夢の映像
「キボウ君ー、キボウ君ー、何処に居るのー?」
ユリはキボウを探しているみたいだ。
「キボウなら出掛けてるよ」
ソウが言っても、なんで?という表情なので、説明しよう。
「キボウは世界樹様の所に行っていると思うにゃ。何か新しいものを手に入れる度に見せに行っているみたいにゃ」
聞いても意味が分からないのか、考え込んでいるみたいだった。
「・・・今回は何を見せに行ったの?」
「ユメスペシャルにゃ!」
「他には、何を見せに行ったか知ってる?」
「プラ板も持って行ったにゃ。たぶん折り紙も持って行ったと思うにゃ」
木鈴やプラ板は置いてきたのだから、見せるだけならソウに貰った車も見せに行っていた。
そこへ、キボウが転移で戻ってきた。
「ユリー、よんだー?」
「あ、キボウ君、お帰りなさい。探していたわ」
「ユリ、なにー?」
「世界樹の森にある、リスさんが作ったと言う台所はどんな感じか知りたかったのだけど、世界樹の森に行かずに知る方法はないかしらと思って。キボウ君に聞いてみようと思ったのよ」
ユリの説明をじっと見つめたまま聞いていたキボウは、ブロッコリーみたいな頭に手をのばし、中から葉っぱを出してきた。
「かみさまー!」
神様から預かってきたの?
その葉っぱをユリに渡すと、部屋のすみにいって、遊び始めた。
受け取ったユリは、目を凝らして葉っぱを見ていたけれど、「無理だわ」と呟き私に渡してきた。
「ユメちゃん、これ読める?」
「にゃ? 」
ユリから受け取ろうと葉っぱを触ると、映像が頭の中に流れてきた。
「ユリ、読むんじゃなくて、触るみたいにゃ」
ユリは、文字らしき場所に触れないように葉っぱを持っていたようで、触り直すとすぐに理解したみたいだった。
「嘘、これ、どういうこと!?」
「ユリどうした?」「ユリどうしたにゃ?」
ユリは私とソウを見て、私に葉っぱを渡してきた。
「ユメちゃん、これって、リスさん?」
え?おかあさまが映っているの!?
急いで葉っぱを触り確認すると、キッチンで料理を作るブロンドの女性が、髪を一つに縛っていて、振り返ると、ユリに良く似た顔立ちの、夢でもぼんやりとしか覚えていなかったおかあさまだった。
「・・・おかあさま。おかあさまにゃ!」
二度と会えないおかあさまだ!
私は、ユリよりも若く見えるその映像のおかあさまを見ていた。
ここのキッチンのような、とても300年前とは思えない場所で、楽しそうに料理を作る姿は、ユリと重なる。
そのうち、大きな椰子の実のようなものを持ってきて、中に料理を詰めていた。
それを持ったまま、庭のような場所に移動し、同じような実が生った木から実を収穫すると、その実の中身は、違う料理だった。他の木は、また違う料理。
うわー!なんだこれ!
「にゃははははー」
「ユメちゃんどうしたの?」
「木だったにゃ! 木の実だったにゃ!!」
ユリに葉っぱを渡した。
「うわー、なにこれ?」
ユリも驚いているみたい。
「見せてくれ」
ユリは、ソウに葉っぱを渡していた。
「ユリの料理指導、要らなくない?」
「要らないわね。嗜好品だけ必要という意味がわかった気がするわ」
また見せてもらおうとソウに声をかけようとすると、ソウはキボウのそばへいってしまった。
「キボウ、この映像は誰でも見ることが出来るのか?」
「わかんなーい」
「料理が出てくるのに、どうして立派なキッチンがあるの?」
「わかんなーい」
「おかあさまは、そこで料理を作ってたのにゃ?」
「つくってたー!」
そうか、キボウは見たことがあるのか。
キボウって、何歳なんだろう?
映像を見ていたソウが慌て出した。
「ユリ、ここ、これ見て!」
ソウがユリに葉っぱを半分渡しているので、私も少し触ってみた。
映像のおかあさまは、木の実を土に埋めていた。
「もしかして、増えるの?」
「あ、成る程!」
「なら、完成品を種類多く持たせたら良いわね」
種を作る木の実なのか! なんだろう。凄いなぁ。
「キボウ、これ借りていって良いか? メイプル達に見せて良いか?」
「いーよー」
「ユリ、これ見せて対策をたててこよう」
「わかったわ」
「一緒に行くにゃ!」
「キボーも、キボーも」
みんなで城に転移することになった。




