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クロネコのユメ  作者: 葉山麻代
◇子供ユメ◇

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夢の同席

今日は、城に来ている。

メイプルたちとの最後の打ち合わせらしい。


城に来るなりキボウは、シッスルがいるプラタナスの部屋にいってしまった。

ユリもソウも引き留めなかったので、私もそのま引き留めなかった。


会合が始まり、ユリが質問していた。


「私が持ち込んだ料理やお菓子に不都合などはありませんか?」

「不都合はございませんが、あの、使われている器のみをご用意いただくのは可能でしょうか?」


たまにユリが器を移し替えていたのは、全てメイプルたちの分だったらしい。ソウが答えていた。


「どのくらい必要だ?必要なだけ持ってくるぞ?」


ソウの言葉に、ホッとした雰囲気になり、メイプルが書面をソウに渡していた。


「俺が持ち込んだものはどうだ?」

「折り紙と言うものを使いきったらしい。追加を頼めるだろうか?」


あー、折り紙、みんなで使っていたから無くなるとは思っていたけど、既に無いのか。


「どのくらい必要だ?」

「プラタナスに10、カンパニュラに2、その他の分として少々ご用意願いたい」


プラタナスやカンパニュラの分は良いとして、その他ってなんだろう?


「了解。他は良いのか?」


ソウは簡単に了承しているから、問題ないのかな。


「白黒駒のゲームを、城の分に頼みたい」

「了解」


あのゲームは単純で、子供でもすぐ覚えられるから良いよね。


「別に、メイプルがいなくても、俺は注文に応じるぞ?」


あ、ソウも思ってたんだ。

ソウ、どんだけ怖がられているんだろう? 過去に何したんだろう?


「カンパニュラの必要分をメイプルが言うのはわかるが、王宮の分は、文官に書面で出させれば良いと思うぞ?」


ソウが具体的に言っても、みんな顔色が悪そうだった。


「ソウ、私がいない間、よろしく頼む」

「おう。頼まれた」


メイプルが直接「頼む」と言い、ソウが返事をしたことで、まわりの役人たちが、ホッとしていた。

今日の最大のメイプルの使命だったのかもしれない。


そんなことを考えていると、メイプルがこちらを見た。


「ユメ様、魔道具の鞄をお借りします」

「構わないにゃ。荷物は入りきったのにゃ?」

「入りきる予定ではありますが、当日の運搬をお願いすることになると思いますので・・・」


メイプルが語尾を濁していた。


「それ、俺が行くよ。用量的に一番大きいし」


ソウが運ぶと名乗り出ていた。

ソウ一人では大変なので、当日は、私もユリも行くと思う。


「そういえば、衣類は大丈夫ですか?」

「大丈夫とは、ハナノ様、何か懸念がございますか?」

「プラタナス君、大きくなるから、サイズ違いの服が必要かと思いまして」

「帰る時の正装は難しいですが、過ごす間の服は用意しました」

「良かった。それなら大丈夫そうですね」


ユリは、最後に猫型ラムネを渡し、会合を終わらせた。


『キボウ、帰るにゃー』

『さきかえってー』


よし、キボウは置いて帰ろう。

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