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クロネコのユメ  作者: 葉山麻代
◇子供ユメ◇

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夢の折紙

参加者に大人が多いので、カンパニュラにはテーブルに移ってもらった。


「前に教えた『鶴』は、折れるようになったにゃ?」

「はい!」


カンパニュラが返事をし、その他のメンバーも頷いていた。


「テーブルなしで、空中で折れるようになったにゃ?」

「はい!」


カンパニュラは返事をしたけど、細かく首を振って、無理だとアピールしている人が多かった。


「空中で折れる人にだけ教えるにゃ」

「あ、あの、できるところまでご一緒させていただいてもよろしいでしょうか?」

「構わないにゃ。空中で折れないと仕上がらないのは、2個目に作る花の最後の方にゃ」


私は立体の花を教えることにした。まずは比較的簡単な向日葵(ひまわり)を。


「15cmそのままの大きさの黄色と、1/4サイズの茶色を用意するのにゃ。なければ、好きな色で良いにゃ」


黄色の折り紙と茶色の折り紙を、対角線に跡をつけ、綺麗に中心に重なるように糊付けする。

私はスティック糊を出し、貼りつけて見せた。


「まあ!なんと便利な!」

「ユメ様、こちらの棒状の糊は、注文することは可能でございますか?」

「スティック糊にゃ? ソウに頼めば買ってきてくれると思うにゃ」


何だか関係無いところを、皆が注目していた。


「カンパニュラに渡した中に、入ってなかったのにゃ?」

「あ!ございました!何に使う物かわからず、しまってございます」


急いで取りに行ったらしく、侍女に指示されたメイドが走って戻ってきた。

室内に立っている女性騎士が、珍しくメイドに声をかけていた。


「ユメー、キボー、なーい」

「キボウのは家にあるのにゃ?これを使って良いにゃ」

「いえー、あるー」


私はキボウにだけ貸し、皆は、カンパニュラのを使っていた。向かいに座っているので、貸すには遠すぎるのだ。


立体向日葵は、鶴が折れるなら、折方自体はそんなに難しくない。

最後に広げるところだけ思いきりとコツがいる。


私は少しゆっくり教えながら折り、隣のキボウは違うものを作っていた。


手順は多いけど、難しい所はさほど無いので、ほぼ全員が、開く直前まで折ることができた。


「ここまで折れたら、あとは開くだけにゃ」


少しずつ引っ張り出すようにして、花びらを広げていった。


「うわぁ」「凄ーい」「な、なんで」


花が開いていくと、段々向日葵らしくなり、みんなの歓声が上がった。


「うわー!」

「おはなになったー!」

「おはなー、おはなー」


「みんなも開いてみてにゃ」


思い切りが良すぎて、破った人が一人いたけど、ほとんどの人が、綺麗な花になった。


「ユメさまー! できましたー!」


カンパニュラの向日葵が綺麗に開いていた。


外側を紫、真ん中を白にしたサンダーソニアが、できたとカンパニュラに見せていた。


「サンダーソニアおねえさま、ちがうおはなみたいで、おもしろいです!」

「カンパニュラ様、どこかに飾りますか?」

「このまま、みていただきたいですね」


誰とは言わなかったけど、メイプルとアネモネにだろうと思われる。

少し切なくなって、私はみんなに聞こえないようにキボウに聞いた。


「キボウ、カンパニュラが作った花の折り紙を預かって、メイプルに見せてこられるにゃ?」

「いーよー」


キボウが頼まれてくれるらしいので、私は話を切り出した。


「カンパニュラ、キボウに頼んで、見てもらってくるにゃ?」

「いいのですか!?」

「いーよー!」


側にいた侍女らしき女性が、小さな箱を持ってきた。


「カンパニュラ様、こちらに入れられてはいかがでしょうか?」

「ありがとう」


横にいたサンダーソニアが、手紙を書いて添えていた。



「ユメ様、お持ちになられたお菓子を、お出ししてもよろしいでしょうか?」

「お茶の時間にゃ?」

「はい」

「頼んだにゃ!」


紅茶と一緒に、オムレットが提供された。

ユリはそのまま噛っても良いと言っていたけれど、カトラリーを添え、皿にのせられていた。


ナイフで切ると、柔らかく、スッと切れた。

一口に分けて食べてみた。なんだか懐かしい気がする味のお菓子だった。


「この中身、もしや、バナナではございませんか!?」

「バナナが入ってるにゃ。ユリが説明してくれたにゃ。外側から、クレープの皮、カスタードクリーム、ケーキのスポンジ、生クリーム、バナナなのにゃ。名前は『オムレット』にゃ」


「バナナとは、このような美味しいものだったのでございますね」

「ユメさま、とてもおいしいです!」


あれ?もしかして、このバナナって、キボウが採ったものかな?


「キボウ、このバナナは、キボウが収穫したバナナにゃ?」

「わかんなーい」


でも、今までバナナが大量に出てきたことはなかったし、お店でも見かけたことがないから、ソウが買ってきたものではないと思う。それに、確かにとても美味しい。


少し謎なまま、おやつが終了した。

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