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クロネコのユメ  作者: 葉山麻代
◇子供ユメ◇

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夢の食事

カンパニュラの先生は、ブルー公爵の姉であり、現在は侯爵夫人らしい。名前はジムナスターだ。私の事は詳しく知らないらしく、普通に挨拶してきた。わざわざ言うこともないと思い、私も面倒なことは告げずに簡単に挨拶し、カンパニュラの侍女たちに、皿とカトラリーの用意を頼んだ。紅茶も一緒に出してくれるらしい。


「ユメさま、キボウさま、きょうのおやつはなんですか?」

「色々持ってるにゃ。でも、さっきサンダーソニアに、クレープが食べたいと言われて、今作ってもらってきたのにゃ」

「サンダーソニアおねえ、いえ、おばさまもおめしあがりなのですか?」


カンパニュラは、先生をちらっと気にしながら言い直した。

普段は、サンダーソニアお姉様と呼んでいるが、正確には叔母である。


「出かける前に、渡したのにゃ」

「ユメさま、同じものをおねがいします」

「わかったにゃ!」


私は侍女とメイドたちに、リラに作って貰ったクレープを渡した。


「ユメ様、残りの3つは、どうされますか?」


王妃に持って行くかと言う意味で聞かれた。


「足りないけどにゃ、皆で食べて良いにゃ」

「ありがとうございます」


2つを侍女たちで分け、1つをメイドたちで分けるらしい。

昨日もクレープだったので、部屋で食べちゃって良いと思う。


テーブルに戻ると、皿に盛り付けて運ばれてきた。


「ユメ様、こちらはなんでございますか?」


カンパニュラの先生の、ジムナスターが質問してきた。


「中に苺が入ったクレープにゃ」

「この、紙のような物ごと頂くのでございますか?」

「紙みたいな部分がクレープにゃ」


ジムナスターは驚いたらしく、少し固まっていた。


ユメとキボウが手をつけると、カンパニュラとジムナスターも、ナイフを持って食べ始めた。


「いちご、いちご!」

「キボウさまは、いちごがおすきなのですか?」

「いちご、おいしー!」


キボウとカンパニュラで、会話が成立しているらしい。


「これは、苺なのでございますか!?」


カンパニュラの会話を聞いてジムナスターが驚いていた。

成る程、この人も、向こうの苺を初めて食べた人なのか。


「カンパニュラ様、大変楽しみにされていた理由がよくわかりました。これは本当に素晴らしいおやつでございますね」

「いつもユリさまが、おいしいおやつを作ってくださって、ユメさまとキボウさまがとどけてくださいます」


カンパニュラは、ニコニコと答えていた。


「今日のは、リラが作ったのにゃ」

「リラちゃんですか? わたしはおぼえていないのですが、おしろにいたこともあるそうですね」

「ユリが居なかった間に、各地を回ったらしいのにゃ」


「あの、そのリラちゃんとは、平民の料理人の少女でございますか?」

「そうにゃ!各侯爵家を回ったと思うにゃ」


ジムナスターは思うところがあったのか、その後黙りこんでしまった。


カンパニュラの勉強は、今日の残りは午後かららしい。

ジムナスターは帰り際に、カンパニュラを誉めていた。適度な会話と美しい所作で食べ方の合格点が出たようだ。

おやつを食べ、少し休んでから家に戻ることにした。


「又来るにゃー」

「おまちしてます」


転移で家に戻ると、全員揃っていた。なんと店のテーブルには、勉強しているのかシィスルとマリーゴールドまでいた。

ユリに、おかえりなさいと声をかけられ、リラにクレープのお礼を言っておいた。


なにか手伝うことあるかな?と思い、キョロキョロしてみたけど、みんな違うことをしているので、何を手伝えば良いかわからず、ユリに聞こうと思ったら、ユリはお店にいっていた。


「リラ、なにか手伝うことあるにゃ?」

「レモンマーマレードを、作ることになりました。レモンを刻むか、瓶を洗うかですかね」

「瓶、届いたのにゃ?」

「ホシミ様が、ジャムの瓶とお寿司の入れ物を買ってこられたみたいですよ」


昨日の今日で、揃えたらしい。ソウは仕事が早いなと感心した。


瓶をソウに聞いて洗っていると、誰か着たらしい。一緒に洗っていたソウが、私に様子を見にいってくれと頼むので、お店を覗きにいった。ソウが行くと、怖がる人が多いかららしい。


又、ユリに平伏している人が来ていた。

ユリは手早く説明し、白衣の有無で見分けるように促していた。


「以前と同じ器でよろしいのでしょうか?」

「はい。同じ持ち帰り用の鶏丼を販売するので、あるだけください。とりあえず150位有ると、販売が開始できます」

「小皿もお使いになられますか?」

「それも購入するので、相応の代金を請求してください」

「かしこまりました。本日、器を500、小皿を1000お持ちしております。こちらで納品させていただきますので、どなたか立ち会いをお願い致します」

「私が行くにゃ!」


倉庫の立ち会いを申し出て、内倉庫に連れていった。

以前は中に入れなかったのを、少しだけ入れるように変えたらしく、中まで荷物を運んで貰った。


「久しぶりにゃ。なんで来なかったのにゃ?」

「再開されて、ランチ営業を取り止めになったと伺っております」

「軽食は出してるにゃ」

「おやつだけではないのですね」

「軽食、食べるにゃ?」

「あまり軽いものだけだと、お腹が空くので」

「働いている人、そうだにゃー。ちょっとユリに聞いて来るにゃ」


私はユリに、今の会話を説明し、なにか出せないか聞いてみた。


「皆のお昼ご飯と同じ、とろけるチキンカレーなら、出しても良いわよ。鞄に入れる保存食用に多めに作っているから、食べて行ったら良いわ」

「伝えてくるにゃ!」


急いで、外回りで内倉庫に戻り、声をかけた。


「ユリが、皆のお昼ご飯と同じ、とろけるチキンカレーを出せるって言ってるにゃ!」

「本当ですか!? 是非、ご相伴に預かりたいです!」


はっと気づき、内回りで倉庫から出て、ユリに伝えにいった。


「ユリ!喜んでたにゃ!食べたいって言ってるにゃ!」


ユリに伝えると、用意すると言っていた。


「ユメちゃん、マーレイさんがサラダの用意をしているから、2人前増やすように伝えておいてね」

「わかったにゃ!」


マーレイにサラダを増やしてくれるように頼み、ココナツ食器店の二人に、店のテーブルで待つように伝えた。



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