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クロネコのユメ  作者: 葉山麻代
◇子供ユメ◇

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夢の配送

朝ご飯の時、ユリがソウと話していた。


「今日からメリッサさんが来るわ」

「リラの姉的存在だっけ?」

「反応とか似ているのよ。うふふ」


そうか。リラのお姉さんのような人なのか。

私はどうしたら良いんだろう? 作る方を手伝えば良いのかな?


「ユリ、今日は何を作るにゃ?」

「変わったものは、イチゴ味のプリンと、コロコロコロッケよ」

「それなんにゃ?」

「以前コロッケを出したときに、賄いのみに出した、チーズ入りの丸いコロッケ覚えていない?」

「覚えてるにゃ!」


ユメは思い出した。たしか、 プチトマトよりは大きいけど、かなり小型の丸いコロッケだった。


「なーにー」

「お芋を蒸かして潰して衣をつけて油で揚げた料理よ」


キボウの質問に、ユリが的確に答えていた。


「おいしいー?」

「美味しいにゃ!」「旨いぞ!」


ソウと被った。


「美味しいと思うわよ」

「キボー、たべるー!」


キボウは楽しみらしい。私も楽しみだ。ユリのコロッケは久しぶりな気がする。よし!コロッケを手伝おう。


「ユリ、手伝うなら何時に行けば良いにゃ?」

「あ、ユメちゃん、お使いを頼まれてくれないかしら?」

「どこに行くにゃ?」


何か届けるのかな?


「カンパニュラちゃんと、サンダーソニアちゃんに、アイスクリームを届けて欲しいのよ」


南瓜のアイスかな? いつ作ったんだろう?


「もうできてるのにゃ?」

「一応、13人前あるわ。キボウ君、世界樹様に持っていくのは、5人前で足りる?」

「だいじょぶ、だいじょぶ」


「ユメちゃん、王宮に持っていくのは、8人前で足りそう?」

「大丈夫だと思うにゃ。足りなかったら、私は食べないにゃ」

「もしそうなったら又作るわね。南瓜と紫芋のアイスクリームよ」


二種類の盛り合わせらしい。

ふと、ソウを見て思い出した。ソウもユリの作ったアイスが大好きだったはず。


「ソウの分は良いのにゃ?」

「先に渡したわ。ふふふ」

「にゃー。恨まれなくて良かったにゃ。にゃはは」


ソウは「別に食べられなくても恨んだりしないぞ。残念だとは思うけど」と、ぶつぶつ言っていた。

去年、いや、5年前か。5年前ほどは、アイスクリームを何がなんでも食べたいとは思わなくなった。あの頃は、なんであんなに食べたのかなぁ?と、思い出して笑ってしまった。

