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クロネコのユメ  作者: 葉山麻代
◇子供ユメ◇

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夢の茄子

ソウに起こされた。


「ユメ、大変だ、ユリが変なもの作ってる!」

「何にゃ? にゃー。たしか、今日はエイプリルフールにゃ」


起きたてのあまり回っていない頭で、頑張って思い出した。


「いや、そういうのじゃなくて、そうなんだけど、そうじゃないんだよ」

「何言ってるのかさっぱりわからないにゃ」


珍しく、ソウが支離滅裂なことを言っているので、落ち着いて良く話を聞いてみると、なんとユリが、茄子(なす)胡瓜(きゅうり)でジャムを作っているらしい。

それこそ、エイプリルフールの嘘なのでは?と思ったけど、ソウは、作るのを手伝わされたので、材料は疑い様がないそうだ。


「食べてみたのにゃ?」

「え、だって、茄子や胡瓜のジャムだぞ?」


ソウは、私の食べるという選択肢に驚いていた。


「ユリが作るなら、美味しいと思うにゃ」

「ユメ、お前偉いな!」


本気で感心したように、ソウはこちらをみた。


「ソウは、ユリを信じるべきにゃ」

「勿論、ユリのことは信じてるけど、茄子だぞ?」

「とりあえず、起きるにゃ」


起きてリビングに行くと、すでにキボウが、ヨーグルトらしきものを食べていた。


「おはようにゃ」

「ユメ、きたー」


キボウを待たせていたみたい。


「それが、ソウが言ってたジャムにゃ?」

「あら、なーんだ知っているのね。うふふ」

「私の分も出してにゃ」


私がリクエストすると、ソウはあからさまに驚いていた。

そしてすでに食べていたキボウのそばに行って、こそこそ尋ねていた。


「キボウ、美味しかったか?」

「おいしーよー、なにー?」


あれ、キボウは知らないの?


「キボウは知らずに食べてんの?」

「あたりー」


キボウは、知らないまま食べているらしい。

ユリがヨーグルトを出してくれた。早速食べてみると、茄子らしきジャムは、予想より何倍も美味しかった。


「知らなければ、リンゴみたいにゃ。こっちは、青臭さが残ってるにゃ。西瓜(すいか)の皮みたいな味にゃ」

「んー、そうすると、こっちだけ作りましょうか? 材料は何か当ててくださいとクイズにしたいと思います」


お店で使うことにしたらしい。ユリは、茄子ジャムは作ったことがあったけど、キュウリジャムは初めて作ったらしく、調整に失敗したみたい。ユリも少し食べてみて、作るものを決めていた。


「緑の方は失敗したのにゃ?」

「家庭菜園とかで熟れすぎた大きめので作ると、もっと果肉が柔らかくて、メロンぽくなるらしいのよね」

「成る程にゃー」

「ま、リラちゃんには、どちらも食べてもらいましょう。うふふ」


リラは、無理にすすめなくても食べるだろうなぁと思った。


「ソウ、茄子の方は、美味しいから食べてみると良いにゃ」

「うーん。わかった。少し食べてみるよ」


ユリは笑いながら、ソウにもヨーグルトをだしていた。


「シナモンでも入れたら、林檎って信じるかも」

「皮も一緒に煮ると、色もつくのよ。よりリンゴに見えるように、皮は入れなかったけどね」


ユリは何度か作ったことがあるらしく、皮を入れた色つきのものもあると話していた。


「ユメー、なにー?」

「ジャムの材料にゃ?」

「あたりー」

「これは、茄子で作ったらしいにゃ」

「なーすー!?」


キボウが材料を知って驚いていた。

ソウは誰かに食べさせるらしく、ユリから茄子ジャムを分けてもらっていた。


ご飯の後ユリは、王宮に持ち込むお菓子をキボウに説明していた。


「ユメちゃん、アイスクリームがあるから魔道具のリュック使って良いかしら?」

「構わないにゃ」


預かったお菓子は、桜の花のラング・ド・シャとセットのアイスクリーム、先程食べた茄子ジャムのヨーグルトだった。各15セットほどあるらしい。


「ユメー、いっしょいくー?」

「わかったにゃ。世界樹の森の前で待ってるにゃ」


キボウの魔力で転移し、いつものように入り口の前で待っていた。


「あれ?幕がないにゃ!?」


ハッとして、慌てて下がった。

良く考えると、今日は1日だから、ぼやっとしていると、森に入ってしまう。


「ユメー、なにー?」


私が慌てているのを、戻ってきたキボウに見られてしまった。


「今日は、私も入れる日なのにゃ。間違って入らないように、下がってたのにゃ」

「はいるー?」

「入らないにゃ」


「わかったー」


キボウは少し寂しそうに答えていた。

何か悪いことしちゃたかなぁ?


そのまま城に転移し、勝手にカンパニュラの部屋まで行った。

特に誰も咎めないし、怒られないけれど、本当は勉強中の時間かもしれない。一度誰かに確認をしてみようかなと思っている。


メイドがお茶を用意してくれたので、ヨーグルトと、桜のアイスクリームののった、桜型のラング・ド・シャを取り出した。


「アイスが溶けないうちに食べた方が良いにゃ」


ふと数えると、10組しかなかった。ユリは15組持たせていたはず。


「キボウ、これで全部にゃ?」

「ぜんぶー、ぜんぶー」

「あと5組、どうしたにゃ?」

「かみさまー、メイプルー、アネモネー、プラタナスー、たねー!」

「置いてきたのにゃ?」

「あたりー!」


それを聞いて、メイプルたちが少し気の毒になった。キボウは、何味のアイスと、何のジャムだと説明してきたのだろう?


「キボウ、ジャムの材料は説明してきたのにゃ?」

「なーすー!」

「メイプルに伝わったのにゃ?」

「メイプルー、えいぷるるふーるー!」

「メイプルは、エイプリルフールですか。って言ったのにゃ?」

「あたりー!」


あー、やはり伝わっていないらしい。エイプリルフールの嘘だと思われているみたい。


「ユメさま、こちらはなんでしょうか?」

「ピンクのお菓子は、桜の花が入っているにゃ」

「お花のおかしなのですか!すてきですね」


変わった香りと、不思議な味だとみんなが言っていた。

桜を食べる民族は、少ないのだと思う。


「ユメさま、こちらはなんでしょうか?」

「ヨーグルトに、謎のジャムが入っているにゃ」

「なぞのジャムですか?」

「ユリが、材料をクイズにしてるにゃ。明日まで考えてにゃ」


即、食べるのを止め、食べていない者を呼びつけ、味を確認させていた。誰も当たらない。

ところが、シッスルだけは、先程のキボウの会話で、答えをわかってしまったらしく、他言無用にいたします。と言っていた。

あまり長居して勉強の邪魔をしないようにと、早々に戻ることにした。

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