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クロネコのユメ  作者: 葉山麻代
◇子供ユメ◇

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夢の取出

イリスがドアを開けると、お客がたくさん入ってきた。

座る人が落ち着くと、座らずに買うだけの人の列が少しずつ入ってくる。

最近は、目的別に2列で並んでいるみたい。


「虹のミルクレープは、2人前か4人前、お一方1点までです。4人前は限定50台、2人前は限定40台限りです。お店のサービスは、80人前ご用意がございます」


メリッサが、並んだ列に告げていた。買うだけの人はメリッサに任せ、私とイリスは座って注文する人の対応をしている。


「黒猫様ー! お久しぶりです。又来ることかできました!」

「良かったにゃー」


「ユメ様、開店記念日のお菓子をお願いします」

「要らない人以外には出すのにゃ。先に何か食べないのにゃ?」

「それなら、ユメ様スペシャルお願いします」

「スープ、おすすめにゃ。熱いのと冷たいのがあるにゃ」

「なんのスープですか?」

「ブロッコリーのポタージュにゃ。上にのってるカリカリのパンが美味しいにゃ」

「それもお願いします。私は冷たいので」

「私は熱いので」

「スープは熱いのと冷たいのを持ってくるにゃ」


注文をとったあと、イリスにまとめて貰った。


「冷たいスープ9、温かいスープ6、ユメスペシャル5、ポテトグラタン4、カボチャグラタン3、チキングラタン1、トースト2、何かジャムを2つお願いします」


イリスが注文を通したあと、空のカップを配った。


「熱いお茶のご希望は、お声がけください。冷たいお茶は、テーブルにピッチャーがございますので、ご自由にお飲みください。その他の飲み物は、ご注文にて承ります」


「おー。でも、ジンジャエール頼めるかな?」

「ジンジャエール、お待ちくださいなのにゃ」


簡単な飲み物は、自分で作ったりマーレイが作ってくれたりして、すぐに出した。ココアやアイスココアは、ユリかシィスルに頼まないと作れない。二人は凄く忙しそうなので、面倒な飲み物の注文がなくて良かった。


トーストができたと呼ばれたので取りに行くと、ジャムトーストだったので、イリスに聞いて持っていった。


「トーストお待たせなのにゃ」

「お!何ジャムですか?」

「たぶんにゃ、りんごジャムとレモンジャムだと思うにゃ」

「それは珍しい!」


以前ユリが言っていたけど、この国にもジャムはあるけど、マーマレードは無いみたいで、レモンマーマレードはとても珍しいらしい。柑橘類の皮を入れて作るジャムは、マーマレードって言うらしいけど、必ず聞き返されるので、レモンのジャムだと説明している。


軽食を食べ終わった客に確認してから、今日のお菓子、虹のミルクレープを持ってきた。

普段と違う皿盛りのデザートに驚く人が多く、みんな喜んでいた。


ジャムトーストのお客は、レモンのほろ苦い感じが気に入ったらしく、持ち帰れないのかと聞かれた。

ジャムはすぐには作れないからユリに聞いておくと返事をすると、期待してます!と言って、帰っていった。


あ!レモンマーマレードで思い出したけど、レモンの花が咲いたってユリに教えるの忘れてた!



「ユメ様ー、ユメ様ー」

「なんにゃ?」

「今日、持ち帰り可能な軽食はありますか?」

「グラタンが3種類あるにゃ」

「グラタンかぁ。焼かないと食べられないんですよね?」

「その通りにゃ」

「すぐ食べられる持ち帰りはないですか?」

「たぶん、茶碗蒸しはあると思うにゃ。夏箱か冬箱は持ってるにゃ?」

「はい!馬車に、真冬箱を含めて、3種類持ってきてきます!」

「何個必要にゃ? 少しなら、ユリに確認しなくても持ってこられるにゃ」

「3人分お願いします。あ、できれば、冷たいので!」


私が個人的に受け取っている分から渡してしまおう。

冷たい茶碗蒸しは、いくつか予備がある。


茶碗蒸しを渡すと喜んで帰っていった。すると隣の席からは、持ち帰り可能なお菓子で、5人分あるものはないかと聞かれたのだ。

仕方なく、ユリに聞きに行くことにした。


「ユリ、ケーキは何があるのにゃ?」

「割りとなんでもあるわよ。鞄の中の売ったことがあるケーキは、どれでも売って構わないわ」


ユリは、首にかけている指輪を渡してくれた。

鞄に変えて中を見ると、結構たくさん入っている!


「にゃ!ポテロンがあるにゃ!」

「ユメちゃん用に残しておいて良いわよ」

「ありがとにゃ!」


ポテロンを5つ持ってお客のところに行くと、即決だった。

それを見て、横の席でイリスが慌てていた。


イリスはユリの許可をとってきたらしく、鞄を見ていた。

イリスは中身を取り出せるわけではないけど、なんとなく、中身はわかるらしい。


「ユメちゃん、鶏丼がたくさん入っています!」

「ユリからは、お菓子しか聞いてないにゃ」

「お菓子は、肉球マシュマロを取り出していただけますか?鶏丼は自分で聞いてきます」

「売って良さそうなお菓子は、私の鞄に移しておくにゃ。イリスも勝手に出したら良いにゃ」

「ユメちゃん、ありがとうございます」


イリスはユリに聞きに行って、鶏丼はすすめないように言われたと言っていた。私とイリスが鞄のところに居たせいで、メリッサに注文した人が居たらしい。


「ユメさま、ホットドッグ取り出してください」

「ちょっと待っててにゃ」


メリッサを待たせて、ユリに確認に来た。


「ホットドッグ売っても良いのにゃ?」

「他に、調理不要の持ち帰り軽食が思い付かないわ」

「茶碗蒸しとかにゃー、半鶏丼もあると思うにゃー」

「あー、そうね。ユメちゃんとイリスさんに任せるわ」


ユリはどうも忙しいみたいで、私とイリスに任せると言い出した。

メリッサにホットドッグを渡したあと、イリスに伝えた。


「イリス、鶏丼何個にゃ? ユリから、私とイリスに任せるって言われたのにゃ」

「そうなんですか! 鶏丼は1つで良いです。お土産だそうです」

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