飯の洗い物を引き受け、ソウは仕事のため部屋に行き、ユリは厨房へ行くために階段を下りていった。
「キボー、てつだう?」
「ありがとにゃ。洗ったお皿を拭いてにゃ」
「わかったー」
キボウと2人で片付けたので、早く終わった。
私は部屋に戻り、キボウはリビングに居ると言っていた。
そろそろ出掛ける用意をしないとと思い、リビングのキボウに声をかけようと部屋を出ると、なんと、下から大きな音が聞こえる。
バンッ!バンッ!バババンッ!
爆竹? まさか鉄砲じゃないよね? ユリは大丈夫なの!?
私は慌てて階段を下りた。
「何があったにゃ!?」
「ユメちゃん驚かせてごめんなさい。ポップコーンを作っているのよ」
ガス台の前のユリが、大きな鍋を持ちながら答えていた。
「ユメちゃんごめんなさい、私が頼みました」
「リラは作り方教わっているのにゃ?」
「はい」
ユリがリラになにかを教えているのなら仕方ない。
それにしても、ポップコーンって、作るとこんなにうるさいのか。
「さあ、できたわ。こんな感じよ」
ユリが呼び掛け、鍋のふたを開けた。中にはその空間いっぱいにポップコーンが詰まっていた。
いったいどれくらいの種をいれると、こんなにいっぱいのポップコーンができるんだろう。
「あ!これ知ってる!」
リラが声をあげた。
へえ知ってるんだぁ。
ユリは大きなざるに、ポップコーンを広げていた。
「あら、知っていたのね」
「あ、いえ、作り方は初めて知りました。こんなに簡単だったんですね。って、どうしてこうなるんですか?昔試したけど、こうならなかったんです」
「試したって、普通のコーン?」
「え、もしかして専用のがあるんですか?」
「料理に使うコーンと、ポップコーンのコーンは、品種が違うのよ」
「そんな理由だったのかぁ。あああああ」
リラが打ちのめされている。
へえ、コーンの種類が違うのか。単に乾燥させれば良いのかと思ってた。リラもそう思ったのかな?
「出来上がってすぐ、塩を振れば良いわ」
「はい。他に甘いものは何かありませんか?」
「キャラメルポップコーンでも作る?」
それはなに?
「糖化クルミとか、甘いヒナアラレみたいなのですか?」
「その理解で合っているわ」
私も一緒におとなしく見ていた。
ユリがフライパンでなにかを作り、さっき作ったポップコーンを混ぜていた。
「マーブル台にあけるから、適当に離してくれる?」
良し、手伝って分け前を貰おう!
「はい!」
「手伝うにゃ!」
私は新しいゴム手袋を持ってきて手伝った。
「熱!」
「ユリ様は無理しないでください」
「ユリも手袋したら良いにゃー」
ユリは熱いものを触るのが苦手なのに、素手のまま参加しようとしていた。
「いつ食べられるのにゃ?」
「ユメちゃんごめんなさい。これ、賞味期限が4年過ぎているのよ」
「にゃ!?」
え、じゃあ、なんで作っているの? どうしてここまで作ったの?
「キボー、きたー」
「キボウ、どこに行っていたのにゃ?」
「はたけー」
機嫌の良さそうなキボウは、手を洗いながら答えていた。
「キボウ君、とうもろこし植えたの?」
「うえたー」
「ねえキボウ君、これ、食べられる?」
「だいじょぶー」
なんでキボウに確認してるの?
「何か呪文を唱えていたわよね?何の呪文?」
「ときもどしー」
ときもどし? もしかして、時戻し!?
「コーンの時を、植えて芽が出るように戻したの?」
「あたりー!」
さすが、キボウ凄い。それなら食べられそう?
「食べてみて良いにゃ?」
「はい、どうぞ」
ユリの許可が出たので、リラとキボウと三人で食べてみた。
「美味しい!なにこれ!」
「美味しいにゃ。初めて食べたにゃ」
「おいしー、おいしー!」
甘くてサクッとして、初めての味!
ポップコーンは、しょっぱいものだと思っていた。これは甘くて香ばしくて美味しい。
「あと引く味!」
「止まらないにゃ」
「おいしー、おいしー」
3人で食べたので、あっという間に無くなった。
「それでどうする?種、買ってくる?」
「おいくらですか?」
「1kg で、500☆くらいね。使う量はさっき見たでしょ。しっかり食べる感じでも、一人前20~30gくらいよ。こちらにもあるなら、それを購入すれば良いし、とりあえず買ってきて使えば良いわ」
「では、お願いします!」
ユリとリラが話しているところに、ソウが来た。
「なんか、キャラメルポップコーンみたいな匂いがする」
「今食べたにゃ!」
「俺の分は?」
「もう無いにゃ」
「なーい、なーい」
ショックを受けているようなソウに、ユリが呼びかけ、頼んでいた。
「作り方を教えるのに少しだけ作ったのよ。もう種がないから買ってきてくれると嬉しいんだけど」
「わかった。どのくらい買ってくれば良いの?」
「とりあえず、20kgくらい」
「了解」
ソウが買ってくるらしい。