私が一人で笑っていると、顔を覗き込んだキボウが心配そうに聞いてきた。


「ユメー、かみさまー、いくー?」

「アイス持って行くから、私もついて行くにゃ」


ユリは、キボウのために真冬箱を用意していたけど、私が全て預かり、魔道具の鞄に入れた。


「行ってくるにゃー」

「行ってらっしゃい」

「気を付けてなー」

「キボー、いってくるー」


そのままキボウが、世界樹の森の入り口まで私を連れて転移した。


「キボウ、鞄ごと持っていくと良いにゃ」

「いーのー?」

「そうしないと、アイスが溶けるにゃ」

「わかったー」


相変わらず、何も無いようにキボウは幕を通り抜けていった。魔道具のリュックはキボウには少し大きいようで、後ろ姿は、リュックが歩いているようだった。


前回と同じように、キボウはすぐに戻ってきた。


「ユメー、これー」


キボウから渡されたのは、手紙のようだった。

なんと宛名に私の名が書いてある。


「誰からにゃ?」

「めーぷるー」

「キボウ、ありがとにゃ」


早速読んでみると、キボウが魔道具のリュックを背負っていたことで、話を聞いてみると、私が来ているとわかったらしい。


アイスが溶けないようにリュックを貸したことや、アイスの差し入れを作ったユリへの感謝が綴られていた。


「キボウ、重くなくても、大きすぎて大変にゃ。リュックは、私が背負うにゃ」

「わかったー」


キボウからリュックを受け取り、今度は私の魔力で、城まで転移した。いつものソウの部屋だ。


ベルを鳴らすと、知らないメイドとシッスルが来た。


「ユメ様、キボウ様、いらっしゃいませ」

「シッスルも、ベルで呼ばれるのにゃ?」

「本日は、お隣のお部屋でお勉強をされていらっしゃいます」

「それで、ユリと思われたのにゃ?」

「はい。そのようでございます」


カンパニュラから、見てくるように頼まれたらしい。


「ユリは来てないけどにゃ。ユリのお使いで来たにゃ」

「お部屋を移動されますか? こちらにお呼び致しますか?」

「今行っても大丈夫なら、私たちが移動するにゃ」


シッスルに部屋に案内してもらった。

本がたくさんある部屋で、ここは書庫らしい。


「お茶をしても大丈夫にゃ?」

「あちらのテーブルでしたら、ご用意できます」


窓のそばにあるテーブルに、恐らく夏板と思われる四角い物の上にのったポットが見えた。


「ユリから、アイスクリームの配達を頼まれたにゃ」

「どなたまでお呼び致しますか?」

「預かったのは、」


鞄に手を入れてみると、9個入っていた。


「キボウ、4個しか置いてこなかったのにゃ?」

「アイスクリームー、とけるー。たねー、むりー」

「にゃー。アイスは溶けちゃうから、種に使えないって意味にゃ?」

「あたりー!」

「キボウは食べなかったのにゃ?」

「キボー、みんないっしょー」

「ここで食べるのにゃ?」

「あたりー!」


恐らくユリも、種の分は考えておらず、キボウの食べる分として5個と数えたと思う。でもキボウは、最初から城で食べる予定だったらしい。


「私とキボウの分を含めて、9個あるにゃ。食べる人は、そっちで決めてにゃ」


7個の分配は、カンパニュラ、サンダーソニア、国王、王妃、シッスル、サンダーソニアの侍女、厨房に1つという配分になったらしい。


サンダーソニアの侍女が、ものすごく喜んでいた。普段は何人かいるのに、今日に限って1人だったらしい。ちなみに、シッスルは、キボウからの指名だ。


勉強が一段落ついたらしく、カンパニュラが、ニコニコしながら現れた。


「ユメさまー!ユリさまのアイスクリームをおもちくださり、ありがとうございます」

「南瓜と紫芋にゃ。美味しいと思うにゃ」

「とってもたのしみです!」


あとから来たサンダーソニアが、キボウにもお礼を言っていた。


「キボウ様、いつもありがとうございます」

「よかったねー」


書庫のテーブルについたのは、私とキボウと、カンパニュラとサンダーソニアだけで、シッスルとサンダーソニアの侍女は、向こうで食べたと言ってすぐに戻ってきた。結局、皆に分けてきたらしい。


もう少したくさん持ってこないと、シッスルがしっかり食べられないとユリに伝えておこうと思った。シッスルには、たくさんお世話になっていると思う。


「お野菜がお菓子になると、お野菜だったことが、信じられなくなりますね」

「おやさいのおかし、おいしいです!」


サンダーソニアと、カンパニュラにも、大好評だった。


「よかったにゃー」

「よかったねー」


二人から、過去に食べたアイスの種類を聞かれ、思い出したものだけ話した。それでも15種類くらいしか言えず、次会うときに、全種類ユリに聞いてくると約束した。


「そろそろ帰るにゃ」


私が帰ると宣言すると、引き留めようとしたカンパニュラを、サンダーソニアが止めていた。


「是非又いらしてくださいませ」

「またきてください」


少し泣きそうなカンパニュラに、キボウがニコニコしながら世界樹様のクッキーを渡していた。


「またくるー!」


その掛け声と同時に、キボウが私を連れて、自宅のソウの部屋に転移した。


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