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クロネコのユメ  作者: 葉山麻代
◇少女ユメ◇

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夢の偶像

起きてリビングに行くと、黒糖フルーツパウンドケーキが、2切れ置いてあった。

一緒にいつも使っているクロネコの絵のついたカップが伏せて添えてあるので、食べて良いと言うことだと思う。


冷蔵庫から牛乳を持ってきて一緒にたべた。

この牛乳も、ソウが買ってくるらしい。


今日は、手伝うならお昼ごはんの時間から来てね。とユリは言っていたから、今すぐ行ったら早いのだと思う。時計を見ると12:04だった。


特にすることもなくて、広いリビングをゴロゴロゴロー ゴロゴロゴローと転がってみたけど、あまり面白くなかったのでやめた。


部屋のすみに数冊あった本をめくってみると、お菓子の本だった。

作り方が書いてあるらしい。

次の一冊の本は、お料理の本だった。

知っているような知らないような料理がたくさん載っていた。

もう一冊ある本は、お花の本だった。

表紙に「ハーブ」と書いてある。


絵を見るだけでも面白かった。

ユリに頼んだらこの本に載っているお菓子や料理も作ってくれるかもしれない。


そういえば、ソウは青い花のクッキーを持っていったのかな?


ふと時計を見ると13:42だった。

もう行っても良いかな?


階段を降りて休憩室からエプロンを持って来た。

さっと かっこ良く被って着ようと思ったのに、手を出す場所がない!


「おはようにゃ、あれ?手はどこにゃ?」


「ユメちゃん大丈夫ですか、一旦脱ぎますよ?手はここです」

「ありがとにゃ!」


すぐにリラが来て、エプロンを直して着せてくれた。


良い匂いがする。


「黒蜜作ってるにゃ?」

「200個作った黒蜜、もう残り32個しかないのよ」

「みんな黒蜜大好きにゃー!!」


黒蜜は偉大なのだ!


そのあと、すぐに全員揃ったので、みんなでお昼ご飯を食べた。


マーレイさんは、仕事のみんなに昨日もらった黒蜜を分けてあげたらしい。

リラが小声で、私がお茶にいれると美味しかったと教えたの。と、言っていた。


ユリは黒蜜が無くなったら又くれるらしい。

そして、今だけ500☆で売るみたいだ。

ユリは頭が良いなぁ。


外から、こんにちは。と声が聞こえた。

冬箱のお店の人たちだった。


「遅くなり大変申し訳ございません。恥を忍んで教えを乞いに参りました」


ユリに何か聞きに来たらしい。

色々話ながらユリに謝っているようだった。


ユリは少し困っているみたいに見えたけど、話を聞いて箱を持ってきてもらってから、ココットを詰めていた。


「大丈夫じゃないですか?」


ユリが言うと、冬箱のお店の人は驚いているみたいだった。


「目から鱗だ・・・」


やっぱりユリは頭が良いんだなぁ。

感心していると、店の外から色々なものを持ってきて話していた。


ユリがこちらを見た。何か話すみたいだ。


「リラちゃん、悪いけどクッキー持ってきてくれる?」

「はい!」


ユリがリラにクッキーを頼んだ。

次はお茶かな?と思ったら、黒蜜と聞こえたので、すぐ返事をした。


「ユメちゃん、黒蜜もっ」

「わかったにゃ!」


冷蔵庫に行って、黒蜜を2つ持って来た。

ユリに渡すと、マーレイさんがアイスを持って来た。


ユリは持って来たものの説明をしながらアイスに黒蜜をかけて食べるようにすすめていた。


ソウが、ユリに言われる前に冷茶を持ってきた。


「ソウ、ありがとう」


冬箱のお店の二人はニコニコした顔で帰っていった。

ユリはなんだかため息をついていた。



「みなさん、お休み時間なのにありがとうございました。どうかしっかり休んでくださいね15:30からでお願いします」


ユリが15:30と言っていたから、みんなは遅く来るはずだ。なら、ユリに聞いてみよう!


「あら15:30からで良かったのよ」

「ユリに聞きたいことがあったにゃ」

「なあに?」

「黒糖クッキーはないにゃ?」

「作れるわよ?食べる?」

「食べるにゃ!」

「胡桃とか入れる?」

「入れるにゃ!先払いで手伝うにゃ!」

「ふふふ、ありがとう」


午前中は手伝っていないから、長く休まなくても大丈夫のはず。


ユリと二人だけで頑張った。

黒蜜を買う人がいっぱいで、ビックリした。


15:30に戻って来たソウに、どういうこと?と聞かれたけど、新しいクッキーを頼んだと説明した。

わたしは午前中仕事していないし、問題ないと思う。


リラが戻ってきてから一緒にお店を見てくれた。

今日は「リラのはな」は、もう作らないらしい。


「ユリに黒糖クッキー頼んだにゃ」

「ユリ様が新しいクッキーを作るんですか?」


リラに伝えると、リラはユリを見に行ってしまった。

すると、厨房からリラの声が聞こえる。


「凄い!」


なんだろうと思って見に行くと、黒猫型の焼く前のクッキーが鉄板に並んでいた。


「凄いにゃ!ユリ天才にゃ!」

「ユリ様は本当に凄いです!」

「ほう、これは良いな」

「可愛らしいですね」


みんなも凄いと言っていた。


ニコニコしながらお店に戻ると、お客から聞かれた。


「何かあったんですか?」

「ユリが凄いクッキーを作ってるにゃ」

「ほぅ。出来上がったら見せていただけますか?」

「わかったにゃ!」


ユリが少し冷ましたクッキーをお皿にいれてくれたので、約束通りお客に見せに行った。


「私のクッキーなのにゃ!」

「ほぅ!これは素晴らしい!!」

「これは売ってもらえるのだろうか?」

「私にも売ってくれ!いくらでも出す!」

「食べ終わったら外で待っているから売ってくれ!」

「ユリに聞いてくるにゃ」


「ユリ、食べ終わった人は外で待ってるからクッキー欲しいって言ってるにゃ」

「え、何人が言ってるの?」

「全員にゃ」


ユリは驚いてお店に確認に行ったけど、やっぱり全員だったと言って戻ってきた。


リラと一緒に合計60枚の黒猫クッキーを作ってくれた。

最初に作ってくれた分は、焼き上がったクッキーと一緒に籠に入れて持っていった。


外にクッキーを持って出ると、ユリは、色々な人たちにいつものお茶とおやつのお礼を言われていた。

そして外にいる人たちは、黒猫クッキーを見ると驚いたあと拝みだした。

今度はユリが驚いていた。


希望した人たちで、60枚のクッキーでは足りなかった。


ユリが追加を作るために急いで店に戻ってしまったので、お客は わたしにお金を払っていった。

聞かれないので値段を言わなかったら、大体の人は500~1000☆で、中には1万☆払っていく人もいた。

もっとも、値段を聞かれても分からないけど。

次回は10月10日13時の予定です。

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